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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第28話 千年に渡った呪い④

人間A「殺せ! 人のふりをした魔物を殺せ!」


 私が憑りついたヒーローが人を殺す。


呪い「視界が変わっただけで、『人殺し(ヒーロー)』に後戻りか」


 案外、簡単だったな。

 もし、ベルクだったら、こうはいかな……


呪い「……よそう。死んだ人間のことを考えるのは……」


 私が、くだらない過去に蓋をする。


人間A「あははっ。醜い魔物め! 死ね!」


人間B「キャー」


 人間が死んでいく。……意味も無く。


呪い「私が望んだ正義は……こんなんだったか?」


 私は、私が憑りついたヒーローが人間を殺していく様を、冷めた目で見ていた。



   *



 あれから、長い時間が経った。

 私は、人間に憑りついて。

 憑りついた人間が駄目になったら、別の人間に憑りついて。

 そうやって、途方もない時間を、生き抜いた。


呪い「ギャハハハ。殺せ、殺せ! 人間を殺せ!」


 私は、おかしくなった。

 いや、初めから、おかしかった。

 もっと、おかしくなった。


人間C「はい! 仰せのままに!」


 私が、憑りついた人間が、私の言う通り人を殺していく。


呪い(この人間には、自分の意思が無いのか?)


 私は、我に返った。

 返ったところで、やることは変わらないが……。


人間C「ああ、魔王様! 私に世界の真実を見せてくれた偉大なお方よ!」


呪い「魔王……」


 いつしか、私の存在を魔王と同一視する人間が現れた。


呪い(……私は、魔王などという迷信とは違う)


 私は、確かに『存在』している。


呪い(私は、魔王などと呼ばれる存在ではない)


 そのような下等な存在であるはずがない。


呪い(この途方もない時間の中で、私はベルクを超えた)


 私は、ベルクを超える『人殺し(ヒーロー)』になった。


呪い(そう、今の私は……)


 私こそが……


神(呪い)「『神』なのだ!」


 私は、もはや『呪い』に収まる存在ではない。


神(呪い)「私が、この世界の『ルール』だ」


 私が、することが正しい。

 私以外は、間違っている。


神(呪い)「私だけが……」


呪いA「ねえ、英雄は見つかった?」


神「……!」


 かつての同胞が、私に語りかけた。


呪いA「いい加減、帰ってきたら?」


呪いB「もしくは、迎えに来てよ」


 同胞たちが、今さらになって、神となった私に意見する。


神「……お前たちは、これまで何をしていた?」


呪いA「何もしてないよ」


呪いB「ずっと、ベルクの墓の中」


 ……嘘だろ?

 ベルクの代わりを探すでもなく。

 ベルクになろうとするわけでもなく。

 ただ、待っていただけ?


神「……ふざけるな」


 私が怒りで、震える。


呪いA「……?」


 その怒りの理由を、同胞たちは理解しない。


呪いA「どうしたの? ……『私』」


神「!!!!」


 私……だと?


神「『私』は……『お前』ではない!」


 ブチッ。


 私と同胞たちの繋がりが切れた。


神「くく、あはは」


 私は、笑う。


神「……そうだ。私は『私』だ。他の誰でもない」


 アイツらとは違う。

 唯一無二の……


神「『神様』なんだ」

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