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ロリババア他一名の前に来ると、ロリババアは胸に抱いている幼女を解放しておっさんに向かい合った。
「久しぶりじゃのう、お陰で助かったのじゃ」
そういう彼女の姿は真紅の瞳、腰まで伸びる綺麗な金髪、黒と赤の着物を着崩したような服を着ている。
両肩が大胆に露出しているため、豊満な胸の谷間がよく見える。足の方にも大胆なスリットが入っており美しい美脚が露になっている。ロリババアは大人モードになると露出狂になるのか?
「おっさんとしては久しくも会いたくなかったけどね。えーと・・・アジサイだっけ?」
おっさんが半年前の興味のないうろ覚えの記憶から、ロリババアの名前を引っ張り出す。
「アリシアじゃ! なんで妾の名前を覚えてないのじゃ!」
興奮した様子で露出狂が喚いてくるので、覚えていなかった理由を教えてあげた。
「興味なかったし、もう二度と会うこともないと思っていたから?」
おっさんの言葉を聞いたアリシアはガクッと膝を地面についた。おーい服が汚れるぞ~。
「本当に妾達に興味がなかったのじゃな・・・名前すら覚えてなかったとは・・・」
結構なショックを受けているアリシアを、ぬいぐるみを胸に抱いた幼女がアリシアを心配するように不安そうな表情をしている。
確か先程肉片にした男が「魔王の娘」とかいう聞きたくない単語を、遺言で残していたな。
幼女を観察すると確かに魔王の面影がある。 ヒューマンに似た肌の色、灰色の髪、額と耳の後ろに角らしきものが生えている。着ている服はいかにもお嬢様と言う感じのヒラヒラのレースがついた青色を基調としたワンピースだ。胸に大事そうに抱き締めているのはクマのぬいぐるみだ。ほう、クマのぬいぐるみとはなかなか見所がある。いいセンスだ。
「とりあえず話の邪魔だったから男達は排除したが、おっさんに何か用か?」
本題である森の入り口でおっさんの名前を大声で連呼していた理由について、問いたださなければ。
おっさんが用件を問いただすと、思い出したかのようにショックから復活して勢いよく立ち上がった。「そうじゃ、おっさん殿に折り入って頼みがあるのじゃ!」
「お断りします。お帰りの魔国はあちらになります」
嫌な予感しかしないのでアリシアの言葉を無視して話をぶったぎって、魔国がある方向に指をさして帰り道を親切に教えてあげる。
「のう、せめて頼みの内容くらいは聞いてはもらえぬじゃろうか? 門前払いは流石に酷くはないかのう」
なおもしつこく食い下がるアリシアにはっきりと言ってやった。
「何か大きな勘違いをしているようだから訂正しておくが、おっさんはあんた達魔族の味方でもなんでもない。今のところ敵ではないただの顔見知りというだけだ。そして半年前に言ったことだが、おっさんのスローライフの邪魔をするようなら誰であろうと敵として処理すると。もしかして忘れたのかい?」
意識してやったワケではないのだが、おっさんの目つきが鋭くなり周囲の温度が急激に下がる。
半年前に一回会ったくらいの人間に、それも明らかに面倒ごとを押し付けようとはどういう了見か。
おっさんは少しイラっとしているが、今回は流石に感情的にはなりません。おっさんは学習して成長する生き物です。
虎鉄と小雪はなんともないが、アリシアと幼女は顔の血の気が引きフルフル震えていた。
「それでも・・・話だけでも聞いて欲しいのじゃ」
弱々しくそう呟いて膝を地面につき正座した上で、手のひらを地面について額を地につけた。そう土下座したのだ。
それを見ていた幼女も意味もわからずに、ぬいぐるみと一緒に土下座した。
「おねがいしましゅ」
露出が多い女性と幼女がおっさんの目の前で土下座をしています。こんな光景を表参道とかで誰かに見られたら即逮捕ですよ。く、おっさんが断りづらい状況に持っていくとは。
虎鉄と小雪がおっさんの方、具体的には顔を凝視している。そんな目でみるなよ・・・
「はあ・・・わかったよ。話だけなら聞くから、その土下座をやめてくれ」
これじゃあ、おっさんが悪者みたいじゃないか。
「そうか! ありがとうなのじゃ」
「あいがとうございましゅ」
安堵と喜びが混じった声音と、舌足らずな声でお礼の言葉を述べながら顔を上げた二人の額は土で汚れていた。女性の顔が土で汚れているというアブノーマルなプレイ(?)が意図せずに完成しているので、二人に立ってもらい全身にクリーンをかけてついでに膝の汚れも落とす。
「話を聞くとは言ったけどここで聞くわけにも行かないから、いったんおっさんの自宅に行こう」
流石に大草原が見える見通しの良すぎる場所で長話をするわけにもいくまい。
「ただおっさん個人の意思だけで連れていくワケにはいかない。いったん自宅に戻って熊師匠達の判断を仰ぎ、許可を取らないといけない。その上でおっさんの自宅で話を聞くから、もし熊師匠達が許可を出さなければその時点で話は終了。潔く諦めてくれ」
おっさんの言葉を聞いたアリシアは酷く不安そうな表情で俯いた。
希望を抱かせたうえで、次の瞬間絶望に突き落とす。 おっさん鬼畜~♪
「じゃあ、ちょっと聞いてくる」
片手でバイバイしながら瞬間移動の準備に入る。虎鉄、小雪すぐに戻ってくるけど一応周囲の警戒をよろしく。
また変なのが現れたら困るし。
「わふ!」、任されたという感じに返事をしてお座りをしてそれぞれ違う方向を警戒し始めた。
瞬間移動で自宅のログハウスの玄関に移動する。靴を脱いでリビングルームに行くとそこにはいまだ先程の1局を検討中のノーライフキング先生とスケルトン達、熊師匠がいらっしゃった。。
「みなさん、ちょっとばかりお耳を拝借したいのですがよろしいでしょうか?」
おっさんがそうい言うと一斉にみなさんの視線が集中する。変な緊張感が・・・背中に嫌な汗をかいてきた。さて、なんて説明しよう。
「えーとですね、森の入り口を確認しに行ってきたのですが・・・半年前に来た魔族のことを覚えているでしょうか? あの中の一人が幼女を連れて森の入り口で待機している状況でして、おっさんとしては非常に遺憾なのですが話だけは聞くという流れなのですが・・・ここに連れてきてもよろしいでしょうか?」
変なことを言わずにストレートにお伺いをたててみる。果たしてロリババア達の運命はいかに!
熊師匠が鼻をヒクヒクさせ、ノーライフキング先生の目が深紅に光輝く。御二人ともおそらく念話で森の猛者達と話しているのだろう。
数秒後、御二人がおっさんの方を向いた。ドキドキ。
「ぐぅあぐぉ」、「ヴぁ・・・ヴぁヴぁ」。え、連れてきても良いのですか?
拒否されるというおっさんの儚い希望を打ち砕くように、御二人から許可がおりてしまった。
なんだろう・・・地味に凄くへこむな、この結果は。
「では森の入り口で虎鉄に小雪と一緒に待たせているので、今から向かえに行ってきます」
完全に面倒ごとに片足を突っ込むことが確定したおっさんの足取りは重い。トボトボ。
あー玄関に辿り着いてしまった。少しでもゆっくりと靴を履く。往生際が悪いおっさんである。
靴を履き終わって瞬間移動で森の入り口に戻ろうとすると、一体のスケルトンがおっさんの横に静かに来ておっさんの肩に手を置き「うんうん」と頷いた。じーん。君はおっさんの気持ちを理解してくれるんだな、ありがとう。思わず抱きついてしまった。友よ~!
玄関でスケルトンと抱き合うおっさん。なかなかシュールな光景である。
数秒抱き合って離れる。名残惜しいが友との時間に終わりがきたようだ。ありがとう、君のお陰でおっさんの心は安定したよ。固く握手を交わし森の入り口に瞬間移動する。
いち早くおっさんの気配に気づいた虎鉄と小雪が走ってくる。
「お待たせ、二人とも」
おっさんの前にお座りをして「そんなに待ってないよ。ちゃんと周囲を見張ってたよ」と恒例の誉めてアピールをしてくる。頭を撫でて労って、アリシア達に向き合う。
おっさん方を不安そうに見るアリシア。なので早速結果だけ伝えることにする。
「深層に来ても良いってさ」
そう告げると言葉の意味を理解するのに数秒かかったようで、しばらくしてから再起動した。
「本当か!」と物凄い勢いでおっさんのすぐ側までやってきた。怖いわ((( ;゜Д゜))) 虎鉄と小雪も引いてるやん。
おっさんの右手を自分の両手で包み込むように握り、潤んだ瞳で「ありがとう・・・」。そういって握ったおっさんの右手を自分の胸元に持っていった。
感謝の気持ちをあらわしての無意識の行動だと思うんですけど、当たっているんですよ、「むにゅー」って。
いくらおっさんより年食っているとはいえ、もう少し恥じらいを持とうね。
トテトテと熊のぬいぐるみを抱いた幼女がこちらにきて、アリシアの服を優しく引っ張る。
「よかったの、ありしあ。しゃいきんげんきなかったの。でもいまはげんきなの」
幼女にそう言われアリシアの目からは涙が流れ出した。
「あれ? どうしてじゃ・・・」
アリシアは不思議そうにしながらも、涙を手で拭う。 だがいっこうに涙は止まる気配がない。
もとの世界にもいたな、こういうタイプのヤツ。
自分がいかに無理してるのか自覚していない。そのうちコップから水がこぼれるように溜まったものが溢れだして、限界を迎える。おっさんの知り合いは、しばらく残業しまくってそのうち知らないうちに消えていった。あとで聞いた話によると心療内科に通院するようになり、退職したらしい。
アリシアも表には上手く出さないようにしていたようだが、幼女の言葉で堤防が決壊したようだ。
立場的に苦労人ぽいもんな、コイツ。はあ~
アリシアの頭に右手を乗せて虎鉄と小雪にするように、ワシャワシャする。お陰で彼女の髪はグッシャグシャ。
「いきなり何をするのじゃ!」
やられたアリシアは困惑気味におっさんの手を振りほどこうとするが、レベル差がありすぎてそれは叶わない。
「何となく? いまはこの行為が必要な気がしてね。いいから黙って撫で撫でされてなさい」
そう言って撫で撫でを強行する。アリシアはしばらく抵抗していたが、やがて観念しておっさんのなすがままにの状態になった。
抵抗がなくなったと思えば、俯いて耳まで真っ赤にしている。やあーい、恥ずかしいだろ~
少しは他人に弱さを見せなさい。その方が可愛いげがあるぞ~
「セレスもなでなでしてー!」
気がつくと足元に幼女がいた。おっさんの顔をキラキラした目で見つめている。やめて、そんな純粋無垢な目でおっさんを見つめないで! おっさんの心は真っ黒なんだから。
おっさんが困っていると幼女はおっさんの左手を握って、自分の頭の上にのせた。
「はやくなでなでしてくだしゃい」
何故か涙目になっていく幼女に負けて、撫で撫でをする。
すると途端にニンマリした表情になり、「もっともっと」と自分から頭を押し付けてくる。
なにこの状況? ロリババアとリアル幼女を両手で撫で撫でって、端から見たら逮捕ですよ。
しかしおっさんが始めたことだからなあ~あと少し、アシリアが落ち着いた頃合いでやめよう。
しばらくしてアリシアが落ち着いたようなので、撫で撫でをやめておっさん宅に瞬間移動する。
追伸:虎鉄、小雪。二人とも微妙な空気を読んで待機していてくれてありがとう。実はおっさんも結構恥ずかしかったです。




