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リヨンの高校生たちの群像劇  作者: Red Baron
イザベルお姉さんのマナー講座(中編)
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専門的な知識

昼休みの教室。アンドレ、セシル、ルイ、マリアの4人は、昨日マリアが購入したばかりの新刊『カメレオン大図鑑』を囲んで賑やかに眺めていた。

ページを開きながら、マリアは新しく図鑑に掲載された「ピグミーカメレオン」について、その独特な生態や生息する地域について熱心に解説している。アンドレ、セシル、ルイの3人は、ピグミーカメレオンの驚くべき小ささや生態の面白さに感心し、この新刊図鑑の充実ぶりを口々に褒め称えていた。


その時、ふと机の横に影が差した。顔を上げると、そこに立っていたのはクラスメイトのテオ・ルサージュだった。

身長163センチと小柄な体格で、ダークブロンドの髪の毛は長めの前髪が目にすっぽりと隠れてしまっている。普段はあまり他の生徒と話しているところを見たことがないテオは、人と話すのがよほど苦手なのか、おどおどと落ち着かない様子で腕に何冊かの本を挟みながらアンドレに話しかけた。

「あの……アンドレ君、昨日の帰り、見たんだ……。あの車、プジョー308GT……持ってるなんて、お姉さん、すごいね。あれは、どこで買ったものなの……?」

突然のことに驚きつつ、アンドレが「え? 姉ちゃんの車のことでいいのか?」と聞き返すと、テオは腕に挟んでいた本の中から1冊を差し出した。それは世界中の自動車が網羅された専門の図鑑だった。

車が好きだというテオは、昨日の放課後にイザベルがアンドレを迎えに来ている姿を目撃していたのだ。彼は開いたプジョー308GTのページを指さしながら、その優れた走行性能やデザインの良さを四人に向けて熱っぽく語り始めた。


テオの熱心な解説に対して、4人はそれぞれ次のような反応を見せた。


アンドレ:「へえ、すごい詳しいんだな。ちなみにあの車は、俺がコレージュ(中学)の時、姪っ子が生まれた記念に義兄さん――姉ちゃんの旦那の両親がプレゼントしてくれたんだよ」


セシル(青い瞳をパチクリさせながら):「わあ、そんな素敵な由来がある車なんだね。テオ君の解説を聞いてると、車ってなんだか奥が深くて面白そう!」


ルイ(金色の瞳を輝かせて):「マジかよ! ファミリーカーのくせにそんなに走りがいいなんて知らなかったぜ。乗せてもらう機会があったらじっくり見せてほしいな!」


マリア(灰色の瞳を細めて):「ふふ、テオ君って本当に車が大好きなのね。専門的な知識がすごくて、聞いていてすごく分かりやすいわ」


アンドレから車の由来を聞いたテオは、「なるほど……! だからあの車はファミリーカーとしてもすごく優秀で、子どもが乗り降りしやすい設計になっているんだよね」と納得したように付け加えた。

(――そういえば、車をもらった時に姉ちゃんも全く同じこと言ってたな……)

アンドレが心の中で苦笑していると、テオは少し気恥ずかしそうに「あのさ……今日の帰りも、お姉さんが迎えに来るの?」と尋ねた。

「ああ、来るよ」

アンドレがそう答えると、テオは目を輝かせて「あの車の良さを分かってくれる人がいるなら、姉ちゃんもきっと喜ぶと思うぜ」とアンドレが返した言葉に嬉しそうな表情を浮かべた。テオは「そっか……ありがとう」と小さく呟くと、自分の席へと戻り、再び車の雑誌を開いた。


その後、話題はふたたびマリアの新刊カメレオン図鑑へと戻っていった。

「テオ君の車の雑誌もすごかったけど、マリアのカメレオン図鑑もすごいよね。世の中にはいろんな種類がいるんだなぁ」とセシルが感心したように呟く。

ルイも「カメレオンも車も、奥が深くていろんな種類があるってわくわくするぜ!」と楽しそうに笑った。

そんな中、マリアはテオの背中を静かに見つめながら、穏やかな笑みを浮かべた。

「自分の好きな分野について、ここまで熱心に専門的な知識を持っているところ……ジャンルは違うけれど、なんだかすごく親近感が湧くわね」

普段からクラス全体をしっかりと観察し、相手の性格やトーンに合わせて柔軟に会話を紡ぎ出すマリア。クラスの交渉役や、英語の授業で、ブラウン先生(英語の担当教師)の通訳としても大活躍している彼女は、アンドレから「マリアが一番好きなカメレオンって何だ?」と聞かれると、彼女は図鑑のページをめくって、「パンサーカメレオン」のページを見せる。

「私のお気に入りはやっぱりこのパンサーカメレオンよ」とマリアは語る。「環境やその時の気分によって、体の色を劇的に変化させる適応力の高さが最大の魅力なの。何度観察しても全然飽きないわ」


その言葉を聞いて、アンドレはふと思い出したように言った。

「そういえば、姪のエマも動物が大好きだから、マリアとすごく気が合いそうだな」

普段は冷静で落ち着いているマリアだが、その言葉に少しだけおどけたような、照れくさそうな仕草を見せてこう言った。

「本当? 先週アンドレが見せてくれた写真に、動物のぬいぐるみがたくさん写っていたわよね。今度カメレオンの面白い生態や特徴を話してあげたら、興味を持ってくれるかしら……。どんな種類のカメレオンを紹介したら喜ぶかなぁ、今からちょっと悩んじゃうわね」

マリアは楽しそうに微笑みながら、さらに図鑑のページをめくり続けるのであった。

このエピソードを読んだ方にお聞きしたいのですが、どんな分野に詳しいか教えてくれると助かります。

よろしくお願いします。

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