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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第11話 暗殺者

少年「…………」


 少年は、視線を少女に移すと、そのまま少女の元へと歩いて行った。


少年「……アイツとも、『やる』つもりなのか?」


少女「違うわ。特別なのは、あなただけ……。さっきの発言に、他意は無いの」


 二人が小声で、何かを話す。

 会話の内容は、よく聞き取れなかった。


少年「……そうか」


 少年が、少女から離れた。

 そして、再び視線を僕に移した。

 その表情は、さっきと変わって笑顔だった。


少年「さっきは睨んで悪かった。新入りってことで、ちょっと警戒しちまった。ごめんな」


 何かを誤魔化すように、少年が謝った。


少年「それで、お前……暗殺者なんだって?」


?「はい。そうですけど……」


 僕は、少年の言葉を肯定した。


ワン(男性)「ふむ、『暗殺』か……。確かに、我らとは戦い方が異なってきそうだな」


少年「そうそう! 俺たちみたいな正面からの切った張ったじゃない。相手を『殺す』ことに特化した技術……興味があるぜ! ぜひ、見せてくれよ!」


 少年が期待に満ちた目をする。


?(これは、期待に応えたないといけなさそうだ)


 僕は手を後ろに回し、バレないようにナイフを掴んだ。


少年「そうだ! お前の得物は、なんなんだ? 俺の得物は、このナイフで……」


 ザシュ。


 僕の投げたナイフが、少年の首元にかすり、後ろの壁に刺さった。


少年「……はっ?」


 僕の突然の行動に、少年がイラついた表情を見せる。


?「相手が戦闘態勢に入る前、油断しているところを一撃で殺す。……これが暗殺者が取るべき最善手」


 僕が実演してみせた暗殺者の戦い方を説明する。


少女「馬鹿!」


 ゴンッ。


?「痛っ!」


 フライパンで頭を殴られた。

 一体、どこから持ってきたのだろうか……


少女「いきなりナイフを投げるなんて、危ないでしょ! そんな悪い子に育てた覚えはありません!」


 少女が激怒した。


?「いや……、ちゃんと、かする程度で止めたし……。あと、育てられてもない……」


少女「言い訳しない!」


?「はい……」


 少女の剣幕に押され、言いくるめられた。


少年「はあ~、つまんね」


 少年が溜息をついた。


ワン(男性)「そうだな。戦闘という一番の醍醐味を放棄するとは……理解に苦しむ」


 男性が少年の言葉に同意した。


リーダー(青年)「う~ん……。じゃあさ、暗殺組織の連中も、その不意打ちで殺したのかな?」


?「あれは……真正面から殺しました。最善手が失敗したときの戦い方も教わってたから……」


リーダー(青年)「あれだけの人数を一人で……。しかも、暗殺技術を教えた張本人である大人たちさえも……。やはり、君の実力は本物だ」


 青年が笑みを浮かべる。


?(この人は……どうして、ここまで僕の戦闘力に注目しているんだ?)


 僕が訝しんだ。


リーダー(青年)「ふっ、そんな目で見ないでくれ。他意は無いんだ。ただ、心配していたのさ」


?「心配?」


リーダー(青年)「ああ、君が俺たちの仲間になったとして……ちゃんと生き残れるかどうかをね」


?「……もし、僕が生き残れないと判断したら?」


リーダー(青年)「そのときは、奴隷商のところに預けさせてもらうよ」


?「……そうですか。じゃあ、生き残りますよ。そして、役に……『悪人』を殺しまくってみせます」


 奴隷商の元に……平凡な幸せを手に入れる訳にはいかない。

 僕は、僕が殺してしまった『みんな』と一緒に居続けるために、人殺しであり続ける。


リーダー(青年)「ふふ、期待してるよ」


 そんな僕の言葉を聞いて、青年は満足そうに笑った。

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