アンドレ、ジェントルマンとしてレベルアップ!!
シミュレーションの最後は、セシルの家を後にして「家を出る時の別れの挨拶」の練習だった。
アンドレは、アルパカのぬいぐるみ(セシル役)に向かって、優しく帰宅の挨拶と今日の勉強のお礼を告げ、使った机の上を綺麗に片付ける。
「それじゃあセシル、今日はありがとう。また来週学校でね」
片付けが終わると、アンドレは今日一日お世話になった「家族」たちに向き直り、しっかりと姿勢を正して挨拶をした。それぞれのぬいぐるみ(家族たち)は、次のような反応を見せる。
クマ(父親役・クロード):「……うむ。まぁ、帰り道は気をつけてな。またいつでも遊びに来い」と、少し照れくさそうに太い声で送り出す。
ゾウ(母親役・エマ):「気をつけて帰るのよ! またいつでも待っているからね」と、温かく優しいお母さんボイスで手を振る。
キツネ(お兄さん役・クロード):「お疲れ様。今度来た時は、もっと美味しいお菓子でもてなしてやるよ」と、頼もしいお兄さんとして声をかける。
ウサギ(お兄さんの彼女役・イザベル):「気をつけてねー! また一緒に美味しいもの食べましょう!」と、明るく爽やかに見送る。
アルパカ(セシル役・エマ):「うん、また来週ね! 気をつけて帰ってね、アンドレ君」と、胸をキュンとさせるような可愛らしい声で微笑む。
そして、最後に足元にいたペット役のネコのぬいぐるみ。
ネコは名残惜しそうにアンドレの足元にスリスリとすり寄り、名残惜しそうにつぶらな瞳で見上げてきた。
アンドレはしゃがみ込み、その小さな頭を優しく撫でながら微笑んだ。
「お利口さんだったね、今度遊ぼうな」
その温かな別れのセリフを最後に、アンドレは「お邪魔しました!」と深々と頭を下げて、シミュレーション上の玄関の扉を開けて外へ出た――。
シュールでありながらも愛に満ちた「おままごと兼マナー講座」は、こうして無事にすべてのプログラムを終了した。
リビングに戻ったアンドレは、少し息を整えながら「ふぅ……終わったぁ……。みんな、どうだった?」と周囲を見回した。
まず口を開いたのは、厳しくも温かく見守ってくれた監査役の二人――キリンとヘビのモノマネをしながら、イザベルが講評を伝える。
「キリンさんより:『首の角度、終始ブレずに素晴らしかったわ!』。ヘビさんより:『心拍数の波も後半は安定していて、見事なリラックス状態やったで!』。監査役としても文句なしの合格点やね、アンドレ!」
続いて、家族からのフィードバックが飛ぶ。
クロードは優しい笑みを浮かべて頷いた。
「本当によく頑張ったね、アンドレ君。父親役、兄役として対峙していて、君の誠実さがしっかり伝わってきたよ。これなら土曜日の本番も絶対に大丈夫だ」
イザベルも目を細めて大きく頷いた。
「ほんまに感心したわぁ。昨日の今日でここまで自分のものにできるなんて、姉ちゃん、感動して胸がいっぱいや。最高の特訓やったね!」
メイン講師であるエマも、「おじちゃん、すごーくかっこよかったよ!」とピョンピョン飛び跳ねて大絶賛してくれた。
みんなから温かい賛辞をもらい、大きな達成感に包まれたアンドレは、「よし、それじゃあお片付けをしよう」と声をかけた。
エマと一緒に、今日大活躍してくれたおままごとの道具をワゴンに片付けていく。
アンドレは、ワゴンに戻す直前のぬいぐるみたちを一つずつ丁寧に手に取り、その都度心からの感謝を伝えた。
「クマさん、父親役をありがとう……!」
「ゾウさん、優しいお母さんをありがとう……!」
「キツネさん、鋭い質問と料理の話、勉強になったよ……!」
「ウサギさん、美味しいお菓子をありがとう……!」
「アルパカさん、素敵な時間をありがとう……!」
そして最後にネコの頭をもう一度撫でて、「ペット役、癒やされたよ、ありがとう」と優しく声をかける。
さらに、厳しくも的確に指導してくれた監査役の二匹に向かって、「キリンさん、ヘビさん、厳しいチェックをありがとうございました!」と、一人ひとりに丁寧にお礼を言いながら、大切にワゴンの中へと戻していった。
最後は、エマに手を引かれながら、ぬいぐるみたちの乗ったワゴンを一緒に子供部屋へとトコトコ運び、綺麗に元の場所へと片付けたのだった。
こうして、笑いと愛とスパルタ(?)に満ちた、木曜日の特別なマナー講座は、最高なかたちで幕を閉じるのであった。
中編はこれで終了
次からは後編です!!
前編と比べると男として成長してきたアンドレ。
なお、後編は金曜日までになります。
土曜日の勉強会を楽しみに待っていてください!!




