第11話 孤児院の用心棒
俺が孤児院に来てから数日後。
レナ「おはよう、ロイド。ちゅっ」
母さんが俺を抱きしめ、頬にキスをした。
ロイド「おはよう、母さん」
俺は朝の挨拶だけをすると、母さんから離れた。
子供たち「おはよう、ママ~」
子供たちが母さんに抱きついた。
レナ「ふふ、みんなおはよう」
母さんが子供たちを抱き返し、子供たち一人一人の頬にキスをしていく。
『ちゅっ』
そんな母さんに対して、子供たちはお返しのキスをする。
ロイド「…………」
俺はその様子を少し離れた場所から眺めていた。
ミレイ「ロイドくんはキスをしなくていいのかな?」
そんな俺にミレイさんが声をかける。
ミレイさんはこの孤児院で唯一の大人だった。
ロイド「するわけないじゃないですか」
ミレイ「あれ? ロイドくんは同い年のレナちゃんより、私みたいな年上のお姉さんが好みだったのかな?」
ロイド「違いますよ。それにミレイさんはもうお姉さんって年じゃ……」
ゴンッ。
ミレイさんが振り下ろしたメイスが俺のすぐ横を通り過ぎた。
ミレイ「ちっ、外したか」
ミレイさんが悔しそうに言った。
えっ? 当てるつもりだったの? マジで?
ロイド「……そういえば、どうして大人のミレイさんじゃなくて、母さん……子供のレナが孤児院の院長をしているんですか?」
殺される前に話題を変えた。
ミレイ「私はただの用心棒であって、教会のシスターじゃないからね」
ロイド「えっ、でも、シスター服、着てますよね?」
ミレイ「着てはいるけど、これは『僧侶』の正装なんだよね」
僧侶? シスターとはまた別ということだろうか?
そんな俺の疑問に答えるようにミレイさんが口を開く……
ミレイ「私はね……ギルドに所属する『冒険者』なんだ」




