第3話 後悔
大人A「きゃー!」
ザシュ。
大人B「くそ! これでも喰ら……」
ザシュ。
大人C「~~~」
ザシュ。
大人D「…………」
ザシュ。
?「…………」
殺した。
僕たちに人殺しを強要した悪い大人たちを殺した。
大人たちから教わった殺しの技術で殺した。
子供A「…………」
子供B「…………」
子供C「…………」
子供D「…………」
そんな僕を、僕と同じ子供――たちが取り囲んだ。
子供A「裏切者め!」
子供B「よくも先生たちを!」
子供C「許せない!」
子供D「仇を取ってやる!」
みんなが僕に恨み言を吐いた。
?「…………」
みんなは僕と一緒で大人たちに従うのが嫌だと思ってた。
でも、違ったみたい。
『辛いのはみんな一緒。あなただけじゃない』
『だから、我慢しなさい』
悪い大人が僕に教えてくれたことだ。
?「そうか……。みんな辛いんだ」
?「だったら……、その『原因』を取り除いてあげなくちゃね」
だから……辛さの原因である大人たちを殺してあげた。
みんな喜んでくれると思った。
子供A「ぎゃー」
子供B「ぐわー」
子供C「先生……ごめんなさい」
子供D「…………」
みんなが死んだ。
僕が殺した。
みんなが僕を殺そうとしたから、返り討ちにした。
『辛いのはみんな一緒。あなただけじゃない』
同じ言葉が頭の中でループする。
?「なにが、みんな一緒だよ……。嘘じゃないか」
辛かったのは僕だけだった。
だから、僕は裏切者。
?「どうして、勝っちゃうんだよ……」
僕が握りしめたナイフを見ながら言った。
ナイフも体も返り血で真っ赤だ。
?「僕は悪くない……」
カラン。
手に持っていたナイフを落とした。
?「大人たちが言ったんだ。『辛いのはみんな一緒』って。だから、それを信じたんだ!」
僕が頭を抱える。
?「どうして、『嘘』を教えたんだよ! どうして……」
辛いのが僕だけだって、分かっていたら殺さなかった。
僕だけが我慢すれば良かったから……
?「あ、あああ」
後悔した。
後悔した。
でも、無意味だった。
死んだ人間は、生き返らない。
犯した過ちは、消えない。
?「…………」
ガシッ。
僕は落としたナイフを拾い、強く握りしめた。
?「大丈夫……痛みは一瞬だ……」
僕はナイフを自身の首に当てて……
そのまま……一気に……
ザシュ。
辺りが真っ赤な血で染まった。




