30
午前中の畑仕事を終えて、午後は先伸ばしにしていた武器の新調作業をする。
シゼルの地獄のしごきにおっさんと一緒に苦楽を共にした、普段使いの武器達はボロボロでその命は風前の灯である。
げんにこの前のデュラちゃんとの模擬戦で「ジャマダハル」がその命に幕を下ろしたばかりだしな~あの時は結構ショックだった。
魔装使用以外ではいつも使っているから、それなりに愛着もある。
シゼルしごき空間でかなりレア度の高い鉱石とかを入手できたから、それを最大限利用して今使っている武器を一度分解してアイテムクリエイションと錬金術に細工スキルで新たに命を吹き込もうと思います。
ちなみに今いるのは自宅の脇に作った「鍛冶場」です。
今回は使わないけど鉄とかを溶かせる溶鉱炉みたいなものもあったりします。まあ、アイテムクリエイションで大体のものは製作することはできるけれど、それではスローライフではない気がする。
せっかく異世界に来て会社という呪縛から解放されたのだから、時間を気にせずに色々やりたいじゃん。
何て言うかあえて不便を楽しむ的な? だから最近でも時間をつくってなにかしら作ってたりします。
そのうち陶芸なんかもやりたいので、この鍛冶場区画に併設しようと計画しています。
「さて、気合い入れて楽しみながら新調タイム」
普段使っている武器と防具を作業台の上に並べる。あ、防具を脱いだからっておっさん裸じゃないからね。公然猥褻罪ではありません。ちゃんとジャージを着ています。
そう言えばこっちの世界に飛ばされた当初は着替えがなくて、葉っぱ1枚で過ごしていた時期があったな・・・よくここまで文明的な生活水準まで向上させたな、おっさん。思い返すと何もかもが懐かしい。
作業台の隣のテーブルに入手した希少な素材の数々を置く。
「やっぱり武器の刃の素材に使用するならオリハルコンとかヒヒイロカネ、アダマンダイトあたりかな? 持ち手のグリップの部分は熊師匠達から頂いたものを使おう。以前よりは素材の能力を引き出せるはずだし」
しばらく悩んだすえオリハルコンとヒヒイロカネ、アダマンダイトの3つの鉱石の合金にすることにした。
配合はとりあえず全部均等にしておこう。最適な配合については今後試行錯誤していくとして、今回はこれでいこう。
作業台に置いてある斧系の武器を錬金術で分解して、分解した素材をアイテムボックスに回収する。
「せっかく新調するなら改善できそうなところは直しておこう」
1つ1つの斧を丁寧かつ慎重に3つのスキルを併用して、新調していく。
溶鉱炉に火が入っているワケでもないのに、額から玉のような汗が頬を伝って顎に流れて地面に垂れていく。
経過した時間は30分くらいなのだが、おっさんの体感的には2~3時間くらいに感じた。それくらい集中していたということかな。
「ふう~何とか出来たかな? 我ながら中々の出来栄え。しかし結構魔力と妖力を消費したな・・・疲れたけど心地よい疲れだねこれは」
一休みしたら他の武器と防具も新調しないとね。
こんなに汗をかくと思ってなかったので、タオルを持ってき忘れた。おっさん不覚です。
横着をして手で汗を拭ってみたが、ダメでした。ジャージは大丈夫だけど下着関係はぐっしょりだ。
「はあ~観念して着替えとタオルを取りに行くか」
自分の愚かさにちょっとヘコミながら立ち上がろうとすると・・・
「どうぞ、ご主人様」
いきなり腕がニュッと視界内に現れた。その手にはタオルが握られていた。
「必要になるかと思いまして、タオルに着替え一式と飲料水を持ってきました」
「ありがとう、シゼル」
タオルを受け取って顔と首筋をふく。その間にシゼルがコップについでくれたキンキンに冷えた麦茶を一気飲みする。意識したら喉がカラカラだったから思わず一気飲みしてしまった。微妙に歯にしみる。知覚過敏かな?
「ご主人様、一気飲みはあまり感心できません。体が必要以上に冷えすぎてしまいます。2杯目はゆっくり飲んで下さい」
おっさんの一気飲みを注意しながらコップに2杯目の麦茶をついでくれた。
「はい、わかりました」
若干反省してコップを受け取って、今度はチビチビとゆっくり飲んでいく。あ~麦茶が体に染み渡る。
「ご主人様、これも食べておいてください」
そう言ってシゼルはおっさんの目の前のテーブルに小皿にのった「梅干し」を置いた。
「えーと何故梅干し?」
「汗をかいたら古来から梅干しを食べるものではないのですか? 塩分とミネラル補給に最適ですよ」
間違ったことは言ってないのだが、あんたは俺のお婆ちゃんか!
小皿の梅干しを口に放り込む。すっぱ! しかしこの酸味嫌いではない。若い子の梅干し離れが深刻らしいという話を元いた世界で聞いたことがあるが、この味わいは歳をとらないとわからないかもな。
種を小皿に出す。あとで自宅の横にでも種を植えてみようかな?
持ってきてもらった着替えに袖を通していると、武器の新調具合についてシゼルに問われた。
「以前に製作したときと比べたら遥かに良い出来だと思う。これなら今のおっさんが全力で使っても壊れることはないと思う。あとは使ってみて改良していく感じかな」
やっぱり実際に使用してみないと、使い勝手はわからないからね。トライアンドエラーですよ。
「そうですか」
進捗状況聞いといて興味なさそうだな。
「着替えモロモロを持ってきてもらって助かったけど、おっさんに何か用?」
「いえ、暇になったのでご主人様の様子を見るついでに着替えを持ってきただけです。別段用はありません」
あ、そうですか。じゃあおっさん作業再開しようかな。シゼルが側にいるから緊張感がハンパないな。
深呼吸して集中集中・・・ふう、やるか。次は壊れた「ジャマダハル」とその他の武器と防具の新調だな。
意識を闇に落とすように余計なことを考えずに深く集中する。
気がつくとまた数時間が経っていた。今度は服全体はビショビショだ。まあ、武器と防具の新調の代償にしては安いもんか。
「この状態だとこのまま浴場に行った方が良さそうだな。どっこいしょういちよっこらしょっと」
30歳過ぎると立ち上がるときと座るときに、少し体に気合いを入れないと動かないんだよな。トホホ。
「片付けは私がやっておくので、風邪を引く前に早く浴場で汗を流してきてください。着替えは私の方で後で持っていきますので」
「!? ビックリした・・・シゼルもしかしておっさんの作業中ずっとそこにいたの?」
いきなり声をかけられて不覚にも本気で驚いてしまった。チビるかと思った。歳をとると股間のしまりがユルくなってくしゃみしただけでも、出ちゃうときがあるんだからさあ。
「ええ、ずっとここにおりましたよ。中々の集中力でしたね。それはともかく早く浴場に行きなさい」
いきなり命令形に語尾が変化したぞ。何故だ? 自分の存在に気づかなかったおっさんへの八つ当たりかな? あ、はい。すぐに浴場に行きます。だからそんなに冷たい視線を向けないで。
確かに状態異常耐性のスキルがあるとはいえ、過信しすぎるのはよくないね。早く浴場に行こう。
「どっこいしょっと」
気合いの掛け声を放って椅子から立ち上がる。うわ・・・おっさんが座っていた椅子まで濡れてるよ。知らない人が見たらお漏らしですよ。・・・漏らしてませんからね。
このままおっさんが歩き回ると汗による二次災害が発生しそうなので、瞬間移動で脱衣場に行くことにしよう。
「シゼル、申し訳ないけどあとよろしく」
「かしこまりました」
座標を決めて瞬間移動! はい男湯の脱衣場に到着。
いくなり現れたおっさんにウサちゃんズがビックリしたが、おっさんだとわかるとすぐに警戒を緩めて挨拶しにきてくれた。
最近ではモグモグズやカーちゃん達もひとっ風呂浴びに来るようになった。いちおう畑と果樹園にも小型の浴場は作ったのだが、ゆっくり入るならこちらの方が良いそうだ。
脱いだ洗濯物を洗濯機に放り込んでポチっとな。あ、お風呂セット忘れた・・・どうしよう。
そう思った矢先にアイテムボックスから、強制的に着替えとお風呂セットが飛び出てきた。
おっさんの意思とは関係なく出てきたので、驚いて言葉を失っていると着替えの上にメモ用紙が乗っていた。
「私が男湯に入ることは些か問題がありますので、アイテムボックスを通して着替えを送ります。ついでに忘れ物の入浴セットも一緒に送っておきました。ではごゆっくり。追伸:他人のスキルに干渉できるのは私くらいのものなのでご安心下さい」
実はどうやって男湯の脱衣場に来るつもりなのか、楽しみにしていたんだけど宅配便よろしく送ってくるとはね。しかも他人のスキルに干渉とか何そのチート。もう流石シゼルとしか言いようがないな。
まあ、何にせよお風呂セットが届いたからいざ風呂場へ出陣だ。
入り口のガラス戸を開けると浴場は今日も盛況です。
椅子と手桶を持って座る場所を決めていると、珍しく室内で熊師匠を発見した。今日はジェットバスで体の疲れをとっているようだ。貴重な恍惚な表情頂きました。
おっさんも椅子に腰を下ろしてどっこらしょっと。
髪をシャンプーとリンスで洗う。実はおっさんこの世界に来る少し前に、頭皮湿疹で苦しんでいたのです。
ある日いきなりなるし原因は分からずじまい。しかも皮膚科に行っても痒み止めをもらうという繰り返しでした。あの痒みにどれだけ苦しめられたか・・・
しかし異世界に来て「治癒魔法」を使ったらなんと治ったのです! 異世界に来ておっさんが歓喜したランキング上位にランクインしたレベルです。
掻き壊した頭皮の傷にお湯やシャンプーは滲みないし。頭皮の痒みを気にせずシャンプーできるって素晴らしい。
いつも通り髭を剃って体を隅々まで洗って・・・綺麗なおっさんの出来上がり。
髪の水気をタオルで拭いて、解放感ある姿で堂々とブランブランさせながら、熊師匠の隣の空いているジェットバスに入る。
「熊師匠、お隣失礼します」
「ぐぅあ~」
恍惚の表情のまま「どうぞ~」と気の抜けた返事をする熊師匠。あらやだ、可愛い。
おっさんもジェットバスに入り浴槽に体を預ける。
「あ~最高♪」
歳をとると体の色んな箇所にガタがくるから、ジェットバスの水流がきく~
ジェットバスを満喫しているといつものようにサウナから我慢大会敗者のウサちゃんズが、しょんぼりしながら水風呂にダイブしていた。いつもの通りの光景で心が和むわ。
しばらくジェットバスを満喫していると、隣の熊師匠から武器の新調具合はどうだったのか聞かれたので、こんな感じですとステータスウンドウに表示して見せた。
武装
・バリアブルクローク改
有事の際には液状化しその形態を変え装備者を守る。超速再生スキルの弊害で、攻撃を受ける癖があるおっさんの苦肉の対応策の結果。
新調したことで格段に防御時のクローク表面の硬度が向上した。またダメージを魔力に変換して蓄積し、様々なことに使用できる。単純に蓄積した魔力を全て解放して、周囲を根こそぎ吹き飛ばすことも出来る。
エンチャントは「オートガード」、「物理反射または軽減」、「攻撃魔法反射または吸収(任意で効果変更)」、「不壊」、「超反射、超反応」、「自動修復」、「衝撃吸収」
NEW→「ダメージ蓄積及び魔力変換」、「表面硬質化」、「飛翔補助」
・三日月状の大型ブーメラン改
背丈ほどある大型ブーメラン。新調したことにより投擲後に任意で6つに別れるようになった。またブーメランに持ち手用の穴を空けたことにより、剣としても使えるようになった。
エンチャントは「不壊」、「切断」、「自動修復」、「威力強化」、「念動力との同調力up」
NEW→「高周波ブレード」、「飛翔スキルとブーメランの同調」、「投擲距離up」
・大鋏改
身の丈ほどある大型の鋏。大きい敵を最小限の力で切断するために開発した。グリップ部分を新調したことで、より相手を切断する際に力が入りやすくなった。
エンチャントは「自動修復」、「不壊」、「切断」、「威力強化」、「腕力強化」
NEW→「高周波ブレード」
・合成弓改
シゼルのしごき空間で入手した「神木」をメインに使って製作した弓。弦は相変わらず蜘蛛お嬢の糸を使用しているが、今回は錬金術も使用したことにより、強度も伸縮性も格段に向上している。
通常の弓のように物理的に矢を射ることも可能だが、おっさんは主に魔力を弓矢の形に圧縮して使用する。これは弓矢の形をイメージした方が、単純に攻撃魔法を放つより威力が飛躍的に向上するからである。
エンチャントは「自動修復」、「不壊」、「威力強化」、「腕力強化」、「精密射撃」、「追尾(任意で自動追尾)」、「魔力収束補助」、「矢じり拡散(任意)」、「射程距離up」
NEW→「念動力との同調力up」、「飛翔スキルと矢の同調」
・盾改
高威力の攻撃を確実に防ぐために開発した盾。盾の裏に小型の武器を仕込んである。新調したことでバリアブルクロークの技術の応用で、形と大きさを自在に変えることができるようになった。またダメージを盾に魔力として蓄積し使用できるようになった。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「反動軽減」、「受け流し」、「腕力強化」、「足腰強化」、「歪曲」、「重力軽減(大盾のみ)」
NEW→「形状変化」、「ダメージ蓄積及び魔力変換」、「表面硬質化」
・三叉槍改
3つの穂を有する槍。以前は主に投擲に使用していたが、新調により柄の両端が三叉槍になり近接戦闘でも使用しやすくなった。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「威力強化」、「貫通」、「腕力強化」、「カタパルト」
NEW→「高周波ブレード」、「念動力との同調力up」、「飛翔スキルと三叉槍との同調」、「投擲距離up」
・ソードブレイカー改
普通の刃と櫛状の峰をもつ短剣。敵の剣を峰の凹凸にかませて折ったり、叩き落としたりするのに使う。相手を突くために先端は尖っている。利き手と反対側の手に装備して、盾の代わりに使用する。新調により刃から高電圧の電気を流せるようになった。もともとおっさんが魔力を流せば全武器で可能な芸当だが、ソードブレイカー改はよりその特性が強く武器自体が電気が流れやすくなっている。またダメージを魔力に変換することも可能になった。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「受け流し」、「武器破壊」、「腕力強化」
NEW→「高周波ブレード」、「電気電導率up」、「ダメージ蓄積及び魔力変換」、「表面硬質化」
・ジャマダハル改
切るよりも刺す(突く)ことの特化した形状をもつ武器。握りはHの型をしており、刀身とは垂直に鍔とは平行になっており手に持つと拳の先に刀身が来るような造りになっている。あたかも拳で殴り付けるように腕を突き出せば、それだけで相手を刺すことができる。鎧を貫通しやすい。砕けたことを考慮して新調した際に硬度を他の武器より向上させてある。また新調によりパイルバンカーの機能も追加されたことにより、切る刺すだけでなくより確実な装甲破壊が可能になった。刃をパイルバンカーとして高速射出する際はおっさんの魔力で打ち出す。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「威力強化」、「腕力強化」、「貫通力up」、「装甲破壊」
NEW→「高周波ブレード」、「高硬度」、「衝撃波発生」、「破砕」、「表面硬質化」
・鎖鎌改
鎌の柄尻に鎖分銅を取り付けたもの。敵の頭部、顔面、脛、小手部分を狙って分銅を打ち付けたり、敵の武器を鎖で叩きおとしたり、敵の手首や足に鎖を絡めさせたりしながら、敵の動きを封じたあとで左手に持った鎌刃で斬りつけ止めを刺す。
柄尻に鎖を取り付けたものは、万力鎖術で用いられるように数十センチ程垂らした鎖をクルクルと回転させて勢いをつけた上で直線的に投げつけるスリングによる投石に近い攻撃方法。鎖分銅は一度投げてしまうと鎖の巻き取りに時間がかかる。新調によるスキル追加により分銅を投げた後も空中で方向転換出来るようになった。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「威力強化」、「腕力強化」、「投擲距離up」、「装甲破壊(分銅のみ)」、「鎖自動巻き取り(物理的に高速巻き取り・空間を跳躍しての瞬間巻き取り)」、「重力up(分銅のみ)」
NEW→「高周波ブレード」、「破砕」、「高硬度(分銅のみ)」、「表面硬質化」、「念動力との同調力up」、「飛翔スキルと分銅の同調」、「投擲距離up」
・チェーンソー改
近接用に片手で使用できように重量を軽くして取り回しを重視したもの。小型の刃が無数についたチェーンを回転させる動力はおっさん自身の魔力である。新調によりチェーンの回転数は大幅にupした。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「切断」、「振動軽減」
NEW→「高周波ブレード」、「表面硬質化」、「念動力とチェーンの同調力up」、「装甲破壊」
・ロングソード改
スタンダードな両刃の剣。近接戦のために新たに新調した。盾と併用して使用することが多い。
あとはデュラちゃんとの模擬専用に作った。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「切断」、「表面硬質化」、「威力強化」、「高周波ブレード」
・リボルバー改
アイテムクリエイションのレベルアップによって製作出来るようになった。回転する薬室によって弾丸を再装填しなくても撃てる回転式拳銃。
「蒼天雪羅」ではオートマチック拳銃を使用しているが、普段使いはリボルバー式にした。差別化をはかる意味もあるが・・・リボルバーってなんか憧れるしロマンがあるじゃん。
リボルバー式では実際のものと同じくリロードをするように製作した。ちなみに弾丸の装填方法は振出式である。
何故弾丸装填式にしたかは、万が一魔法が使用できない環境下におかれたときの対策のためである。
弾丸にあらかじめ様々な魔法をこめておくことで、魔法が使用できない状況でも魔法攻撃を可能にした。
魔力が使用できる場合は、弾丸にさらに魔力を上乗せすることで極めて高威力な弾丸を放つことができる。
リロードする際はスピードローダーを使用することにより、素早いリロードを可能にしている。
排莢した弾丸は薬室から抜けると同時にアイテムボックスに回収される。
エンチャントで「オートリロード」を付与しているが、魔法が使用できなくなったときを想定して普段はそのエンチャントはOFFにしてある。リロードタイムに息吹も感じたいし。
イメージしたのは「コルト・パイソン」の4インチモデル。何故かって? おっさん世代が一度は憧れたシティー○ンターのあの人が使用していたからですよ。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「反動軽減」、「貫通」、「破砕」、「念動力との同調力up」、「飛翔スキルと弾丸との同調」、「精密射撃」、「オートリロード」
・対物ライフル(アンチ・マテリア・ライフル)改
アイテムクリエイションのレベルアップによって製作出来るようになった。
長距離用の大口径の弾薬を使用する狙撃銃。
通常のライフルより遥かに長く大きく重量があるため、通常のライフルのように肩づけや腰だめでは精密射撃は不可能である。故に発射時は基本的に伏射になる。
セミオート式を採用しているため連続射撃が可能だが反動が大きいため「反動軽減」のエンチャントをかけないと、連射しづらい。
セミオート式なのでマガジンのコンセプトは「白姫」や「雪姫」と同じ。
しかも場所によってはマズルブレーキから噴出する発砲煙と巻き上げられた砂埃で視界が遮れてしまう。
そもそも熊師匠をはじめとする森の猛者達との模擬戦では、呑気に伏射なんてしていられないので使用頻度は低い。では何故製作したのか? そこに男のロマンがあるからです。
イメージしたのは「バレットM82」
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「反動軽減」、「貫通」、「破砕」、「念動力との同調力up」、「飛翔スキルと弾丸との同調」
「精密射撃」、「超長距離射撃」、「千里眼との同調」、「弾丸転送」、「透視眼とスコープとの同調率up」
・ハルバード改
古参の斧勢の一角。槍の穂先に斧頭がありその反対側にはピックが取り付けれらたもの。突く、切る、ひっかけるという用途の広さが特徴のポールウェポン。大きな変化はないが強度と攻撃力が大幅に向上した。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「破砕」、「切断」、「高周波ブレード」、「重さ調整」
・バルディッシュ改
古参の斧勢の一角。 刃が極端に大きく三日月状の斧頭が横向きに取り付けられている。破壊力が高く人間を両断できるほど。大きな変化はないが強度と攻撃力が大幅に向上した。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「破砕」、「切断」、「高周波ブレード」、「重さ調整」
・ラブリュス改
古参の斧勢の一角。両刃の斧。大きな変化はないが強度と攻撃力が大幅に向上した。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「破砕」、「切断」、「高周波ブレード」、「重さ調整」
・ハチェット改
小型の斧。主に近接戦闘で使用する。左右の手で持って二刀流のように使用することが多い。また投擲も出来るため幅広く使用できる。大きな変化はないが強度と攻撃力が大幅に向上した。
エンチャントは「不壊」、「自動修復」、「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「破砕」、「切断」、「高周波ブレード」、「念動力との同調力up」、「投擲距離up」
・フランキスカ改
投擲用の戦斧。形状は柄から刃にむけて湾曲している。主に牽制に使用している。
エンチャントは「腕力強化」、「表面硬質化」、「威力強化」、「装甲破壊」、「破砕」、「切断」、「高周波ブレード」、「念動力との同調力up」、「投擲距離up」、「飛翔スキルとフランキスカの同調」、「攻撃魔法内蔵」、「接触爆発(任意)」
実はおっさん他人にステータス関係を見せられることを、恥ずかしながら最近知りました。
「ぐぅあぐぅお」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
え、何て言われたかって? 「以前のものより遥かに性能が向上されている。使い勝手と見た目もかなり洗練されたようだ」とお褒めの言葉を頂きました。おっさん地味に感激です。
「ぐぉぐぁ、ぐぉ」
「はい、それはご指摘通りです。日々精進します」
ちなみに「しっかりと新調した武器の特性を理解して、使いこなせるようになれ」と言われました。
スキルもそうだけど、おっさん自身が持っている武器の性能を100%使いこなせていないので、より深くそれぞれの武器の特性を理解しないとね。
その後は熊師匠と世間話をしながら、ゆったりとした時間を満喫した。
日々平穏、スローライフ万歳!
しばらくすると熊師匠が浴槽から立ち上がった。どうやら屋外の打たせ湯に行くようだ。実は熊師匠は打たせ湯がお気に入りらしい。落ちてくるお湯が肩などに当たって気持ちが良いらしい。
「ぐぁ!」
「先に上がるよ」と片手を上げておっさんに挨拶をして、トテトテ歩き始めたと思ったら急に足を止めて
振り返って一言。
「ぐぁぐぉぐぁ」
そう言うと再び歩き始め、お気に入りの打たせ湯に向かわれた。
熊師匠、何故去り際に爆弾発言していくんですか・・・しかも物凄く軽い感じで。
熊師匠が何て言ったかって? 「そういえばノーライフキングのヤツが、森の入り口付近にヒューマンが大勢でたむろしていたと言っていたよ。気が向いたらおっさんに伝えておいてと頼まれていたことを今思い出した。伝えたからね」と。
うわ・・・ジェットバスで寛ぎながら聞くには中々ヘビーな情報だな。
どうしようかな・・・よし、綺麗サッパリ忘れよう。うん、それが良い。
気分を変えようと浴槽から立ち上がり、今度はサウナに行ってデトックスタイムである。
おっさんがサウナに入ると、少し後からアルくんが入ってきた。
お互いに軽く挨拶を交わして座る。
しばしの沈黙からアルくんとサシの我慢大会が開始された。
15分くらい経ったところでおっさんは立ち上がって、サウナ室中央に置かれている熱々の石に横に設置してある水場から柄杓で水をかける。すると大量の水蒸気が発生する、いわゆる「ロウリュ」である。
さあ、第2ラウンド開始だ。
数分でかなりの汗がおっさんの体の表面に出始める。対面に座るアルくんは全身が毛で覆われているので分かりにくいが、見た感じ毛がしっとりしているように感じられる。
両者無言だが常に相手の同行を観察して心の中で「早く出ろ~」と念じている。
だんだんと体から水分が抜けていくのが自分自身でわかる。お願い早く出て!
貧乏揺すりのように膝が落ち着きなく上下にカクカク動き始める。限界が近い。
それはどうやらアルくんも同じのようで、落ち着きがなくなってきた。
本当にヤバい。意識が朦朧としてきた・・・悔しいがもうおっさん限界!
無我夢中で立ち上がりサウナ室のドアのノブに手を伸ばすと、視界の外から同じように金色で覆われた手がノブを掴もうとした。
横を見ると耳が垂れ下がった今にも倒れそうなアルくんがいた。アルくんも限界だったようだ。
お互いに視線を交錯させて「無理はよくないから、今回は引き分けにしよう」と、視線で話し合いドアを開けてはや歩きで水風呂に向かい「ざぶん」と浸かる。
「はあ~死ぬかと思った」
アイテムボックスにからコップとキンキンに冷えたスポーツドリンクもどきが入った容器を出して、コップに注ぐ。1つを隣にいるアルくんに渡してからおっさんもスポーツドリンクもどきを一気にあおる。
「くう~体に染み渡る!」
「ぷうぷう~」
アルくんが隣でおっさんと同じようなリアクションをしている。
倒れる前で良かった。もしサウナで倒れたりしたらいつぞやの虎鉄のように、熊師匠に担がれて自宅まで運ばれてしまう失態をするところだった。
落ち着いたところで2杯目のスポーツドリンクもどきを飲み干し、隣にいるアルくんと拳を合わせてお互いの検討を称え合う。
ライバルとの激闘を楽しみながら、おっさんのスローライフは今日も平穏です。
え、何か忘れてないかって? 気のせいですよ気のせい。




