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今日は完全にオフの日です。久しぶりに完全な全休です。

なので畑作業とか武器の新調が出来るということです。ドンドンドンパフパフパフ。

あ~これだよこれ。本来おっさんの日常はこうあるべきだよ。殺伐とした戦いばかりの生活なんてNo Thank youですよ。レッツenjoy日々平穏!


デュラちゃんとの模擬戦の後は色々と大変でした。主に事後処理が。

意識が回復するとおっさんは自室のベッドに寝かされていた。

おそらくシゼルがお姫様抱っこからのベッドインしてくれたのだろう。

体を起こすとベッドの上には器用におっさんの上に乗らないように、お昼寝三人衆とアリシアがいた。

どうやらおっさんが心配で付き添ってくれていたようだ。睡魔に負けて力尽きたようだけどね(笑)

おっさんの成長をみんなに示すはずが、余計な心配をかけてしまったな。反省反省。

時計を確認するとおっさんが意識を失っていた時間は3時間程のようだ。いわゆる仮眠だね。

さて、この状況はどうしようかな?

おっさんが悩んでいると意識を取り戻したことを感知したのか、虎鉄と小雪の耳が「ピクピク」と動き始めて次に瞼が開きその目がおっさんをとらえた。

「くう~ん」と鳴きながらおっさんにダイブして、おっさんの顔を舐めまくった。

「お~よしよし。ごめんね、心配かけたね」

そう言いながら虎鉄と小雪をワシャワシャする。その物音でセレスとアリシアが目覚めたようだ。

まあ、寝ている近くでこれだけ騒げばそりゃー起きるよね。

セレスは眠そうに目を擦りながら辺りを見回してその瞳でおっさんの姿をとらえると、「うわ~ん!」と泣きながらおっさんにダイブしてきた。

お昼寝三人衆ここに見参! ダイブされたお腹が地味に痛いです。

セレスはひとしきり泣いた後で「あぶないのといたいのは「めっ!」なのです」とおっさんにお説教をしました。幼女にお説教をされるおっさん・・・それで喜ぶ性癖は持ち合わせていません。

でも心配してくれているのはその涙とおっさんの服にベッタリとついた鼻水でわかるので、素直に謝って頭を撫でる。頭を撫でてあげるとまるで猫のように目を細めて、気持ち良さそうにしていた。

アリシアはダイブこそしなかったものの、おっさんの手を握って「良かったのじゃ・・・心配したのじゃ」と何故か結構心配された。ちなみにアリシアは涙は流してくれたものの、鼻水は流石に垂れていなかったです(笑)

熊師匠をはじめとするみなさんがおっさんの成長具合をかなり驚き誉めてくれましたが、「もっと自分を大事にしなさい。あとは無理をしない」とお説教も頂きました。ですよね~

おっさんシゼルに追い回されているときの感じで戦っていたから、「死」への恐怖から逃れるのと意地でも一矢報いてやる精神で戦っていました。それだけシゼルのしごきが過酷だったのです。察して下さい。

特におっさんと模擬戦をしたデュラちゃんは、戦いに熱中し過ぎておっさんのボロボロ加減に気がつかなかったことをかなり気にしており縮こまっていた。

熊師匠に背中を押されておっさんの前にデュラちゃんが来たので、先手必勝で抱きついてやった。

いきなり抱きつかれたデュラちゃんはビックリして「ビクッ」として、首から出ているオーラの色がコロコロ変わって面白いことになっている。

「隙あり~! 模擬戦のときは一部の隙もなかったのに今は隙だらけですよ。ついにおっさん一矢報いたり」

おっさんの完全に予想外の行動とおかしなテンションについてこれないデュラちゃんは、なすがまま状態である。

「デュラちゃんが何で落ち込んでいるかは想像がつくけど、それは御門違いだよ。むしろおっさんとしては嬉しいんだよね。いつも熊師匠や皆さんに鍛えて頂いているけど実力差がありすぎて、おっさんの相手をして頂くのが結構心苦しく感じてまして。でも今回の模擬戦ではデュラちゃんがおっさんの怪我を忘れるくらい楽しんでくれたということでしょう? 故におっさんは嬉しいのです。だからデュラちゃんが落ち込むことはないんですよ。むしろそんな風に落ち込まれるとおっさん悲しい」

率直におっさんの気持ちを伝えると、デュラちゃんの首から出ているオーラの色が少し明るい色になった。

「すぐに気にしないのは無理だってことはおっさんもよくわかります。ホントよくわかります。でもおっさんとしてはいつものデュラちゃんに戻ってほしいな~」

そう告げてデュラちゃんを解放すると首から出ているオーラの色は、いつも通りの元気な色に戻った。

その様子を見ていた熊師匠、ノーライフキング先生、蜘蛛お嬢はみんな頷いて「ホッ」としていた。

みなさん仲良いし優しいからな。

元気を取り戻したデュラちゃんはベッドの横に椅子を持ってきて座り、持参したリンゴの皮をナイフで綺麗に剥き始めた。

小さい頃に風邪をひいたときに母さんにリンゴ剥いてもらったっけ。でも今のおっさんは怪我なんだけど・・・まあ、せっかく剥いてくれているから野暮言うのはやめよう。

剥いてもらったリンゴを「ムシャムシャ」と食べていると、ふと視線を感じたので何かと思ったらお昼寝三人衆が物欲しそうにおっさんの手元を見つめていた。

「リンゴが食べたいの?」

聞いた瞬間に頷いたよ。お腹が減っているのかな? それとも他人が食べているものが無性に美味しそうに見えるアレですか。

三人の分も向いてくれるようデュラちゃんにお願いすると快く承諾してくれた。お手数をお掛けします。

デュラちゃんに剥いてもらったリンゴをお昼寝三人衆は「ムシャムシャ」と頬張ってる。君たちもうおっさんの心配よりもリンゴへの欲求の方が上でしょう。

ちなみにアリシアは「な! リンゴの剥いて食べさせるじゃと!? その手があったのじゃ・・・」とか呟いていた。

最近「コイツ大丈夫か?」と思う瞬間が多々あるな。ストレスでも溜まっているのかな? 今度ヒアリングでもしてみるか。

まあ、そんなこんなでとりあえずおっさんの成長具合のお披露目は無事終了した。

ちなみにシゼルにも模擬戦の感想を聞いてみたところ「私の評価はもう述べました」と言われた。意識を失う前に聞いたあの言葉は幻聴じゃなかったのか。おっさん結構嬉しいかも。

で、その翌日が今日で殺伐とした心をリフレッシュするために土いじりもとい畑作業です。

おっさん以外のメンバーは虎鉄と小雪にセレス、アリシアとシゼルそして熊師匠だ。

畑は自宅からそう遠くない場所に作ったので高速移動しなくても、歩いてゆっくり行ける。

その証拠にセレスはリュックを背負ってピクニック気分でうかれている。

セレスの両脇を虎鉄と小雪がしっかりと守るように歩いている。君たちホント仲良くなったよね。おっさん嫉妬しちゃう。

おっさんの左右にはシゼルとアリシアが陣取っている。熊師匠はおっさん達の少し前を鼻をヒクヒクしながらゆっくりと歩いておられる。なんと凛々しい後ろ姿か。そのうち後光が差すのではないだろうか。

すでに熊さんに 出会った状態で森を歩くおっさんである。

畑に到着! 広大な敷地には様々な野菜が育っており季節感なし。異世界補正なのかスキルの効果なのかは不明だが季節関係なく野菜が育ち、しかも成長が早い。

ちなみに薬草関係はビニールハウスで育てている。色々と危ない薬草も育てているから別にしています。

果樹園も併設しておりこちらも季節感がゼロである。最近になってキノコ栽培もはじめてみた。これも順調に貴重な食料源となっている。本当は素人が適当に栽培して育つものではないのだろうけれど、そこは異世界補正&スキル補正様様でなんとかなっている。

ちなみに元いた世界では食べられなかった松茸(?)をお腹いっぱい食べることが出来ました。イエイv(^o^)

いずれは養蜂なんかもやりたいんだけど、この世界の蜂がね・・・デカいのよ。大型犬くらいのサイズなワケでしてしかも獰猛。ついでに言えば色が奇抜。

だから現段階では養蜂は後回しにしています。だって、おっさん怖いもん。あんなぶっとい針で刺されたくないし。

木々の上から何かがこちらに向かって移動してくる。それに目の前の土が盛り上がり始める。おっさんの友達登場です。その名もモグラの「モグモグズ」とカーンバンクルの「カーちゃん」です。

地面から登場しておっさん達に片手を上げて挨拶してくれているのが「モグモグズ」です。

ここに畑を作る際に地面を掘り起こしていたら、「モグモグズ」に出会いました。

先に生活していた住人がいるのに地面を掘り起こして彼らの生活環境を壊してしまったことに対して、物凄い罪悪感を感じつつモグモグズに話しかけると怯えられました。

あとで熊師匠に聞いたところモグモグズはこの森の中でも戦闘能力だけはかなり低いらしく、他の種族と争うことも滅多にない種族だそうです。

とりあえず一定の距離を保ちつつ相変わらず言葉が通じないので、熊師匠の時のように身ぶり手振りなどを駆使してコミュニケーションをとりました。

まず謝罪して怪我がないか確認。そのあと何故地面を掘り起こしたのか説明しました。

終始おっさんの説明を聞いていたモグモグズであるが一人が「僕達はここから出ていかないといけないの?」と悲しそうにジェスチャーをしてきたので、「そんなことはありません。おっさんが別の場所を探します」と言うとモグモグズは安堵したように見えた。

しかしおっさんには気になることがあった。それはモグモグズの大半が痩せこけていたことだ。理由を聞くと「自分達は弱いから誰かのおこぼれをもらうか、あまり美味しくない虫を食べるしかない」と言った。

これはけしからん。おっさんはその場でアイテムボックスから様々な食料を取り出して、モグモグズにお腹いっぱい食べるように言った。モグモグズは困惑した表情をしていたがおっさんが「いいから食べる!」と言うとビックリしながらも食べ始めた。

はじめはチラチラとこちらを見ておっさんの顔色を窺うように食べ始めたが、自分達が見たこともない食べ物だが美味しいとわかるとガッツいて食べまくっていた。

これは完全におっさんの偽善からくる行為である。自分自身でよく理解していますよ。

でもこれはおっさん的には見過ごせない。ある意味ここの土壌を掘り起こしてよかったよ。

ひとしきり食事を終えたモグモグズにおっさんが考え付いた案を話す。

「おっさんがここに畑を作るから、君たちで畑仕事の手伝いと警備をしてもらえないかな? もちろん三食昼寝付きで住居環境も整備します。それと警備といっても何も戦えという意味ではなくて、畑に侵入者が来たら教えてくれるだけでいいです。知らせる方法は・・・これから考えます。あと畑周辺にトラップなんかも設置するのでわりと安全だと思います。どうでしょうか?」

根気よくプレゼンをしておっさんの提案を理解したモグモグズは意外にもその場ですぐに了承した。

何故そんなに早く返答したのか疑問に思って尋ねたところ「美味しいご飯を必ず食べられて、強いものに守ってもらえるから」だそうです。こんな短期間でちゃんと考えてるな。

そんな感じでモグモグズとの付き合いは始まり、今では良き友人です。

そしてもう一人の友人、カーンバンクルの「カーちゃん」。

大きさはリスくらいで見た目もリスみたい。全身がエメラルドグリーンの毛で覆われていて、最大の特徴は額に真紅の宝石のようなものを持っていることだ。果樹園専属の警備担当です。

カーちゃんに関しては呼び名を決めてから母親を呼んでいるみたいな感じだな~と思いながらも、本人達が気に入ったようなのでそのまま「カーちゃん」と呼んでいます。

カーちゃん達との出会いもモグモグズと似たような感じです。

畑の隣に果樹園を併設しようと思い予定地の視察をしていたところ、突然木の上から視線を感じたのでその方向に目を向けるとこちらを窺うように木に体を隠しながら見ているカーンバンクル達がいました。この森では久しく出会わない見た目が小動物。しかし中身は・・・的なやつかな。

カーンバンクル達はおっさんから常に一定の距離を保ちながら、おっさんの様子を伺っていた。

しばらく果樹園予定地にしたい場所を見て回って、小腹が空いたので自作のあんパンを食べていると一人のカーンバンクルがおっさんの足元にやってきた。大きさから見て子供だろう。その子の後方の木の上を見るときっと親御さんだろう、滅茶苦茶あたふたしていた。おっさんは別に取って食ったりはしませんよ。

つぶらな瞳でジーっとおっさんを見ているので、試しに手に持っているあんパンを左右に動かすとカーンバンクルの視線も一緒に動いた。あんパンが気になるのね。

しゃがんであんパンをちぎって手にのせてカーンバンクルの目の前に出すと、おっさんの顔とあんパンを交互に見てどうしようか悩んだすえに好奇心に負けて、おっさんの手からあんパンを取って少し離れた場所で食べ始めた。

その間に残ったあんパンを食べて牛乳を飲む。あんパンといえば牛乳でしょう!

食べ終わって足元を見ると先程あんパンをあげたカーンバンクルがまたいた。

よく見るとモグモグズと一緒で痩せこけている。けしからん! 子供はよく食べないと大きくなれないのに。実にけしからん!

モグモグズ以来のおっさんに変なスイッチが入り、アイテムボックスから色んな種類の大量の食べ物を出す。あ、地べたにじゃなくてちゃんとお皿の上に出しましたよ。大きいものは食べやすいサイズにカットもしました。

「食べていいよ」と言うと迷うことなく食べ始めた。よっぽどお腹が空いてたのかな? 木の上にいるカーンバンクル達にも「良かったら君たちも食べて」と言って、おっさんが少し距離をとると木から降りてきて恐る恐る食べ始めた。次々と木から降りてくる。一体何人いるんだ? まあ、食料はまだいっぱいあるから大丈夫だけど大所帯だな。

大量に出した食料を全て平らげてお皿に出してあげたミルクを飲んで、満足そうにお腹をさすり毛繕いを始めた。あーこれ完全におっさんの存在忘れられているパターンかな? まあ、別にいいけどね。

さて、先住民がいるから果樹園はどうしようかな。おっさんが果樹園の次の候補場所を探そうか考えていると、唐突にズボンの裾を引っ張られた。視線を下に向けると先程とは異なり大人のカーンバンクル達がお座りのように座っていた。ところで先頭のキミ、口の端にクリームがついてるよ。

「お腹は膨れたかい? それなら良かった」

おっさんがそう言うとカーンバンクル達は首を縦に振った。え! 普通に言葉を理解している。マジか!? いや偶然かもしれないし、一応確認してみよう。

「えーと、もしかしておっさんの言葉を理解していたりする?」

すぐに首を縦に振った。おーこれは本当に理解しているパターンか!? ちょっと感動。

ではモグモグズに行ったようにレッツ交渉タイム。

モグモグズにした説明内容をカーンバンクル達にもすると言葉を理解しているだけあって、すぐに内容を理解し吟味してみんなで集まって話し合いを始めた。

数分後結果がでたようで、おっさんの提案に同意するそうです。理由はモグモグズと似たような感じだった。ちなみにカーンバンクルも戦闘能力は低いらしい。戦闘能力はね。

そんな感じで畑と果樹園の専属の友人ができました。


「モグモグズにカーちゃんこんにちは。いつも畑と果樹園の世話と警備ありがとね」

やってきた友人を労い挨拶する。モグモグズはおっさんの両足にしがみついてきた。カーちゃん達はおっさんの肩や頭に乗ってきた。

おっさん大人気。何故かっておやつ待ちです。畑と果樹園の食べ物は適度に食べて良いよと伝えてあるのだが、なんかおっさんから貰いたいらしい。

アイテムボックスからそれぞれの好みの代物を出して渡す。モグモグズの好物は「焼き芋」それも「石焼き芋」ならなお良い。カーちゃん達の好物は「リンゴ」と「梨」。

モグモグズは2列に、カーちゃん達は3列に並んでおやつを待っている。何故かって? そこには根深い好みの問題が存在するからです。

まずモグモグズの方は、さつま芋が「ほくほく系」か「ねっとり系」のどちらが好きかという問題だ。

根深い。これは実に根深い問題だ。今でも明確な結論に至っていない。史上最大の難題の1つといえる。

一時は東軍と西軍に別れて合戦でもしそうな勢いだったので、「みんな違ってみんな良いだよ。個性だよ」と言っておっさんが止めました。

「ねっとり系」主義者はそのまま食べているが、「ほくほく系」主義者は牛乳がマストな方が多いようです。

カーちゃん達の根深い好み問題は「酸味は強い紅玉系」のリンゴ派、「甘味が強い王林系」のリンゴ派、「甘く果汁が多い系」の梨派である。

「梨は違くない?」と思われる方も大勢いると思うが、カーちゃん達にとっては同じカテゴライズらしい。

これも根深い問題の1つである。普段団結力が強いカーちゃん達であるがこの問題では意見がキッパリと別れた。

まるで中国の「魏」、「呉」、「蜀」状態である。まさに一触即発状態にまで発展しそうになったが、これもおっさんが何とかおさめました。

並んで待機している皆さんに一人一人に好みのタイプのものを配っていく。

おっさんが畑と果樹園に来るとこの行程が恒例行事となっている。何故かみなさんこの時はおっさんからしか受け取らない。よくわからないが求められることは微妙に嬉しいので、丁寧に一人一人に配っていく。

おっさん以外の人たちは先に畑仕事と果樹園の世話をしている。

最後の一人に配り終わったのでおっさんも作業に取りかかろうとすると、一人のカーちゃんが肩に乗ってきた。最初におっさんがあんパンをあげたカーちゃんだ。あの時より栄養状態が改善されたので体が一回り大きくなっている。

「お前は今日もおっさんの肩に乗っているつもり?」

「きゅい~♪」

元気よくおっさんの顔を見ながら返事をする。このカーちゃんは何故か作業中ずっとおっさんの肩に器用に乗っているのだ。どうやらお気に入りの場所らしく、過去に作業中に落下されても困るから肩から下ろそうとしたら、本気で抵抗されたのでおっさんの方が折れました。

さて、まずは畑仕事でもするかな。耕すのは魔法でも出来るのだがそれでは畑仕事感がない。しかし流石に手作業で耕すのは面積が広大なので、なんちゃって耕運機とトラクターモドキ、収穫機かもしれないものをアイテムクリエイションで作成して作業しています。ちなみに燃料は使用者の魔力です。

セレスは虎鉄と小雪と一緒に果樹園に収穫兼つまみ食いに行っている。アリシアは収穫機に乗って野菜を収穫している。シゼルと熊師匠は原木からキノコ各種を収穫している。椎茸を網焼きして醤油を少し垂らすとこれが美味いんだよな~前に熊師匠と一杯やりながら食べたっけ。

想像したらお腹空いてきた。でもまだ昼食には早いので畑を耕そう。おっさんにとってはスローライフの象徴と言える作業だ。

トラクターに乗って魔力を流しエンジン始動。森の中でも騒音問題はあるので、なるべく静音設計で作りました。

トラクターで畑を耕していると少し離れた場所をモグモグズが耕してくれている。

驚くことにモグモグズの耕す速度はトラクターを軽々と上回る。しかもそれを集団で一糸乱れぬ連携で行っている。かなり効率がよくしかもモグモグズはその作業を楽しんでいる。嫌々作業しているワケではないからおっさんとしてはひと安心です。

難しいことや余計なことを何も考えずに畑を耕す。あ~スローライフ最高! これだよこれ。最近スローライフから遠ざかり気味だったから、すげーこの時間が嬉しい。

木々の間から差す太陽の光を浴びながら、トラクターのハンドルを切る。

「♪~♪~♪」

「きゅい~きゅい♪」

ご機嫌で鼻唄を歌うおっさんに合わせるように、肩の上でカーちゃんもご機嫌に鳴く。

しばらく至福の時間を堪能してリフレッシュしたところで、畑の耕し作業が終了したのでトラクターから降りて今度は種まき機に乗り換える。エンジン始動。

おっさんが種まき機で種を蒔いている反対側でモグモグズが手押しタイプの種まき機で種を蒔いてくれている。種まき機もモグモグズが使いやすいようにカスタマイズしてある。それを予備を含めて人数分用意して、使って貰っている。

畑の面積が広大なので大変な作業かと思ったが、モグモグズの連携作業をもってすればそうでもないようだ。本人たちも「別に大変じゃないよ?」という感じだった。

畑でのおっさんの心の癒し作業を終えたので、モグモグズにお礼を述べて他の皆の様子を見に行く。

果樹園に到着すると一足先に作業を終えたのだろう、お昼寝三人衆がカーちゃん達というお供を伴って大きなサクランボの木の下でお昼寝している。

みんなで固まって寝ているからさぞかし暖かいだろう。360度モフモフですよ、羨ましい。

でも少し不用心かな? 護身用に簡易タリスマンを装備させているとはいえセレスもいるのだから、もう少し緊張感を持とうね。虎鉄と小雪は本寝じゃないだろうから、何かあればすぐに起きると思うけど。

そう思って二人の寝顔をみる・・・あれ? もしかして爆睡してません? 君たち野生はどこに置いてきたんだい。

そっとアイテムボックスから大きめの毛布を出してみんなにかける。風邪防止です。

セレスのアイテムボックスの中身を確認すると、ちゃんと果物各種を収穫してあった。果物の世話は虎鉄と小雪、カーちゃん達が魔法でやってくれたようだ。みんなありがとう、お疲れ。


果樹園を後にしてキノコエリアに足を運ぶ。

こちらももう作業を終えて、シゼルと熊師匠がテーブルでお茶を楽しんでいる。

中々すごい光景だ。この森というか世界規模での強者が向かい合ってお茶を楽しんでいる。声をかけたら殺されやしないだろうか? いかん、シゼル恐怖症が発病しそうになったわ。

「お疲れ様です。シゼル、熊師匠。こちらでの作業は終わったんですね」

おっさんが声をかけると二人が同時にこっちを向いた。

「ぐぅあ」

「お疲れ様です、リフレッシュはできましたか?」

熊師匠は片手をあげて「お疲れ!」という感じで挨拶してくれた。左手にお茶菓子の「歌舞伎揚」を持ってね。相変わらずチョイスが渋い。飲み物は玄米茶かな?

シゼルは綺麗なティーカップで紅茶を楽しんでいるようだ。香からすると「レディグレイ」かな? お茶菓子は「マカロン」ですか。シゼルは洋菓子派だからな。ちなみにおっさんは両刀です。あ。変な意味じゃないからね?

「お陰さまでね。かなりリフレッシュできたよ。やっぱりおっさんの日常はこうでなくちゃ」

「それは良かったですね。私達はキノコの収穫と種菌の植え付け作業は終わったので、ティータイムを楽しんでいました」

流石に仕事が早い。助かります。

「おっさんの方も作業は終わったよ。果樹園も見てきたけど向こうも終わってたよ」

「そうですか。では良い時間なので昼食にしましょう。準備をしておきますので他の皆さんを起こしてきて下さい」

「了解」

もはやシゼルの中ではお昼寝三人衆は確認するまでもなく、寝ていることが確定ですか。

熊師匠に挨拶をしてお昼寝三人衆を起こしに行く。

「まだ寝てるよ。まあ天気も良いし日差しも暖かいから気持ちはわかるよ。でもそろそろ起きようか。おーい、お昼ご飯の時間だよ」

おっさんが昼食の時間であることを告げた瞬間、ガバッと寝ていたみなさんが起き上がった。

おっさんビックリして心臓止まりそうになったわ。もしかして眠りが浅かったのか?

「おはようごじゃいましゅ・・・おひるごはんはなんでしゅか?」

セレスがまだ意識が覚醒していないボーッとした状態で、昼食のメニューを聞いてきた。もしかして「お昼ご飯」で起きたの? 睡眠欲より食欲が上回っただけですか・・・まあ簡単に起きてくれたから手間が省けて助かるけどね。

「おっさんもメニュー聞き忘れてたよ。何が食べられるか楽しみができたね」

お昼寝三人衆の頭をそれぞれ優しく撫でて毛布を回収する。一緒に寝ていたカーちゃん達も目覚めて一緒に昼食タイムです。

「虎鉄、小雪。悪いけどモグモグズを呼んできてもらえる? 一緒にご飯食べようって」

「ワン!」

了解という感じに吠えて二人は畑の方にモグモグズを呼びに走り出した。

「よろしくね~」

セレスと手を繋ぎ大勢のカーちゃん達を引き連れて、シゼルと熊師匠の元に戻る。

戻ると先程あったテーブルは姿を消し、大きなレジャーシートが敷かれていた。しかもレジャーシートの上に低反発のマットレスその上にまたレジャーシートという三層構造だ。そうそう、レジャーシートだけだとお尻が痛いのよ。元いた世界の会社の花見の時にレジャーシートしか敷かなかった結果、花見自体が嫌いになったのが思い出されるな。

レジャーシートの上には アウトドアで使うようなローテーブルが、いくつもセッティングされていた。

その上に様々なサンドイッチをのせたお皿が置いてある。サンドイッチの大きさは食べる人によって調整して作ってあるようだ。熊師匠のサンドイッチは滅茶苦茶デカイ。

遠くに虎鉄と小雪、大勢のモグモグズがこちらに向かってくる。ちゃんと呼んできてくれたようだ。

そういえば何か忘れているような・・・何だろう?

こちらに高速で接近する物体がある。敵襲か!?

「酷いのじゃ! おっさん殿、妾の存在を忘れてたじゃろ! ちゃんと与えられた仕事はこなしたのに。最近妾の扱いが雑になっておらんか?」

「あ、何か忘れていると思ったらアリシアか。お疲れ」

忘れていたことが思い出せて、スッキリした~これでより美味しく昼食が食べれそうだ。

「お疲れなのじゃ・・・じゃなくて!」

まだ文句は続きそうなので、とりあえず強制撫で撫で発動!

「何をするのじゃ! おなごの頭をそう気安く撫でるのでは・・・はう」

シゼルのしごきでよりレベル差が広がったのだ、この撫で撫でからは逃れることは出来んよ。

「ごめんごめん。ビニールハウスの方の作業もモグモグズと一緒にやってくれてたんだろう? ちゃんとわかってるから。ありがとう」

根が真面目だからアリシアは手を抜かずに作業をしてくれる。助かってはいるがやはりもう少し肩の力を抜けると良いんだけどな。

「わかれば良いのじゃ・・・」

顔を赤くして俯くアリシア。百面相だね。

「お二方。桃色イチャツキ劇場はそろそろ幕を下ろして昼食にしませんか? 皆さんお待ちですよ」

シゼルにそう言われて周囲に視線を向けると、皆さんがこちらを見ている。いや~ん恥ずかしい。

「べべべ別にイチャイチャなどしておらんのじゃ!」

「そうだよシゼル。おっさんはただアリシアを労っていただけだよ」

イチャイチャなんて人聞きの悪い。悪質なデマを流すのはやめてもらいたい。

「完全に否定しなくともよいではないか・・・むうなのじゃ」

「ご主人様=朴念仁」

何かシゼルに失礼なことを言われた気がするが、空耳だろう。

空いている席、というか熊師匠が自分の横の席を手で叩いているのでそこがおっさんの席ですね。

「皆さんお待たせして申し訳ない。昼食にしましょう。それでは手と手を合わせていただきます」

「「いただきます」」

早速皆さんガッツキ始めました。やっぱり時間的にお腹が空いていたのかな?

それにしても外で食べる食事は気持ちが良い。同じメニューでも外で食べるとより美味しく感じる。

玉子サンドをはじめとする様々なサンドイッチをほうばって、楽しく昼食は終了しました。

「ご主人様、どうぞ」

「ありがとう」

シゼルはそう言って食後の紅茶を淹れてくれた。この香はさっきシゼルが飲んでいたレディグレイかな?

「午後のご予定ですが、いかがなさいますか?」

「うーん、武器の新調かな? かなりガタがきているからそろそろ新しいのにしないとね」

「わかりました」

シゼルはおっさんの午後の予定を確認すると、他の皆にも食後の飲み物を配りにいった。

「はあ~なんて平穏なんだろう。やはりおっさんにはまったりがよく似合うな」

そんなことを思いながら、おっさんのスローライフは今日も健在です。







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