第19話 授業開始
司祭「7×4は?」
マイ「28です」
司祭「正解です」
レイさんの口添えもあり、私は司祭様の元で勉強を教えてもらっていた。
今は、算数を教わっているところである。
ユナ「うわ~、凄いよ。マイ。……七の段を解けちゃうなんて!」
お母さんが私を褒めた。
司祭「では、次はユナの番です。2×4は?」
ユナ「え、え~と……」
お母さんが指をあたふたさせ計算をする。
ユナ「司祭様! 指が足りません!」
お母さんが挙手をして答えた。
マイ「お母さん……。答えは8だから、指は足りるよ……」
ユナ「本当だ!?」
お母さんが恥ずかしそうに席に着席する。
ご覧の通り私だけでなく、お母さんも一緒に勉強……授業を受けさせてもらえることになった。
ユナ「うぅ……全然分かんないよ~」
お母さんが机の上にうなだれる。
これまで地下室に閉じ込められ、まともな勉強を受けさせてもらえなかったお母さんは勉強が、てんで駄目だった。
司祭「ふふ、これから学んでいけばいいのですよ」
司祭様がお母さんを元気づける。
司祭「それでは次の授業ですが……」
司祭様が本棚の本を適当に手に取る。
『保険体育』と書かれたその本の表紙には裸の男女の絵が描かれていた。
ユナ「保健体育! これは自信あるわ! だって、これまでずっと実践してきたんだもの!」
お母さんが元気を取り戻した。
司祭「これは……まだいいでしょう」
司祭様が保健体育の本を本棚に戻した。
ユナ「そんな~」
お母さんはまたうなだれてしまった。
その後も国語、社会、と授業は続き……
全ての授業が終わるころには……
ユナ「…………」
……お母さんは完全に力尽きていた。




