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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第33話 ゼロの誓い

リーダー「ギルドが俺たちを『悪』とみなした場合は……、俺たちの組織は、綺麗さっぱり無くなることになる」


 今度は、デメリットを提示した。


リーダー「ギルドは大きい。一度、敵に回してしまえば、太刀打ちは出来ない」


 リーダーが、現実的な話をする。


リーダー「ギルドに対抗し、犯罪者は犯罪者たちで、独自のネットワークを形成し、対抗しているが……当然、悪を――犯罪者を殺している俺たちは、そのネットワークには加われない」


 僕たちは、ギルドへの対抗手段を持ちわせていなかった。


スリー「今から、善人を殺せば?」


リーダー「俺が許さない」


 思想が対立する。

 正義であり続けるなら、人殺しをやめなければいけない。

 そんな当たり前の現実が僕たちの前に立ちはだかった。


スリー「なあ……、リーダー。昔、俺に言ったよな? この世界には悪でしか救えない人たちがいるって」


 それは、僕も聞いたことがある。

 あれは、確か……出会ったばかりの頃に………。


スリー「リーダーである、アンタが『悪』を捨てようだなんて……それは明確な『裏切り』じゃねーか?」


 スリーは、リーダーの過去の発言を引っ張り出して、リーダーを追い詰めようとする。


リーダー「……あの言葉は『嘘』だ」


 リーダーは、否定した。

 過去の発言を。


リーダー「悪でしか救えない人間なんていなかった」


 リーダーは、暗い表情を見せた。


リーダー「俺たちは、たった五人だ。救えた人間より、救えなかった人間の方が多い。……俺たちは、もっと仲間を集めなきゃいけないんだ。より多くの人間を救うために!」


 どうやら、リーダーは、ずっと悩んでいたらしい。

 抱いた理想と、現実のギャップに。


リーダー「『悪』じゃ、人はついてこない。俺は……間違っていたんだ」


 これまでの自身の行いを『否定』した。


リーダー「『正義』じゃなきゃ、いけなかったんだ」


 苦しそうな表情で、語る。

 己の過ちを。


ゼロ「ふざけるな……。ここにいるだろうが……」


リーダー「ゼロ?」


 怒りを含んだ僕の言葉に、リーダーが戸惑う。


ゼロ「あんたは間違ってない! 現に、『僕』を救ってみせただろ!」


リーダー「!!!!」


 リーダーが、ハッとする。


ゼロ「僕たちに意見を求めるな。言い訳をするな」


 そんなものは、必要ない。


ゼロ「リーダーは僕たちに、ただ――『黙って、ついてこい』って言えば、それで良いんだ!」


 善も悪も関係ない。


ゼロ「僕たちは、リーダーの部下で……味方です」


 僕は、満面の笑みを見せた。

 一度は、死を選んだ僕が、こうして笑えている。

 それは、他でもないリーダーのおかげだから。


ゼロ「自信を持ってください。何があっても、そばにいますから」


 そう、『何が』あってもだ。

 僕は絶対に、リーダーを裏切らない。

 それは、決して揺らぐことのない『誓い』だった。

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