第11話 走れ! 女の子
グランドに着いた俺が思ったのは
「そうか、人類は火星にたどり着いたのか・・・」
Gすら居なさそうなこの場所に俺は「人類をなめるな!」すら言えない、言える言葉は「学生をなめるな!」だな。
どれだけ放置されてたのか、ひび割れた大地に、草やら石やら何やらが転がり、ぼろぼろのゴールが置いてある。
荒れに荒れたこの場所で、彼女達はサッカーをしてれば、そりゃ怪我もする。
「じゃあ私たちは練習に行くね!」
「待て待て待てぇぇぇ!!」
猪のように突進して行こうとする女、才賀青葉を俺は止めた。
まだ学園で飼ってる豚の方が危険を考えるぞ、いやそもそも奴らは誰に似たのか動かないが。
「え?何?」
「何じゃない!こんな場所でサッカーをやれば怪我するのは当り前じゃないか!」
「「「?」」」
いや、疑問じゃなくて。てか、他の女子部員まで首を捻ってらしゃる!?
このクラブは脳筋しかいないのか!?
「今までよくケガしなかったな・・・」
「え?してるけど?ほら!」
そう言って、青葉は足を俺に向け、俺にばんそうこうが貼ってある小さい傷を見せた。
足について語れば、永遠と語れるが今はその時ではない、でも健康的で良い腿だった事は俺の記憶に焼け付けておく。
「違う、こんな足場の悪い場所で動くことが問題なんだ!今日はみんなで、この場所を掃除します!!」
「「ええー!!」」
「えー、じゃない!」
「私達、サッカーがしたいです・・・」
残念ながら俺は仏のバスケ部顧問ではなく、現在女子サッカー部マネージャー(仮)なのでそのお話は聞けない。
「いいか?擦り傷切り傷、ならまだいい(いやダメなんだが)下手に足の靭帯なんか切ってみろ、サッカーすら出来なくなるんだぞ!」
「「「・・・」」」
「自分の練習環境の場所すら整えられないやつが、本当に真剣にサッカーが出来るんですか?」
「「「!!!?」」」
「では、みなさん掃除を始めましょう!、三年生のみなさんは草むしり、二年生の方は石拾い、一年生は学園に戻り道具を持ってきてください!」
ダラダラ始めようとする女子サッカー部の面々に俺は一言付け加えた。
「俺も鬼じゃありません、もちろん掃除が終わったらみなさんで練習しましょう。ですが遅いと練習の時間が・・・」
「「「!!!」」」」
元気に行動する女子サッカー部達、そんなにサッカーが好きか・・・
だがこの後グランドに水を撒くのでサッカーは出来ないが、まあいい、俺はウソは付いて無い。
俺は携帯を取り出し学園と知り合いの土木屋と廃品回収業者に連絡するのであった。
◇◇◇
掃除も終わり、俺がグラウンドに水をまいた時の皆の絶望感は、信じていた者に生贄にされた様な顔だった。しかし、絶望するにはまだ早い、希望を持て、明日に煌めけ!
しかし、地獄の使者がここに居る、主に俺。
サッカーが出来なくても体は動かせる。
「これより筋トレを始める!!」
俺は制服の上着を脱ぐと、女子サッカー部を二人一組にさせストレッチを開始させた。
部員の人数は十一人、一人余るので俺は青葉と組む。
「青葉始めるぞ」
「え?あ、うん!」
俺がいつも朝やっている、筋トレを彼女達にもやらせることにした。
◇◇◇
「あっ・・・いや・・・だめっ・・・・」
俺の手が青葉に触れる
「んっ・・・あっ・・・いたっ!」
体の硬い部分に触れ、俺は一気に押した。
「ぎゃああぁぁぁぁ!!!」
ツボを押された青葉が叫ぶ、女が上げる悲鳴じゃない。
ランニングが終わり疲労困憊の青葉に俺はクールダウンも兼ねてマッサージをしていた。
エロくないよ?通報しないでね。
「みんなもこのマッサージ覚えておくと体が楽になります、後でプリントにして渡しますのでみんな覚えてください」
疲労が顔に出てるのか顔を赤くした女子部員が「はい」と返事をしていた。
流石は運動部、筋トレメニューにちゃんと付いて来れるとは、クールダウンを終へ時間も良い頃合いになり、部活は終了。
やはりスポーツ少女達は体の出来が違うな、しばらくグラウンドは使えないし明日はよりハードにしようと思いながら今日は家路についた。
◇◇◇
今日は俺の飼育委員の当番だが部活と委員会を中途半端にする訳には行かず、期間限定の女子サッカー部を優先することにした。
委員会の班のメンバーに休む旨をメールで書いている時、丁度委員会で同じ班になった、美咲が居たので、先ず美咲に詫びておく。
「美咲」
「・・・なに?」
「申し訳ないけど、今日俺は部活を優先させてもらう」
「・・・そう、わかったわ」
美咲は下を向きながら、相変わらず俺に目を合わせない。
まるで懐かないネコみたいだなと思い下を向いている美咲の頭を、ポンポンと軽く撫でた。
「・・・」
「じゃあ、またな」
一言言って俺はその場を後にする。
ちなみに、美咲の着ているどこで買ったかは分からないTシャツには「触るな下郎」と書いてあった。
・・・彼女の感情で文字が変わるとは思いたくない。
◇◇◇
女子サッカーのマネージャー、略して女子マネになり数日(息子は健在)、俺はこの時、前に赤羽先輩の言ってた学園の規格外に出会うことになる。
グラウンドも整い(クレイ舗装なのでめんどかった)これからサッカーの練習を本格的に出来るな、と思っていた。しかしグラウンドに居たのは、女子サッカー部員だけではなく男子サッカー部員もいた。
「今日より、このグラウンドは我々男子サッカー部が使わせてもらう!」
どこの三下のセリフだ?
「ふざけないで!ここは私たちが使ってるグラウンドよ!」
「ふん!生徒会に確認したが申請の受理はまだされてなかったぞ!」
ちっ、グラウンドが使えるように申請書を出したがどこかで止まったか?
俺も生徒会に確認するべきだったと今更後悔しても、もう遅い。
「お前達のような、記録も伝統もない同好会上がりには過ぎたグラウンドだ」
「くっ!でも今まで私達が・・・」
「むわあてててていいいいいいい!!!!!!」
地響きを彷彿させる声がそこら中に響いた。近所迷惑だ。
奴が来た、最終人間兵器が
「話は~聞かせてもらったぁ~」
いや、止めろよ!
「この世はぁ所詮弱肉強食ぅ~・・・弱いものが強いものに喰われるのは自然のせつりぃぃっ・・・だがぁ・・・弱き者が強き者を喰らいぃぃ!成長していくもまた、せつりぃぃっ!!」
「よって!!ここに七色部活対抗戦をとりおこなぅぅぅ!!!!!」
キャラ設定
才賀青葉
ゲーム:男子サッカー部のマネージャーとして部活に在籍、主人公がサッカー部もしくは一定以上の運動値があると出会うことができる。
がんばる人を応援するのが好きで、明るい性格で女の子らしく、にじメモでも人気のキャラクター。
追記:ファンディスクもある
パラレル:女子サッカー部に所属し、明るく元気な脳筋お腹ペッコリーナ。
サッカーが好きで自らやりたいと女子部に入る。
周りに気を使う遊人を見て心の中で『執事のセバス』と呼んでいる。




