第10話 レナとの出会い③
スゥー。
ようやくレナが俺から離れた。
ロイド「はぁ、はぁ」
俺が息を切らす。ドクン、ドクンと心臓がまだ鳴っている。
レナ「私を好きになっちゃいましたか?」
恥ずかしげもなく愛らしい顔でレナが言う。
ロイド「……っ」
俺が顔を逸らした。これは一時の感情だ。決して彼女を好きになったわけじゃない。
ピタリ。
レナが俺の頬に触れる。
レナ「目を逸らさないで」
レナに言われるがまま逸らした顔を戻す。
俺の視線は自然とレナの唇へと吸い込まれていく。
ロイド「……(ゴクリッ)」
俺の喉が鳴る。
レナ「ふふ、そんな深刻そうな顔をしなくていいですよ」
レナが天使のような笑顔で笑う。
彼女の一挙手一投足から目が離せない。
レナ「ロイドくんは既に知っているはずです。その一時の……『恋』と呼ばれる感情を忘れさる方法を」
レナが俺に問う。
レナ「さあ、『私』を呼んで……」
レナが呼ばれるのを待っている。
俺は……俺はこの感情を……レナの望む答えを……
ロイド「……母さん」
俺がレナの問いに答えた。
レナ「はい。私はあなたの『お母さん』です」
レナが嬉しそうに笑う。
レナ「子が母を、母が子を思う気持ちは同じ愛情であっても、恋とは別なんです。だから、安心して私を好きになってください」
――ぎゅっ。
母さんが再び俺を抱きしめた。
レナ「たっぷり、愛してあげますからね。――ロイド」




