?―2話 絶望
五年前。孤児院が魔物に襲われた。
当時の俺は大切なみんなを守るために一目散に魔物へと挑んだ。
剣を片手に結構頑張ったと思う。
だけど……
魔物「シャ~」
蛇の姿をした魔物が現れた途端、事態は一変した。
ロイド(体が動かない!?)
気が付くと俺の体は石となっていた。
ロイド(まさか、呪い!?)
呪い。それは術者を殺さない限り決して解けることはない魔の所業。
ロイド(まずい! みんなが!)
体を動かそうとするが、石となった体はうんともすんとも言わない。
ロイド(俺はこのままみんなが魔物に襲われるのを黙って見ていることしかできないのか?)
絶望が俺の心を支配した。
しかし、その絶望はすぐに終わりを迎える。
そう、ヒーローが俺たちを助けに来たのだ。
*
魔物に取り囲まれた孤児院。
絶望的な状況の中、駆け付けたのは一人の騎士だった。
オルガ「…………」
その騎士の名前はオルガ。誰もが知る騎士団の団長だ。
魔物「シャ~」
オルガさんの存在に気付いた魔物が呪いを唱えようとして……
魔物「シャ……?」
真っ二つになった。
オルガさんの目にもとまらぬ剣さばきによって蛇の魔物は死んだ。
それと同時に……
ロイド「……はっ!」
俺にかけられていた石化の呪いが解けた。
ロイド「オルガさん、ありがとうがござ……」
命の恩人であるオルガさんにお礼を言おうとする。
しかし、その言葉はオルガさんによって遮られた。
オルガ「すまない。……しくじった」
ロイド「えっ」
オルガさんの言葉に俺が驚く。
そして次の瞬間――
オルガ「…………」
オルガさんが石になった。
いや、オルガさんだけではない。
魔物「…………」
周りにいた魔物たちも同様に石となった。
ロイド「なんで……」
目の前で起こった現実についていけず絶句する。
ロイド「そうだ……。みんなは!?」
俺が孤児院へと走る。
孤児院の扉を開け、目にしたのは……
シスター「…………」
子供「…………」
石像へと変わり果てたみんなの姿だった。




