第17話 悪寒
スリー「ふぁ~、よく寝た」
ずっと、眠っていたスリーが目を覚ました。
『グ~』
スリーのお腹が鳴った。
スリー「あ~、腹減った。ご飯は?」
?「えっと、……もう食べちゃいました」
既に、夕食の時間は過ぎてしまっていた。
スリー「マジかよ!? 起こしてくれよ!」
スリーが、文句を言った。
リーダー「いや~、気持ち良く眠っていたから起こすの悪いと思ってさ~」
スリー「くそ~、……そういえば、俺、なんで眠ってたんだっけ?」
スリーは、頭を傾げた。
スリー「あっ、思い出した。ワンの自己紹介が長かったせいだ」
ポンと、拳で手を叩きながらスリーが言った。
スリー「え~と、残りの自己紹介は……」
リーダー「俺たちの自己紹介は既に終わったよ。……あっ、スリーの自己紹介は俺の方でしちゃったけど、良かったかな?」
スリー「あ~、全然オッケー。むしろ、手間が省けて助かった」
リーダーに返事をし終わると、スリーは僕を見た。
スリー「こいつの自己紹介は?」
ワン「まだだ。お主が目覚めるのを待っていた」
皿洗いを終え、戻ってきたワンが言った。
ツー「はい、スリー。夕食の残りよ」
スリー「おっ! サンキュー!」
ガツガツと、スリーがご飯を口に運ぶ。
?「でも、意外ですね。女の子のツーはともかく、ワンまで家事が出来るとは」
リーダー「まあ、ツーをここまで育てたのはワンだからね」
?「ワンが、ツーをですか?」
僕は、驚いた。
リーダー「うん。俺と出会う前の話なんだけど……。ツーの親――ワンの友達は病気でね。それで、ワンが、ツーたち親子の面倒をみてあげていたんだ」
?「そうだったんですね。……でも、その話、僕にしちゃって良かったんですか?」
リーダー「ん? 別に話すな、とは言われてないけど……」
?「いえ、先程の自己紹介で、その話が出てこなかったので。何か話したくない理由があるのかと」
リーダー「ああ、それは単純に話が、そこまで進まなかっただけだよ。その友達との出会いの話で熱くなっちゃってたからね」
?「ああ、あの好敵手って人が、ツーの親だったんですね」
だとしたら、その好敵手って人は今、どこで何をしているのだろうか?
スリー「ふ~、食った、食った」
スリーが、ご飯を食べ終わった。
スリー「悪かったな。自己紹介しちゃって、いいぜ」
?「あっ、はい」
僕が、自己紹介の内容を考える。
?「え~と……。大人たちに、暗殺技術を叩きこまれて、言われるがままに人を殺してきました」
これまでのことを話す。
?「そして、そんな彼らを裏切ってしまって……、僕も死のうと思いました」
本来、僕は、あそこで死ぬはずだった。
?「でも、リーダーに救われて、ここに来ました。……すみません。リーダーが話してくれた内容と一緒でしたね」
ここに来たとき、リーダーは僕を連れてくるまでの経緯を説明してくれていた。
僕が話した自己紹介は、その焼き直しになってしまった。
ツー「うう、可哀そうに……。お母さんが、ついているからね」
同情したツーが、僕に抱きついた。
――ブルッ。
?(……!)
突然の悪寒に、僕が振り返る。
スリー「…………」
スリーは、殺気のこもった冷たい目で僕を見ていた。
……なんで?




