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リヨンの高校生たちの群像劇  作者: Red Baron
都市伝説の真実
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暴かれた都市伝説と大人たちの謝罪

学生寮の仕組みや規則の真実を知り、これまでの不安や誤解が綺麗に氷解したイザベルは、心からの安堵をため息とともに吐き出し、深く頭を下げた。


「先生方……本日は本当にありがとうございました。何も知らなかった私にここまで丁寧に教えていただき、不安だった胸のつかえがすっかり取れました。アンドレにも、正しい規則についてきちんと話して聞かせます」

イザベルの言葉に、ルフェーヴル先生は少し照れくさそうに、しかしどこか感慨深げな表情を浮かべて語り始めた。


「いえ……。実は、この『寮内での男女の会話や建物への出入りを巡る根深い噂』が存在していること自体は、私が舎監に就任した頃からうっすらと気づいてはいたのです。ですが、生徒たちの間に深く根付いてしまっているがゆえに、具体的な対策をどう講じるべきか、長年対応しあぐねていたというのが実情でした」


それを引き継ぐように、モルヴァン先生が静かに言葉を続けた。

「動き出すきっかけとなったのは、先週のことでした。ある一人の女子生徒から、寮の規則について直接相談があったのです。その寮生は規則を非常に正しく理解しており、さらに『生徒たちの間でどのような勘違いや、悪質な噂が飛び交っているのか』を私たちに具体的に教えてくれたのです。その上で彼女は、『この問題をこのまま放置すれば、いつか大きな誤解から生徒同士の間で深刻なトラブルや取り返しのつかない問題に発展し、学校自体が大変なことになってしまいます』と、私たち大人顔負けの強い危機感を持って訴えてくれました」


モルヴァン先生は少し目を細め、当時を振り返るように遠くを見つめた。

「その直後に、今回の土曜日のランベール君の件が重なりました。彼もまた、その誤解された規則を信じ込んでパニックに陥っていたのを聞き、私は『これ以上、この状態を放置してはならない。早急に抜本的な対応をとらなければならない』と痛感したのです」


そしてモルヴァン先生は、昨日行われたばかりの動静について明かした。

「昨日――月曜日の放課後に臨時の職員会議を開き、全教職員で協議を行いました。そこで決定したのが、以下の三点です。まず第一に、生徒たちの間で噂の種となった『過去の事件の真実』を隠すことなく生徒たちに説明し、誤解を解くこと。第二に、寮の規則について、全寮生に対して改めて正しく指導・解説を行う時間を設けること。そして第三に、必要に応じて規定の文章や表現も見直していくことです」


ルフェーヴル先生が、その理由をさらに補足した。

「規定の見直しを決めたのは、先ほどもお話しした通り、現在の文面には生徒たちにとって難解な表現や、前後の文脈が曖昧に感じられる部分が多く含まれていたからです。それが結果として彼らを混乱させ、このような尾ひれのついた噂を生み出す温床になってしまっていました。ですから、もっと分かりやすい言葉に改める必要があると考えたのです」


モルヴァン先生は椅子からゆっくりと立ち上がり、ルフェーヴル先生と共にイザベルに向かって真っ直ぐに頭を下げた。

「このような誤解を長年放置し、今回のような大きな不安をランベール君や、あなたのようなご家族に抱かせてしまったのは、ひとえに我々教師が規則をうまく説明しきれていなかった責任にほかなりません。教師として、そしてこの寮を預かる責任者として、心よりお詫び申し上げます」

二人の真摯な謝罪と、生徒たちの小さな声に真剣に耳を傾け、学校全体で改善に向けて動き出そうとしている姿勢を目の当たりにしたイザベルは、胸が熱くなるのを覚えた。彼女は慌てて手を横に振り、深々と頭を下げ返した。


「頭を上げてください、先生方。そんな……謝らないでください。そこまで生徒たちのことを真剣に考えて、自分たちの責任として受け止めてくださる先生方に、今こうして出会えて本当に良かったと思っています。アンドレがあの学校に入り、この寮で暮らすことができて、本当に心強いです。安心してお任せできます」

イザベルの表情には、不安や疑念の影は一切なく、温かな信頼の色と、穏やかな笑顔だけが浮かんでいたのであった。

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