第18話 『ゼロ』
スリー「この組織には、ルールがある」
ツー「……(スッ)」
スリーが説明を開始したとともに、抱きついていたツーが僕から離れた。
スリー「この組織は入った順……つまり、番号が若い順に偉いんだ」
番号……確かに、リーダーを除いたメンバーは、数字で呼ばれていた。
?「入った順……番号で呼び合うのが決まりなんですか?」
リーダー「うん。ワンの提案で、そうなったんだ」
?「ワンの?」
ワン「ああ、そのとおりだ」
ワンが、頷いた。
ワン「我らは、名前で呼び合うような仲良しこよしのグループではない。我らは――『悪を討つ』。その志の元に集った同士であり、協力者だ。この志が尽きない限り、我らの絆は不滅だ」
?「同志に……絆……」
僕は、ワンの言葉を噛み締めた。
その言葉は『みんな』を裏切ってしまった僕に欠けていたものに感じたからだ。
スリー「そういうわけで、新入り。今日からお前は『フォ……」
リーダー「今日から君は『ゼロ』だ。よろしくね」
スリーの言葉を遮って、リーダーが僕に言った。
スリー「なっ!?」
スリーが驚く。
ツー「番号が若いほど、偉いってことは……逆に、スリーが一番下ってことよね」
ツーは、スリーの発言の揚げ足を取った。
ツー「あなたには、これまで以上に『お願い』をするわね」
ツーの表情は、とても嬉しそうだった。
スリー「ち、違う! ノーカンだ! ノーカン!」
スリーが、否定をする。
スリー「ていうか、ここに来て、なんで番号が若返るんだよ! おかしいだろ!」
リーダー「えっ? だって、『4』だと『死』を連想して不吉だし……」
スリー「じゃあ、飛ばして『5』でいいだろ!」
リーダー「一人だけ、連番じゃないの可哀想かな~、って」
ツー「確かに、『1、2、3、5』よりなら『0、1、2、3』の方が締まりが良くていいわね」
スリー「そんな!?」
リーダーに同意したツーの発言に、スリーが、たじろく。
スリー「……そうだ! 言い出しっぺ……ワンはどうなんだよ。ここにきて、『ゼロ』なんておかしいよな!」
ワン「ん? 我か? そうだな……」
ワンが思案する。
ワン「カッコよくて、いいと思うぞ。『ゼロ』」
ワンが、グッジョブしながら言った。
ゼロ「ありがとうございます」
こうして、僕の呼び名は『ゼロ』に決定した。




