第21話 そんな理由が
「(…………今は話せないから、ちょっと待って)」
「あっ、はい」
なんだか、悲しそうだったような…………
「…………花、ありがとう。私のことはもう気にしなくていいからね。花と喋れただけで嬉しい」
「うん……こっちこそ嬉しかった」
――ギュ
「もう、ずっと引っ付いてたらまたテストで点落とすよ(笑)」
「この前満点取ったもん」
「凄いじゃん!!でも、油断は禁物だよ(笑)」
「……佑香は相変わらずだね(笑)じゃあ、佑香の言うとおり勉強してくる」
「うん……ばいばい」
「…………良いんですか?もうちょっと話さなくて」
「…………良いの」
「そうなんですね…………」
「…………なんで私はあんたの部屋の地縛霊になったと思う?」
「え、そんな急に聞かれても…………」
「…………」
「えっと…………自分がだらしないからですか?」
「…………あながち間違ってないわね。私も、花と別れてからは、あん――優とほぼ同じ生活をしてた」
「え、今俺のこと――」
「い、良いから、話は最後まで聞きなさい!!…………それで、優のことを初めて見つけた時、目が離せなかった。それからしばらくの間、優のことを学校内で追ってた。それで、学校の地縛霊になってから外には出れないって思ってた。けど、出れたからそのまま、優の部屋の地縛霊になった」
「もしかして、自由に動き回れるのも…………」
「多分、そのせいじゃないかしらね」
あっ、点と点が繋がった気がする。
「色々、聞きたいことがあるんですけど、良いですか?」
「……良いわよ」
「七志さんが言っていた霊能力が本当だとして、それでも強力だってことは…………自分への執着心が強いからですか?」
「…………っ、そんなの知らないわよ」
「ええ…………というか、そんなに執着する理由って何でですか?」
「…………さっきも言ってたけど、優とほぼ同じ生活をしてた。休み時間は、優も行ってた空き教室で勉強して、ご飯もそこで食べる。そんな生活をしてた。だから、あの空き教室は穴場って知ってた。だから、優が授業を受けている間に鍵をこっそり取って、開けてた。私は、優が…………ほっとけなかった。だから、私を守護霊として見てくれているって言ってくれた時すごく嬉しかった。だから、他の女子と喋ってたら嫉妬したし、その…………今朝も、キス…………した」
「そうだったんですね――って、キス!?」
「(かわいい……(笑))」
「え、いつの間に…………」
――チュ
「え…………」
「私、優のこと……好き。ずっと…………優の側に居たい」
え?なんだ、この気持ち。七志さんは幽霊やで?幽霊にもこんな気持ちになるのか?
「…………早く答えてよ」
「…………俺も、七志さんのことが好きです」
「優…………」
「って、なんか下の方薄くなってません!?」
「え?本当だ…………」
「もしかして、成仏!?」
「そう、かも…………ねえ、優」
「何ですか?」
「…………私のこと佑香って呼んで」
「……ゆ、佑香さん」
「さん付けしないで……」
「……佑香」
「…………ありがとう。優なら、私が居なくても頑張れる。だから、これからも頑張って」
「…………今までありがとうございました」
「うん……頑張ってね。…………やっぱり、離れたくない。やだ、やだよ…………」
「…………」
――チュ
「え……」
「…………佑香さん、俺、しっかり佑香さんの分まで頑張ります」
「……優」




