表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
260/292

第1話 『デウス・エクス・マキナ』

 後付けの物語は、さらなる過去へと回帰する。

 脱線に、脱線を、繰り返し、物語の結末は遠のいていく。


ルナ「この世界を作った神様は、悲劇しか思いつかないらしい」


ルナ「そのくせ、バッドエンドを嫌う。面倒なこと、この上ない」


 バッドエンドを嫌う神様――「作者」と呼ばれる存在が、それでも悲劇を書き続けるのは……。


ルナ「悲劇からの『救済』を望むから」


 悲劇とは、ハッピーエンドに至るまでのスパイスに過ぎない。


ルナ「――で、あるなら、今回の物語も、キチンと救済で終わらせる自信があるのかい?」


 今回というには、救済まで辿り着いてない途中の物語が多くあるが……。

 一応、救済の目処が立っているから良しとしよう。


『…………』


 神様は、答えない。

 どうやら、自信はないらしい。


ルナ「仕方ない。私がその『役目』を引き受けるとしよう」


 デウス・エクス・マキナ。


 それは、古代ギリシャの演劇に由来する、物語の破綻を強引に解決する「演出技法」。


ルナ「好きなだけ『私』の存在を盛るがいい。君が望む救済に辿り着くように」


 これは後付けの物語。

 そのシワ寄せを受けることになった少女が、気にした素振りも見せずに言いのける。


ルナ「遠慮する必要はない。英雄に憧れ、英雄を騙ったときから、私の物語は既に決まっていたんだ」


 …………。


 目の前の少女は、ベルクとは違い「英雄」ではなかった。

 英雄として、登場させたわけではなかった。

 あの少年――カイトと同じように。


 すべては後付けの物語。

 後付けが彼女たちを英雄にした。


ルナ「ああ、そうだ。最後にお願いがある」


 少女が神様に語りかける。


ルナ「名前の表記を変えてもらおう。この名前はもう、私の名前ではない。――既に、失った名前だ」


『…………』


ルナ「なら、なんて表記すればいいかって? そうだな……」


 少女が考えるふりをする。

 名前はもう決まっている。

 初めから。


黒魔導士「『黒魔導士』――。そう名乗らせてもらおうか」


 物語は紡がれる。

 その先に救済が待っている――そう信じて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ