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ネコミミよ、この世界のしるべとなれ  作者: 金子ふみよ
第四章

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イングロード、カトゥンをたたき起こす

「あれ、なんで?」

 イングロードが地に伏せたカトゥンに歩み寄る。すでに装甲は解けている。

「おっそいわ。まったくたるんでおる」

 ウキヨがカトゥンの頭を文字通りネコパンチしていた。

「すいません。今どんな状況なんですか?」

「聞かなきゃ分からんのか。引き算をしてみろ」

 神獣に比類される存在から説教をされる。まったくもって肩身が狭い。

「さっきから起こしているのにまったくいつまで寝ているのやら」

「はあ。面目ない」

 イングロード的にもカトゥン的にも恥ずかしさで一杯である。ただしょんぼりしている場合でもない。カトゥンを覚醒させなければならない。

「カトゥンを起こすには……」

 好物の匂いと言っても料理も香料も準備できないし、好きな音楽と言っても楽器はないし、歌うと言ってもイングロード自身がこっ恥ずかしくて歌えない。物理的衝撃はすでにウキヨ様がその御足によってすでに試みているが成功に至ってない。

「う~ん」

 腕組みをして首を左右に傾けて考えるネコミミの戦士。

「あ! でもなあ」

「なんか思いついたなら、とっととやってみろ」

「えっと……じゃあ」

 思い付きが良策とは思えないのだが、ウキヨから催促されては渋々とでもやってみるしかない。カトゥンの耳元へ顔を近づけて、

「カトゥン、起きないとダイさんに何言われるかしれませんよ」

 言い終わった瞬間である。目をぱちりと開け、えらい勢いで体を起こしたカトゥン。

「痛ったあ」

「もう痛いよ、カトゥン」

 ネコミミのヘルメットに見事な頭突きである。それで出血どころかこぶさえできないカトゥンの頭ときたら。これなら、イトラスの名前も付け加えて呼び覚ませば鈍痛を食らうこともなかったのだが、当然イングロードがそれを考えなかったわけはない。ためらったのは、イトラスの名を出すと、すねて起きない可能性がどうしても否定しきれなかったためである。

「ほれ、起きたらさっさと行くぞ」

 虎猫様はもうじれったそうにしている。

「あ! ビクチャーは」

「だからそこへ行くと言っとろうが」

 ジャンプ一番。取り乱しそうになっているカトゥンの後頭部にネコパンチである。

「は! ウキヨ殿」

「そう、カトゥン。状況はひっ迫しているのよ」

 そのひっ迫している状況とやらを詳しく説明すればいいものを、ウキヨに説教されても下手をしたらイングロードはまだ十分に把握どころか推測させ出来てないかもしれない。

 が、

「そうだ! 行かないと」

 カトゥンにとってはビクチャーがここにいないというだけで十分なようだ。

「来い、こっちだ」

 虎猫を先頭に、ネコミミ部隊女子が追いかけて行った。


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