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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第16章 千年前の英雄編
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第23話 英雄の最後

『私には何も救えない』


『分かっているだろ。これまで何人の人間を救えずに死なせてきた?』


 数えきれないほどの人間が死んだ。

 私が救えたのほんのひとにぎり。


ベルク「それでも、止まることはできない」


 救おうと手を伸ばして、救えずに死んだ。

 そのたびに生き返りまた誰かを救おうと手を伸ばした。


ベルク「あの子を……カイトを救わなければ」


 私が足を引きずりながら前に進む。


『手遅れだ。もう、彼女の大切な人たちは死んだ。私は……救えなかったんだ』


ベルク「手遅れでも手を伸ばすんだ」


 少しでも彼女の悲しみを癒せるように。


レイ「カイト!」


カイト「はいはい。今、行くよ。レイ」


 少女がカイトの横に並び立って歩いていく。

 ああ、そうか。君はもう……


『私は必要ない』


 その通りだった。

 あれから、千年の時が経った。もう、誰も『ベルク』を欲してなどいなかった。


『千年の間、逃げていだけの私はもう英雄じゃない。もはや誰も救えやしない』


ベルク「……そうだね」


 私が『私』の言葉を認める。


ベルク「カイトには偽物わたしとは違う本物の英雄ヒーローがついている」


 名前も正体も分からない。君のそばにいる得体のしれない『誰か(ヒーロー)』。

 でも、その誰かは誰よりも君を愛し、君を、君のそばにいる人たちを守ろうとしている。


『終わりの時間だ』


 私の体が浮遊感に包まれ、深い深い闇の中へと落ちていく。

 ずっと手を伸ばしていた、あの青空が遠のいていく。


ベルク「これでいいんだ。あの青空は……私には眩しすぎる」


 私はゆっくりと目を閉じた。

 こうして千年というあまりにも長すぎる時を生きた英雄はようやくその生涯に幕を下ろした。

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