第10話 改造人間?
青年「……って、な訳なんだ」
青年が僕と出会い、ここに連れてくるまでの経緯を説明した。
少女「そんな! 自ら命を断とうとするなんて……。もう大丈夫。今日から私がアンタのお母さんよ! 辛いことがあったら、なんでもいいなさい」
?「あ、ありがとうございます……」
なぜか、同い年のお母さんができた。
男性「なんだ。勝負したわけではなかったのか」
男性は、残念そうに言う。
リーダー(青年)「アハハッ。……でも、俺が辿り着く前に『彼』が暗殺組織を壊滅させたのは事実だ。腕は確かだよ。間違いなくね」
?(確かに、事実ではあるけど……)
僕のことを、少し買いかぶり過ぎているように感じた。
男性「ほう……。なるほど、そういうことか」
男性が何かに納得したように頷いた。
男性「お前は、悪の組織にその体を改造されながらも、正義の心に目覚めた……改造人間だったのだな!」
男性が包帯まみれの手で自身の眼帯に触れた。
その手は動かしても大丈夫なのだろうか?
?(ていうか、そもそも……)
改造されてないし、正義の心に目覚めてもいない。
リーダー(青年)「あ~、ごめんね。『ワン』は中二病でね。話半分に聞いてくれ」
ワン(男性)「中二病などではない! 我のこの眼帯の下には魔王の力が。この包帯で封印された手には偉大なる神の力が宿っており……」
?「え~と、じゃあ、怪我とかでは……」
リーダー(青年)「ただのファッションだね」
ワン(男性)「ファッションなどではない!」
男性が大声で否定した。
ワン(男性)「我は、魔王と神の力を宿した『ダークヒーロー』。闇の世界に身を置きながらも、闇を裁く存在。千年前の英雄『ベルク』をも超える、真の……」
残念ながら、男性の話は、僕の耳に届いていなかった。
……気付いてしまったのだ。
さっきまで、笑っていたはずの少年が――
少年「…………」
険しい顔つきで、僕を睨んでいることに。




