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弐漆話 夜にする話は昼より印象的に感じる。

 ラネットさんが戻ってきて積もる話はあるようですが、まずはロビィさんの話を聞こうということになりました。

 そして開口一番にロビィさんは自分の正体について話しました。


「ロビィはね……《運び屋》なの」

「運び屋?」


 しかし、ラネットさんにはそれがなんなのかはわかりません。

 私は……漠然としか思い浮かびませんが……


「つまり……運送業の人なのですか?」

「ううん。ちょっと違うの。ロビィ達は頼まれれば目的地までなんでも運ぶの」

「なんでも?」

「うん、なんでも。普通に物を運ぶことがあれば人を運ぶことだってするの。たとえそれが……」


 ロビィさんはいったん言葉を切ると少し怯えるように……


「合法ではないものだとしても、ね……」

「…………」


 そう言うロビィさんの表情は、形では認めても本当はそうしたくないって言っているようです。

 私がそう思っているだけかもしれないですけど……


「じゃあ、ロビィ達ってことはほかにもいるの?」


 ロビィさんのやってることがわかったラネットさんは先ほどの内容から気になるところを訊きだしました。


「そう、ロビィと仲間二人の計三人でやっているの」

「その仲間二人が今回囮となった人?」

「そ、そうだよ」


 そして、その仲間の片方がけがを負っている、という事ですね。

 ですが……一つ疑問に思ったことが……


「じゃあセーヴェさんは運ぶ対象で、そのために追手から護ってるんですね」

「う、うん……そうだよ…………」

「でも、なんでセーヴェ君を……護ろうとするのですか?」

「え?」


 ロビィさんは運び屋と言いましたけど、それならなぜ危険を冒してまでセーヴェさんを護っているのでしょうか?

 大事なのは理由じゃないと聞いたことがありますがそれでも命がけでやるにはそれなりの何かが……確固な何かがあると思うのです。

 私はロビィさんにそう問いかけるとロビィさんは少しだけ驚いて、考えていました。

 少し待つと、やがてロビィさんは口を開いて答えました。


「一つは……仕事の為なの。……ロビィ達運び屋は安全を第一に依頼品を運んでいるの。だからどんな状況であっても頼まれたら最後まで運ぶのが仕事」

「それが命を懸けてもですか?」

「ううん。それだけじゃないの」


 むしろこっちの方が主な理由かな、とロビィさんは前置きして言います。


「もう一つは……ロビィ個人の感情……」

「え?」

「これを言ったら私情を挟むなって怒られるけど……」


 ロビィさんは何かを思い出したのでしょうか、少し困ったように笑いながら言いました。

 その内容を聞いた私たちは……


「……素敵です。とてもいい言葉だと思います」

「そ、そう? は、恥ずかしいんだけど……」

「別に恥ずかしくなんかないわよ。なにかを思ってやっていくことも大事よ」

「は、はい……」


 ロビィさんは褒められた事に照れながら笑いました。

 とにかくロビィさんの事はわかりましたので……


「じゃあ、追っている人は誰なのか教えてくれる?」

「う、うん。いいよ……」


 一転してロビィさんはどこか気を引き締めたで懐から手帳を取り出しました。


「ロ、ロビィは仕事柄、運び屋の脅威になりそうなものは全部調べているの。だ、だから今回は運が悪くその中でも危ない人になってしまって……」


 ロビィさんは手帳からある項目を開くと、私の方に出して見せました。


「……この人は?」


 手帳に書いているのは細かく書かれている文字と一つの写真が張り付けられていました。

 私は文字よりも先に写真の方へ視線を向けました。

 その写真に写っているのは……


「…………!?」

「? 誰なのですか?」


 写真には一人の男の子が自動二輪車おーとばいに跨って走っている様子が写っていました。

 それだけなら普通だと思いますがそうではありませんでした。


「ちょっと待って、考えてるとこ悪いけどこれって絵なの!?」

「あ、ち、違うよ。これは写真って言って……えっと、どう説明すれば……」

「絵じゃないの!? たしかに絵じゃこんなに鮮明には書けなさそうだけど……!」


 ラネットさん写真が初めてのようでとても驚いていました。

 ロビィさんから説明を受けている間私は改めて写真を見ました。


 私と同じくらいでしょうか? 男の子は全体的に細身であり、深緑の野戦服を着ていました。

 頭にはよくわからないもの……なにか機械のめがねみたいなものと耳当てみたいなものをくっつけたようなものでした。

 それだけで普通とは違うようですけど決定的なのが……


「銃…………?」


 少年は耐熱手袋を嵌めた手で、片手運転をしながら拳銃はんどがんを握っていました。

 まさかこの人……


「う、うん。殺し屋、なの…………」

「「!?」」


 私の表情から察したのでしょうか、ロビィさんは恐る恐る写真の子の正体を言いました。

 するとラネットさんが驚きつつも覚えのある様子で言いました。


「こいつが……隊長が言っていた“迷い子”…………?」

「え?」


 今何か気になることを言ってましたが……


「ラネットさん……もしかして知っているのですか?」

「……ええ、そうよ。この里が半分だけ無事に済んだ理由の一つよ」

「え?」


 里が半分無事に済んだってことはわかりますが……

 その理由の一つがこの殺し屋さんなんですか?


「隊長……ああ、調査隊の事ね。その隊長の話によるとこの迷い子は下山するために里を出ようとしたら火蛇族サラマンドラの大隊に思いっきり絡まれたらしくてね、そのせいで大暴れすることになってしまったとか……」

「え、ちょっと待って。やっぱり里を攻めたのは火蛇族さらまんどらさんなの?」

「ええ、そうよ。でね、『邪魔をするなら容赦なくやるぜ』とかなんとか言ってきて思いっきり暴れたらしいんだけど……」


 ラネットさんは写真を不思議そうに眺めて言いました。


「妙ね。隊長から聴いた話と違うじゃない」

「え? 違うっていったい何が?」

「ええ。『人間と呼んでいいのか?』とか『まるで怪物のような奴だったよ』とかいろいろ言ってたけど、話に聴いた事とは全然違うわね……」


 その子が里が火蛇族さらまんどらさんと戦ったから里を護ることができたんですね。

 たぶん本人は考えてやったわけじゃないと思いますが……


「ううん……見かけで判断しちゃ、ダメ。ロビィたちは……こ、この恐ろしい殺し屋に苦戦しているの……」


 ロビィさんはそんなことない、と言うように手帳に書いている細かい文字を読み上げました。


「……ガンスロット・キノサキって名前の強襲系の殺し屋。主に移動中の要人を殺すことに特化。彼にはいくつもの危険な名前を持っていて、『強襲・殺し屋名鑑』では四番目に危険な殺し屋とされているの。そしてなにより移動中に強襲することにおいての任務での成功率は…………」


 ロビィさん?

 なんだかあんまり言いたくはなさそうなのですが……


「その実九十五パーセントを超えるとされ……一度目を着けられてしまうと確実に近い確率で殺されるという事なの……!」

「「…………!」」


 九割五分きゅうじゅうごぱーせんと……!?

 その言葉に私もラネットさんも驚いてしまいました。


「そ、そんな危ない人に、追われているのですか……!」

「う、うん。だけど、なんとかセーヴェ君をここまで逃がすことには成功したんだけど……」


 今度はロビィの仲間たちが……、と辛そうな様子でロビィさんが言います。


「そ、そんなに高い確率で殺すなんてその人間はそんなに強いの!?」

「う、ううん。強いこともそうだけど、成功率が高いのはそれだけじゃないの」

「それだけじゃ、ない?」

「なにより恐ろしいのは依頼に対しての絶対性…………一度殺すと決めたら絶対に逃がさないと追いかけ続ける、恐ろしい執着心の持ち主なの……」

「…………」

「たとえ自分が危なくなっても、どんなに割に合わない依頼であっても、引き受けた依頼は必ずこなす……そんな危ない人なの……」


 それは……

 内容は違いますけど少しだけ似ているとほんの少しだけ思ってしまいました。

 しかし……


 それでは……いけません……


 どんな理由があっても、それだけは許してはおけません。


「い、以上が、ロビィたちと追いかけている人の事についてだけど……わかった?」

「……はい。十分にわかりました」


 とにかく私は気分を落ち着かせると、今度はラネットさんが切り出しました。


「じゃあ、次は私ね」


 ラネットさんが窓から外を眺めて、改めてこの状況について説明しました。


 曰く、この里は昨日の夜、火蛇族さらまんどらさんの大軍に襲われたこと。

 それも、国境を通らずに突然近くから現れたために完全に対処が遅れてしまったこと。

 そんな悪条件が重なってしまって本来なら里が制圧されてしまってもおかしくないほどのものだった。


「でもね、不幸中の幸いと言うべきなのか、何とか里は制圧されずに済んだわ」


 その理由は主に三つあるようです。


 一つは水妖族おんでぃーぬさんが力を貸してくれたこと。

 やっぱり水妖族おんでぃーぬさんは強力なのでしょうか、そのおかげで風精族しるふぃさんや水妖族おんでぃーぬさんは負傷者はあれど死傷者はいないとのことですが……


「二つ目はね、ロビィ。あんたを追いかけてるらしき、迷い子の事よ」


 二つは迷い子である殺し屋さんの事です。

 たしか……ガンスロット・キノサキって名前でしたけど、どっちが名前なんでしょうか?

 ……とにかく、そのキノサキさんが火蛇族さらまんどらさんの大軍に対して戦ったらしいのですが……


 なんでも理由は先ほども言った通り里を出ようとしたら運が悪いのか、指揮官でもある将軍がいるほうへ走ってしまい、見つかってしまったとのことです。

 その時まではいくら水妖族おんでぃーぬさんたちがいたとしても、押され気味であることに違いはなく里の外側にまで侵入を許してしまったとのことです。

 そのせいでもあるのでしょうか、火蛇族さらまんどらさんの将軍はその人間を捕らえようとしたのです。

 もちろんキノサキさんは構わずに逃げようとしたのですが、その態度が気に入らなかったのでしょうか、火蛇族さらまんどらさんの兵士は執拗に捕らえようとしました。


 逆にそれが原因でキノサキさんが怒ってしまったようで……


「隊長が言うには『邪魔をするな! 風穴が開くぞぉぉぉおおおおおおおおお!!』とか怒ってたわ。まあ、なんの邪魔かと思ったらまさか殺し屋の仕事とはね……」


 それにより、写真の通りキノサキさんは恐らく銃で火蛇族さらまんどらさんの軍を圧倒してしまったようです。

 確かに浜辺の蛇男さんにも通用しましたし、強力すぎるくらいに強い武器なのですが……


「けど、妙なのよね……」


 ラネットさんは写真を見て不思議そうに呟きました。


「? 妙って何がですか?」

「ええ、その人間、本気で暴れたにしては随分と手加減してくれたんだなって……」

「「え?」」

「殺し屋って言うからにはもっと容赦のない人だと思ったんだけれど……」


 ラネットさんが言うにはキノサキさんと戦った火蛇族さらまんどらさんの兵士の皆さんは皆、軽かれ重かれ怪我を追っていたようです。

 しかし、怪我を負ったくらいで特に死傷者は出ていません。

 確かにそれは意外だと思いましたが……


「まあいいわ。それでね、そのことに怒り出したアローン将軍がその人間と一対一で戦いあったらしいんだけど……」


 とにかくその戦いがすごかったらしいとのことです。

 実際現場にはいなかったラネットさんには感覚的にしっくりこなかったのですが……


 そのキノサキさんと将軍が戦っている間、いろいろと戦況が大きく変わる事があったのですがそこは割愛します。


「実際アローン将軍とんでもなかったそうよ。最終的には小型だけど竜化したとか何とかで相当混沌とした状況になっちゃって……」

「えええ!? りゅ、竜って……ド、ド、ド、ドラゴンの事!?」

「さっきも言ったけど迷い子も迷い子で最終的には見た目が凄くなっちゃったらしく隊長曰く『怪物のようだ』ってかんじになったようで……」

「か……怪物!?」

「アローン将軍、ずいぶん派手に燃やしてくれたそうよ。火を噴くわ、周りをなぎ倒すわで……!」

「あ、ああ……ド、ドラゴンって本当にいたんだね……」

「迷い子の方も、速いわ素早いわで、強力な武器を使ってたらしいからかなり厄介だったそうよ。しかも竜化した将軍を投げ飛ばしたって報告があったわ」

「えええ!? ドラゴンを投げ飛ばした!?」

「まあいくらなんでも脚色しすぎだと思うんだけど……」


 ロビィさんの驚きとラネットさんの信じられない様子が交差しています。

 ところどころよくわからないのですが激しい様子であった事はわかりました。


 しばらくして、将軍と戦っていたキノサキさんは隙を見て逃げ去ったそうです。

 ロビィさんの言葉の通りなら第一の目標はセーヴェさんです。

 戦ったのはあくまで邪魔する人を払いのけるためとのことです。


 ですがキノサキさんが入ってきた事はとても大きなことであったようです。

 兵士の皆さんがほとんどやられてしまったのですが将軍の方もかなり削られてしまったようです。


 そして三つ目の理由なのですが……


「…………」

「? ラネットさん?」

「ど、どうしたの?」


 突然俯いて黙りこんだのですが……

 いったいどうしたのでしょうか?


「……ごめん。ちょっと私からは話すことはできない……」

「え? ちょっと待って……」


 ラネットさんが何故がその事を言いませんでした。

 話せないって、なぜなのでしょうか?

 私はラネットさんが何か隠しているような気がしたので訊き返そうとしました。

 しかし、


「なんで……」

「ただね、これら三つのおかげで火蛇族サラマンドラの軍は撤退していったから、里が無事になったってことよ……」

「…………」


 無理やり話を進ませて、終わらせてしまいました。

 私は、まだ納得していません。不安が残っています。


「ラネットさん」

「ん? なに」

「どうして話してくれないのですか?」

「そ、それは……えっと……」


 私はラネットさんを追求します。話はまだ終わっていません。

 ラネットさんは……なんだか落ち着かない様子です。


「ラネットさん。何か隠していないの?」

「……! なんでよ……なんでそう思うのよ」

「……何だかラネットさん、何かどうしようもないものを自分の中に収めようとしていない?」

「…………!?」

「なにか危険な事、考えてないの?」

「…………」


 なんだか今のラネットさんが少し不安なように見えます。


「う、うん。ロビィもなんだか……怖いと言うか、なんというか……こう、上手く言えないんだけどまるで……」


 ロビィさんは言いたい事がうまく言葉に表せなくてしどろもどろになったのですが……


「……そうよ。隠している事はあるわ」

「「!」」


 ラネットさんはあっさりと認めてくれました。

 しかし、


「でも、教えない」

「「!」」


 教えてくれないようです。

 ラネットさんはどこか申し訳がない様子で言います。


「ごめん……これは、正直理屈じゃないの。こんなこと……教えたくないの」

「……だめだよラネットさん。それでラネットさんが一人辛い事を抱えるなら、やっぱり話してほしい」


 ロビィさんの時とは少し違います。

 このまま放置してはいけないとどこかそう思うのです。


「私はラネットさんのことが心配です。だから話してください」

「…………!」


 ラネットさん……

 なにか思い出しているようで……嫌な事でしょうか。

 辛そうに顔をゆがませて……


「……ごめん。少し考えさせて…………」


 ラネットさんは落ち着いてくるとふらふらと部屋の入口まで言って、扉をあけると……


「……シャワー浴びてくるわ。部屋で待ってて……」

「あ、ラネットさん。待って……」


 バタン!


 ラネットさんは行ってしまいました。


「…………」

「…………」


 私もロビィさんもしばらく沈黙しました。

 私は……


「ちょっと深く、入り込みすぎたのかな……」


 あんまりこういう事は……よくわかりません。

 いえ、良くわからないと言うよりわかる自信がないのです。


 ラネットさんがなにか考えていました。

 その様子はある人に似ていました。


 あの眼は……あの顔は……まるで……


「だ、大丈夫。言わなきゃ駄目な事って……いっぱいあるから……」

「ロビィさん……」


 私が考えているとロビィさんは大人しげに話しました。 


「想ってることはね、何よりも言葉と言う形で表すのは大事な事なんだよ?」

「言葉……」

「自分の感情を率直に言葉にするのは勇気がいることだから……」

「……………」


 私の、ラネットさんへの想い。

 私はまだ、ラネットさんに言いたいことがあります。

 でも……


「もしも……言葉が原因で……言わなくてもいいはずがもっと悪くなったらどうするの?」

「そ、その時は……」


 その時は?


「さらに言葉を重ねて……修復すればいいの」

「言葉を、重ねて?」

「うん。でも、嘘はあんまりつけちゃ駄目だよ。そんなことをしたら取り返しがつかなくなるから……」


 言葉、ですか……

 私は先ほどラネットさんになんて言えばよかったんだろうと思いました。


 あれは……私を遠慮しているのでしょうか。

 だとするなら、別にもっと頼ってもいいはずですし……


 もっと私を頼ってほしいです。

 少なくても、私の知らないところでラネットさんが何か危ないことをしてほしくありません。

 だから……


「……行きましょう」

「え?」


 私は心の中にある一つの決意をしました。

 善は急げ、です。


「私、ラネットさんにどうしても言いたいことがあります。だから行きましょう」

「え、ええ!? 今から!? ちょ、ちょっと待ってよ!」


 私は後ろからのロビィさんの声に構わず、部屋を出て行ったのでした。

 ロビィさんも同じく私についてくる形で部屋を出たのでした。



          2



 ……皆、出ていったか。


 正直寝たふりなんて、かなりしんどい。


 ……今さら起きられんよな。


 けど……夢じゃあ、ねえんだよな。


 あの三咲ってねーちゃん見るからに嘘が苦手そうだしな。


 ……あのときはついカッとなって布団に入っちまったけど……


 ……本当に異世界が存在して、本当に妖精とかがいたんだな。


 じゃあ、あれ(・・)とかも関係があることなのか?


 ……まだ分からない。


 そもそも異世界云々はとにかくあの殺し屋自体が一種の信じられない奴だ。


 だが、オレは追われている。


 理由は……あれ(・・)目撃したオレの口封じ……


 ……死ぬのは嫌だ。


 ……だけど、オレのせいで人が死ぬのはもっといやだ!


 父さんも、母さんも、オレがあれ(・・)を話したばっかりに……!


 信じてはもらえなかった。


 当たり前だ。オレも半分信じられなかったからだ。


 でもオレの目撃を知ったあいつ(・・・)は広まってしまうのを恐れて……


 あれ(・・)を信じなかった父さん母さんだけど、オレが命を狙われていることは信じた。


 だから父さんは必死にありったけの金をはたいて……


 運び屋に、オレを安全な所まで運ぶように頼んだ。


 その結果、父さんは、母さんは、追手を食い止めるために運ばれるオレを見送って……


 そして、その運び屋も運転手が……


 なんで……なんでだ…………!


 なんでオレが……死ななくちゃならない……!


 なんでオレが大切な人を……死なせなくちゃならないんだ……!


 う……う………………う………………!

ラネットの秘めたこととは……

そしてセーヴェは……

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