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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第20章 教団編―救済―
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第18話 『何か』

 レイさんと別れた後。


ユナ「ねえ、さっきの団員さんのこと……好きなの?」


 お母さんがいきなりとんでもないことを聞いてきた。


マイ「分かんない……。でも、彼の笑顔を見た時……胸がドキッとしたの……」


 私の答えは煮え切らなかった。

 彼――レイさんに抱いている『この』感情の正体が自分でも分からなかった。


ユナ「それは恋よ! 間違いないわ!」


 お母さんが断言する。


マイ「でも……まだ、出会ったばかりで彼のこと何も知らないのに……」


 もっと、色々お話して、一緒の時間を過ごして……それで、ようやくこの気持ちに答えをだせる……そう思った。


ユナ「出会ったばかりでも問題ないわ。人を好きになるのに時間はいらないの」


 お母さんが胸に手を当てる。


ユナ「ほんの少しでも胸がざわついたのなら――言葉にできない感情を抱いたのなら――それは間違いなく、あなたが彼を『愛』してる証拠……」


 愛してる……私がレイさんを……


マイ「……いいのかな? こんなにすぐ人を好きになっちゃって……」


ユナ「いいに決まってるわ! 現に私はこれまで出会ったばかりの男の人とすぐに恋に落ちて愛し合ったもの」


 お母さんがあの地下室で男の人と育んだ愛について語る。


マイ「うん……。そうだったね……」


 そうか……いいんだ。

 ほんの少し気にかけてもらえただけで好きになっても。


マイ「ありがとう、お母さん。私……この気持ち大切にするよ」


 私がお母さんに感謝の言葉を伝える。

 いつか、この思いをレイさんに胸を張って言える……大人になろうと思った。


ユナ「ふふ、マイにこんなに早く好きな男性が出来るなんて……お母さん、嬉しいな~」


 お母さんが笑う。


マイ「あはは……」


 私が照れる。


マイ「今はまだ子供だから駄目だけど……大人になったらお母さんみたいに、……男女の愛をレイさんと育められたらなって……」


 あの暗い部屋の中で楽しそうに男の人と抱き合っていたお母さんを思い出す。

 私もいずれはレイさんとそういう関係になって……そして、お母さんみたいに子供を産んで……

 お母さんが私に注いでくれた愛情を……今度は私が自分の子供に注いであげるの……


マイ「…………」


 私が自分のお腹を撫でる。

 私はまだ子供だからその日が来るのはまだ先だけど……

 それでも『その日』が来るのが楽しみだった。


ユナ「うんうん。マイにもあの……『男の人に守られている』感覚を早く味わって欲しいな~」


 お母さんが頬を赤く染めながら言った。

 思い出しているのだろう。

 男の人と裸で抱き合い、愛し合っていた日々のことを……


ユナ「あっ、でも、『子供は作らない』ように気を付けないとね!」


 ……はっ?


 お母さんが訳の分からないことを言った。


マイ「お母さん? 何を言っているの?」


ユナ「何をって……、私たちは魔法使いじゃないけど、魔法使いの血は流れちゃっているでしょ? 仮に子供を産んでそれが『魔法使い』だったら……殺さなくちゃいけないじゃない?」


マイ「…………」


 その言葉に私が絶句する。


ユナ「だから、愛し合うのはいいけど。子供は絶対作らないこと! いいわね!」


 ……何を言っている?

 目の前の『コイツ』は、何を言っているんだ?


ユナ「でも、もし何かの間違いで子供が……」


 お母さんだった何かが笑顔で話す。

 何が可笑しいのか分からない。


ユナ「マイも自分の子供を殺すのは嫌でしょ? だから……」


 『何か』が私を慮って話す。


ユナ「私が代わりにマイの子供を殺してあげるね!」


 『何か』が……飛びっきりの笑顔で言った。

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