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リヨンの高校生たちの群像劇  作者: Red Baron
イザベルお姉さんのマナー講座(中編)
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82/89

いつもとは違う登校

アンドレは家を出て、最寄りの駅へと向かった。

リセに入学して学生寮で暮らして以来、自宅から学校へ電車で通うという習慣がなかったため、朝の街並みや駅へと急ぐ人々の流れさえも彼にはどこか新鮮に映っていた。


平日の朝のホームには、通勤に向かうビジネスパーソンや通学途中の生徒たちが溢れ、独特の活気に満ちている。

電車に揺られること約20分。学校の最寄り駅に到着したアンドレは改札を抜け、朝の澄んだ空気の中を学校へと歩き出した。


駅から校舎へと続く並木道を歩いていると、前方にどこで見覚えのある制服姿の3人組が見えてきた。

それは、いつも行動を共にする仲良しグループ――プラチナブロンドのミディアムヘアをポニーテールにし、涼やかな青い瞳を輝かせたセシル、琥珀色の髪に鮮やかな金色の瞳を持つルイ、そして黒髪のボブヘアに落ち着いた灰色の瞳をしたマリアの3人だった。


アンドレは少し早足で近づき、「おはよ」と声をかけた。

突然の声に、3人はピタリと足を止めて振り返り、そして一様に目を丸くして驚いた。暗めの茶髪に灰色がかったヘーゼルの瞳をしたアンドレが、まさかこの登校ルートにいるとは思っていなかったからだ。普段は寮から通っている彼と朝の通学路で顔を合わせるなど、予想もしていなかったことだった。

「……アンドレ?」

最初に驚きから冷静さを取り戻したマリアが、灰色の瞳を少し細めて口を開いた。

「どうしてここに? 寮じゃなくて、こっちから来てるの?」

「あぁ、今週は姉ちゃんの家から通ってるんだ。来週からはまた寮生活に戻るけどさ」

アンドレがそう説明すると、3人は「なるほど、そういうことか」と納得したように頷(うなづ)いた。


思わぬ再会に空気が和んだところで、アンドレはルイに向かって話題を振った。

「そういえばルイ、昨日のストリートバスケはどうだったんだ?」

ルイは金色の瞳をキラリと輝かせ、自信満々な笑みを浮かべて答えた。

「決まってるだろ、俺たちのチームの圧勝さ! 昨日はマークが厳しかったけど、見事にドライブで切り裂いてブザービーターを決めてやったのさ。いやぁ、最高のゲームだったぜ! お前も誘いたかったなー!!」

ルイのいつもの威勢のいい返事を聞いて、アンドレが軽く笑った後、今度はマリアに向き直った。


「マリア、そういえば注文してた新しいカメレオン図鑑は届いたか? 新種の載ってるやつ」

マリアは黒髪のボブヘアを揺らしながら、少し嬉しそうに目を細めた。

「えぇ、ちょうど昨日ね。新しい種類のカメレオンが記載されているページがあって、生態の解説もかなり詳しかったわ。あとでみんなにあとがきや資料部分も見せてあげる」


朝の通学路に賑やかな笑い声が響く中、4人は並んでキャンパスへと歩みを進めていった。

補足

アンドレは中学時代はイザベルの家から学校に通っていました。そして高校に入学してからは学生寮で暮らしていたため、家から電車で通学するのは生まれて初めてになります。

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