第25話 千年に渡った呪い①
ベルク。ベルク。
偉大なる英雄ベルク。
千年前に世界を救った男の魔法使い。
ベルクは、正義の『ヒーロー』。
正義の名のもとに、悪を殺した。
どれだけ、つくろっても所詮は『人殺し』。
ベルク「それでも、救うんだ……」
心優しき英雄ベルク。
戦争に巻き込まれた一般人を救うため、今日も悪を殺す。
ベルク「私が……やらなきゃいけないんだ」
罪の意識に、さいなまれても止まらない。
殺される。
私が殺される。
私たちが殺される。
悪のレッテルを貼られて、殺される。
……戦争が終わった。
ベルクが終わらせた。
一般人A「ありがとうございます。ベルク様」
一般人B「ベルク様こそ、真の英雄でございます」
生き残った人間たちが、ベルクをもてはやす。
?「何が違う。私たちだって、愛すべき祖国のために戦ったというのに……」
私たちは、私たちの信じる正義のために戦った。
けれど、私たちの正義は理解されず、ベルクの正義だけが『正しい』ことになった。
それは、何故か?
?「ベルクは勝利して、私たちは敗北した」
そうベルクは強かった。
その強さがベルクの『正義』の正しさを証明した。
?「ふざけるな。ふざけるな!」
お前の力は……その魔力は自分の手で、手に入れたものか?
違うだろ!
?「全部、生まれたながらにして『持っていた力』だ!」
膨大な魔力を持って生まれてきた選ばれしもの――『大魔導士ベルク』。
?「理不尽だ。私たちの正義が――『思い』が、理不尽な力の前に敗北した!」
許せない。
許さない。
ベルク「戦争は終わり、世界は平和になった。もう、私は……英雄は、いらない」
……はっ?
?「私たちを殺したお前が……平穏な生活を――『幸せ』を手にするのか?」
嫌だ。
認めない。
?「殺せ……。人を殺せ……」
私たちはベルクに殺された――悪のレッテルを貼られた人間たちの怨念であり、呪いだ。
呪い「私たちの恨みを……この『嫉妬』を!」
目的を果たし、『正義』を失った『お前』に教えてやる!
呪い「思い知れ! お前は『人殺し』だ! その『業』からは、決して逃れられない!」
私たちを殺した英雄に――呪いあれ。




