第20話 英雄が欲しかったもの②
ベル「カイト、ありがとうございます。助かりました……」
私とルナのケンカを止めてくれたカイトにお礼を言います。
カイト「な~に、気にするな。女の子を守るのは男の役目だ」
ベル「いや、私も一応、ルナの体に入る前は男だったんですけどね……」
ルナ「違うもん! ベルちゃんは可愛い女の子だもん。新しい体だって私の体と完全に同じになるよう作ったもん!」
カイト「そ、そうだったのか。こ、これがルナの体……ゴクリッ」
私の新しい体となる人形の少女(現在、裸)を見たカイトが喉を鳴らします。
ベル「あの~、人の体に欲情しないでくれますか」
カイト「ご、ごめん」
カイトが慌てて人形から顔を逸らした。
カイト「でも、顔は違うんだな。何かモデルがあったりするのか?」
ルナ「うん。ミカちゃんからもらったベルク人形の顔をモデルにしてるんだ」
カイト「なるほど。……ってことはルナとミカがこの体の親ってことだな」
ルナ「親……。そっか。ベルちゃんは私とミカちゃんの間に生まれた子供だったんだね」
ルナがあまりにも飛躍し過ぎたことを言いました。
ベル「その理屈ならミカは私のおばあちゃんになってしまうのでは?」
ミカが作ったベルク人形(娘)。
その人形の顔を元にしたルナの作った体の顔(孫)。
――というように。
ルナ「確かにそうだね。あはは」
ルナが笑いました。
ベル「ふふ」
ルナにつられて私も笑います。
そうでした。私が欲しかったのは大切な人と一緒に笑い合える――そんな日常でした。
カイト「二人の日常は俺が守るよ」
ベル「カイト……?」
カイトの突然の言葉に私が驚きます。
そういえば、私はどうしてカイトに自分がベルクだと明かしたのでしょうか?
……自分でも分かりませんが、目の前にいる『カイト』になら泣きごとを言っても許される――。何故か、そう思えてしまったのです。




