第09話 青春豚野郎から脱出せよ
バンッ!!
「誰の妹が豚だ!!」
赤羽恭弥が机をたたき俺にキレた。
いや、言ってないから。
先輩の妹を雌豚にして飼うとか。
「それにな豚ってのは、意外と綺麗好きで、あの泥などは体を虫から守るものだし、平均体脂肪率は14%~18%で女性の平均体脂肪23%~32%と人間に比べて脂肪が少ないんだぞ!!」
どこかの銀のスプーンから得た知識を言いながら赤羽先輩が俺にキレる。
生徒会に居た女性が(美咲以外)下を向いた。
大丈夫ですよ、あなた達の脂肪も魅力です。(フォローになってない)
「それと比べ家の妹が!!」
お菓子をもぐもぐ食べ、ソファーに寝っころんでいる美咲を見る。
「それに比べ妹が・・・」
あくびをしながゲームをやってる美咲。
「・・・」
どこで買ったかは分からない、「乙女ゲーも乙ですな」と書いてあるTシャツを着ている。
「くっ!・・・好きにしろ!!」
どこの女騎士かと言いたいセリフを吐き、先輩は諦めた。
しかし今回はオークではなくポークを飼うので俺には効かない。
「でも友田君、なんで豚を飼うの?」
中学からの先輩大久保が俺に聞いてきた。
「飼うのは別に、豚でなくてもいいです。ニワトリでも、ウサギでも。」
そう、別に豚にこだわる気はない。ただ、趣味で牧場やっている知り合いがいるので「ロハで手に入るならいいかな~」と思ったに過ぎない。
「今回の議題は、『情操教育』です」
情操教育とは、感情や情緒を育み、創造的で、個性的な心の働きを豊かにするための教育、および道徳的な意識や価値観を養うことを目的とした教育の総称(ウィキさんより抜粋、おせわになってます)
みんなも子供の頃、何かペットを飼ったことはないか?
小学校の時、クラスや、飼育小屋で。
家でペットなどを、
すべての人間がそうだとは言わないが、やはり人は何かを守り、育て、共に成長していく。
今まで美咲は、ただ兄に守られる存在だった。
今回の委員会で守られる存在から、守る側になれればいいと思う。
その後は流石は生徒会、行動が早い。緊急で会議をはじめ書類に不備がないか、顧問の教員の選出、場所の確保、最後に豚ではなく、ウサギがいいと生徒会女子が言ってたが先輩の「いや、豚でいこう・・・」で飼う動物が決まった。
「この議題で、最後に異議、質問あるか?」
先輩の言葉に俺は「はい」と手を挙げた。
美咲を見ながら俺は質問した。
「赤羽美咲さん。いや、あえて美咲と呼ばせてもらう。この飼育委員会は、美咲への事情が100%だ。
だけど君が嫌だと、やりたくないと言えば、俺がこの件を無しにしよう。美咲、君はどうしたい?」
俺は美咲を見たまま答えを待った。
美咲は俺を見て、兄を見て、周りを見て、最後に下を向きつぶやいた。
「・・・やる」
・・・しゃべった
初めて声聞いたよ!?美咲が喋った!!やったー!!
どこかのアルプスの少女の様に俺は喜んだ。
「ああ、わかった」
俺は美咲の言葉に安堵し、先輩を見た。
「・・・そうか、では、今日の会議は以上にする、解散!」
「「「はい!」」」
先輩の号令で会議は終了した。
ちなみに美咲の着ている、どこで買ったか分からないTシャツには「さらば、青春ブタ野郎」と書いてあった。
そろそろツッコんでいいか?
◇◇◇
その後、俺と先輩は学校の屋上にいた。
相変わらず夕日が似合う男である。
コーヒーの宣伝とか行けるんじゃない?
ただ残念ながら先輩の手に持っているのは、イチゴ牛乳。
ホントに残念イケメンさんだ。
「・・・ありがとう、友田」
「まだ早いですよ」
本当に早い、何も始まってはいない、それに・・・
「・・・次は俺が美咲から離れる努力をしなくちゃな」
俺が言葉を紡ぐ前に先輩は自分の覚悟を口にした。
「・・・」
「情操教育、この言葉を聞いて初めて理解できた。
俺が美咲の成長を止めていることに、美咲に辛い思いをさせたくないと、あの頃の様に泣かせたくないと・・・
なあ友田、俺はまた間違えたのかな?」
「別に間違ったていいんじゃないですか?」
「・・・」
「俺たちは成長途中です、壁にぶつかり、間違い、泣いて、笑う、そして人生を楽しむ、空っぽの自分を満たしていく。
でしょ?」
そう、俺たちは成長途中で、俺は権じいのような悔いのない最後を迎えたい、だがこの世界がゲームだとするのなら、残りは三年しかない。
それでも、俺はこの人に会い、全力で残りを、残りの人生を走りきる事に決めた。
後悔しないように。
「・・・そうだな、ああ、そうだな!
俺たちは空っぽを満し、人生楽しむんだったな。
まったく、お前にはかなわないな・・・」
はははと泣き顔を笑顔に変えた
夕日を背にした先輩はとても絵になった。
赤羽恭弥ルート
完
◇◇◇
そんな事にはならない、俺はノーマルだから。
乙女ゲーというかホモゲーではない。
その後クラスで委員会の説明があり俺はクラス委員を押し付けられそうになったが、先輩の名前を出し飼育委員に決まった。
飼育委員では挨拶の後、まだ豚は届いて無く、昔使われてた設備を修繕改良清掃をして終わる。
もちろん美咲も参加だ、友達ができると良いんだが。
そんなある日、他のクラスとの合同体育の後、俺に声をかける女子生徒が来た。
「ねえ?君、サッカー部に入らないか?」
もうわかるだろ?
神様、どっかにいるならあんたに聞きたい、俺に何をさせたい?
もちろんヒロインである。
生徒会
私立七色学園の生徒会はには一風変わった生徒会独自のシステムがある。
『補助システム』
生徒会役員は実質的に五人までだが、その役員を補助するために補助員を指名することが出来る。
ほとんどの場合役員より後輩が指名され、仕事を教え、その後補助員が生徒会に入る。
以下今期役員
生徒会長:赤羽恭弥(3年) 補助員:赤羽美咲(1年)
副会長:田辺井沙也(3年) 補助員:管恵美(2年)
会計:大久保一郎(3年) 補助員:及川栄治(2年)
書記:江田美香(2年) 補助員:なし
庶務:榊健一(2年) 補助員:河北純一(1年)




