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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第19章 少年の恋心編―前編―
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第9話 レナとの出会い②

ロイド「俺はこの世で一番不幸な人間だ」


 両親を失ったあの日からずっとそう思い込んでいた。

 けれど、今日。この孤児院に来てその考えは裏切られた。

 俺より幼くして家族を失った子供たち。そして、俺と同い年で孤児院の院長を務める片腕を失った少女――レナ。


ロイド「俺って、まだマシだったんだな」


 その事実に気付いて安堵する。

 自分より不幸な人たちを見て、安堵する。

 安堵する。安堵する。安堵する。安堵する……


ロイド「最低だ……俺……」


 他人と自分を比べ自分の幸福を実感する。


ロイド「最低だ。最低だ。最低だ!!」


 他人の不幸を自身への慰めとする。

 そんな最低な自分に……嫌気がさした。



   *



レナ「孤児院はどうでしたか?」


 孤児院の案内を終えたレナが言った。


ロイド「…………」


 俺は暗い顔をしたまま何も答えない。

 ただ自分という最低な人間の矮小さを思い知っていた。


『こんなことなら自分がこの世で一番不幸な人間なんだと錯覚したままでいたかった』


 知りたくなかった。自分が他人の不幸を喜ぶ人間だなんて。

 自分は彼らに比べてマシだと優越感に浸るなんて。


レナ「ロイドくん」


ロイド「!!?」


 レナが『ぎゅっ』と俺に抱きついた。


レナ「心臓がドクン、ドクンって鳴ってる……。女の子に抱きつかれて興奮してますか?」


ロイド「~~~~!!」


 両親を失って以来、感情を表に出せなくなっていたはずの俺の顔がみるみる真っ赤に染まる。

 俺が最初に取り戻したその感情、あるいは表情は『恥ずかしさ』だった。

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