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三度目の成功
三度目の正直――。アンドレは深く息を吸い込み、再び玄関のインターホンを押した。
ドアが開く。イザベルが厳しい視線を向ける中、アンドレは教わった手順を頭の中で完璧に再現した。
「はじめまして、アンドレ・ランベールです。今日はお招きいただきありがとうございます」とハッキリとした声で言い切ってから、美しくお辞儀をする。
その後で一歩前に進み、丁寧に靴を脱ぐ。
決して家族にお尻を向けないよう、斜めに体の軸を傾けてスマートにしゃがみ、両手でしっかりと靴のつま先を外側へ向けて綺麗に揃えた。
その一連の動作をじっと見つめていたイザベルは、ふっと表情を緩め、満足そうに頷いた。
「……合格や。今の仕草、絶対に忘れたらあかんよ。本番でここを忘れたら、その時点で一発アウトやからね!」
やっとの思いで玄関を突破し、家の中に通されたアンドレに休む暇などなかった。ここからが本番の難所、ご家族と対面した場合の姿勢と接し方の特訓である。
リビングのソファの前に立ったイザベルは、まるで鬼教官の面持ちでアンドレに向き直った。その雰囲気は、まるで超難関企業の就職面接のようだった。
「いいか、ここからはセシルちゃんのご家族との対面シミュレーションや。私がそれぞれの役になりきるから、あんたは一歩も引かずに誠意を示しなさい!」




