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リヨンの高校生たちの群像劇  作者: Red Baron
都市伝説の真実
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保護者としての決意

面談の空気が温かな信頼感に包まれる中、モルヴァン先生はふと思い出したように穏やかな笑みを浮かべ、イザベルに提案を持ちかけた。

「そうだ、モローさん。よろしければなのですが……ランベール君の書類上の保護者とは別に、国内の保護者および緊急連絡先として、あなたのお名前をご登録いただけないでしょうか?」

思いがけない提案に、イザベルは自分の胸を指さして目を丸くした。

「えっ……私なんかでいいのですか? 母ではなく……」

すると、ルフェーヴル先生が心強い口調で説明した。

「ええ、もちろんです。お姉様は先ほど確認した第17条が求める『保護者等』の成人した親族という条件に完全に合致しております」

さらにモルヴァン先生が、先日母親と電話で話した際の内容を優しく付け加えた。

「先日、ご実家のお母様とお電話でお話しした際、ご家庭の事情についても詳しく伺いました。なんでも、ランベール君がコレージュ(中学校)に通っていた3年間は、お母様に代わってあなたが保護者として彼を親身に育てていらっしゃったそうですね」

モルヴァン先生は真摯なまなざしで続けた。

「もちろん、ランベール君の書類上の主たる保護者とお母様のお名前はそのまま残します。しかし、ご実家はベルギー国内にあります。何か緊急の連絡が入った際、国境を越えて駆けつけるとなると、どうしても移動に時間がかかりタイムラグが生じてしまいます。その点、フランス国内、しかもこのリヨン市内にお住まいであるあなたであれば、連絡もスムーズにつきやすく、万が一の際にもすぐに対応していただけます」

そしてモルヴァン先生は、イザベルのプライベートへの配慮を忘れないように優しく付け加えた。

「もちろん、お母様から伺った通り、あなたには可愛いお嬢様の育児もございます。ですから今すぐ即答してくれとは言いません。ご主人ともよくご相談の上、ご検討いただければと思います」

その言葉を聞き、イザベルは迷うことなく首を横に振った。

「いいえ、ぜひ私に引き受けさせてください!」

イザベルの瞳には、強い決意と優しさが宿っていた。

「確かに、国外にいる両親だと移動にどうしても時間がかかってしまいます。でも、私ならすぐ近くに住んでいますから、アンドレに何かあったときにも迅速に対応することができます。両親とアンドレの橋渡し役として、私にできることがあるなら、ぜひ力になりたいのです」

それに――とイザベルは微笑んだ。

「幼い頃から両親の代わりに、ずっとアンドレの面倒を見てきましたからね。私にとっても、あの子は可愛い弟なんです」

その言葉を聞き、モルヴァン先生とルフェーヴル先生は深く頷き、手続き用の書類とペンをイザベルに差し出した。

イザベルは迷いなく署名を済ませると、丁寧に書類を二人の先生に手渡し、頭を下げた。

「それでは、アンドレの件、卒業するまでどうぞよろしくお願いいたします」

手続きを終えたイザベルはふと時計を見てから、先生たちに尋ねた。

「あの……面談のあとで、少しだけアンドレと直接お話をすることはできますか?」

「ええ、構いませんよ」とルフェーヴル先生が答えた。「この共有スペースか、あるいはこの面談室でお話ししていただいて大丈夫です」

もっとも、ここで改めて第13条第2項の規定に思い至る。保護者であっても、第13条の原則に従えば異性の部屋に入ることはできない。その理由は、たとえ保護者であっても他の寮生から見れば「異性」にほかならず、何よりも他の寮生たちのプライバシーや生活空間の安全を守るためである。

今回の件を通じて、ハンドブックの第13条(異性の立ち入りに関する原則)を改めて読み返すと、どの境界線からが立ち入り禁止の「居住エリア」なのかが詳しく明記されておらず、どこか曖昧になっていたことが浮き彫りとなった。さらに、必要時の入室や緊急時の対応といった例外規定についても明確に記されていなかったことが分かる。

これからハンドブック全体の改正作業を行うことになるが、特にこの第13条については、より詳細に改訂――例えば「居住エリアへの立ち入りは原則として禁止とするが、緊急時や学校が認める正当な理由がある場合は例外とする」といった明確な基準を盛り込む必要があると、二人の先生は強く痛感したのであった。

「では、私がいま彼を呼んできますよ」

ルフェーヴル先生がそう言って席を立ち、扉を開けて出て行ったところで、イザベルと先生方の長きにわたる面談は温かな雰囲気の中で無事に終了したのだった。

最後の第13条の規定は、私もよく読んでみて、大雑把なことしか書いていなかったので、我ながらこれは誤解されやすい内容だと思いました。

そして作中クロードもイザベルに話していたように居住エリアの立ち入りは禁止されているというセリフから、後付けとして急遽入れました。

どんな内容になるのかはおいおい考えていこうと思います。

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