表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第19章 少年の恋心編―前編―
221/295

第5話 現実逃避

カイト「あれ? ここは?」


 気がつくと俺は空にいた。


『プカ~』


 俺の体は風船。あるいは煙のように空へとぐんぐん上っていく。


カイト「うわ~。雲があんなに下に……」


 このままいくと、宇宙まで行ってしまうんじゃないか?

 そうなれば、俺も夜空に輝く星のひとつに……


 ――グイッ。


カイト「うおっ!?」


 何かが俺を連れて行かせまいと引っ張った。


カイト「これは赤い糸?」


 小指に結びつけられた赤い糸。その糸は地上まで伸びていた。

 きっと、その糸の先にいるのは……



   *



カイト「はっ!?」


 俺の意識が現実に帰る。どうやら、落下の恐怖から現実逃避をしていたらしい。

 落ちる恐怖に対抗して、空に昇っていく妄想をするなんて我ながら実に単純な脳みそだ。

 まあ、昇りすぎて逆に恐ろしかったが……


カイト「やっぱり、地面に足をつけて生きていくのが一番だよな」


 迫りくる地面を見ながら俺が言った。妄想から覚めた今も絶賛、現実逃避中である。


『ポフッ』


 地面から生えてきたクッションが俺の体を包む。


カイト「やわらかい……」


 俺がクッションに顔をうずめる。あれほどの高さから落ちても無傷で済むとは実に優秀なクッションだ。


マオ「カイト~……」


 同じくクッションのおかげで一命を取り留めたマオが泣きそうな顔をしながら俺を見ていた。

 もう、俺もマオも叫ぶ気力は残っていなかった。ただただ、意気消沈している。


アン「いや~、楽しかったですね」


レイ「そうだね。もう一回行っとく?」


 アンとレイが元気に恐ろしいお話をしている。


アン「いいですね。行きましょう」


レイ「オッケー。任せてよ」


 パチンッ、とレイが指を鳴らす。すると、レイとアンの体が浮かび上がった。

 便利な魔法だ。全然、羨ましくはないが。


レイ「カイトとマオはどうする?」


カイト「行かない」


マオ「絶対、嫌だ」


 俺とマオは、レイの誘いを力強く拒否する。

 もう、屋上から落下するのはこりごりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ