253/291
第16話 私と彼②
ユナ「マイ、遅くなってごめんなさい!」
お母さんが私の元まで走ってきた。
マイ「ううん、気にしないで。それよりも、他の団員とのお話はもういいの?」
お母さんは集会が終わったあと、団員たちに取り囲まれ、強制的にお話タイムとなったのだ。
ユナ「うん、もう大丈夫。……お母さん、たくさん褒められちゃった」
お母さんが嬉しそうに言う。
『初めは誰でもそうなる。……君のお母さんが異常だったんだ』
彼の言葉を思い出す。
初めて集会に参加したにも関わらず、魔法使いを刺してみせたお母さんの行動は団員たちの関心を集めたようだ。
団員「……俺はそろそろ行くよ。じゃあね」
彼がその場を離れようとする。
マイ「待って!」
私が彼を呼び止める。
マイ「名前……あなたの名前を教えて」
私は彼の名前を知らなかった。
だから、聞こうとした。
けれど、彼の返答は予想外のものだった。
団員「名前か……。悪いね。俺に名前は無いんだ」




