同性からのアドバイス
子供部屋での微笑ましい作戦会議からリビングに戻る。
アンドレはソファに座るクロードに向き合い、気になっていた疑問をぶつける。
「クロード義兄さん、さっき姉ちゃんからも少し聞いたんですけど、当日の正しい椅子の座り方と……あと、どんな服装で行くべきか詳しく教えてもらえますか?」
それを聞いたクロードは頼もしく微笑み、コーヒーカップを置いてから丁寧に指導を始めた。
「よし、椅子の座り方からいこうか。イザベルも言っていた通り、背もたれにドサッと寄りかかるのは論外だ。椅子に深く腰掛けた後、背筋をスッと伸ばし、背もたれとの間にこぶし一つ分のスペースを空ける。そして一番大事なのは『手の置き方と足元』だ。手は軽く握って太ももの上に優しく置き、足元はしっかりと揃えること。特に緊張すると足が開いてきたり、ブラブラと揺らしてしまいがちだから、そこは常に意識してコントロールするんだよ。いざという時は、太ももの上で手を軽く重ねておくと自然と姿勢が安定するからおすすめだね」
アンドレは実際に椅子に座り、クロードに教わった通りに姿勢を正して見せた。「こんな感じですか?」
「おっ、いいじゃないか! その姿勢を維持するだけで、ぐっと大人っぽく誠実に見えるよ」とクロードは満足そうにうなずいた。
続いて、クロードは服装についてのアドバイスへと移った。
「次に服装についてだが……結論から言うと、高校生である君が変に背伸びをして大人びたスーツやジャケットを着る必要はないよ。むしろ、高校生らしい清潔感のある爽やかな格好が一番好印象を持たれる」
具体的なコーディネートとして、クロードは次のように提案した。
「例えば、シンプルな襟付きのシャツに、落ち着いた色合いのニットやカーディガンを重ね着して、ボトムスはきれいめのチノパンやスラックスを合わせる。これだけで十分すぎるほどスマートで好感度の高いスタイルになる。あまりカチッとしすぎると、かえって堅苦しくなって緊張してしまうからね」
そして、クロードは少し真剣なトーンで、服装の本質についてこう付け加えた。
「もちろん、気負ってビシッと完璧にキメる必要なんて全くない。だけどだからといって、ヨレヨレのシャツや汚れたスニーカーといった『だらしない格好』で行くのは絶対にダメだ。そんな格好でいけば、わざわざ温かく君を招待してくれたセシルさんに恥をかかせてしまうことになるからね。大切なのは、相手への敬意がきちんと見た目に表れているかどうか、それだけだよ」
クロードの優しくも的確なアドバイスを聞き、アンドレは心底納得した様子で大きくうなずいた。
立ち居振る舞いの座り方から、当日身につけるべき装いの心構えまで――男同士のガッチリとした事前準備を経て、土曜日の本番へ向けた準備着々と整っていくのであった。
同性から見たアドバイスと、異性から見たアドバイスでは受ける方も違った視点を感じると思います。
作中に行われたマナー講座について、どう思いましたか?




