第14話 許さない
「いい?私がここに戻ってくるまで、ここにいて。いなかったらあんたも呪うから」
「は、はい…………でも、離れないんじゃ……」
「そんなことどうでもいい!!とにかく、あんたはここで待っときなさい」
「わ……わかりました」
絶対に許さない。私には呪う力はないけれど、あそこまで言われたら気が済まない。
優と同級生をいじめる輩は絶対に許さない。
――1年前
「大丈夫?佑香ちゃん……」
「うん……大丈夫。あとは、先生に掛け合うだけだから……」
「それならいいのだが……湖苺見と俺もちゃんと手伝うから、何かあれば言えよ?」
「そうそう。いくら、他のメンバーが私と須慈だけだからって気を使わなくていいからね?」
「うん……二人ともありがとう」
私が……私が頑張らないと。二人には迷惑を掛けられない。私の公約のために……
私は、この高校で生徒会長に立候補した。これも、虚ろなだけの上を目指した結果だろう。
そして、「学校の雰囲気改革」を掲げ当選した。
まずは生徒会から変わらないといけないと思い、生徒会の雰囲気から変えていった。
この時の生徒会は3人しかいなかったけれど、これから生徒会に入るであろう人たちのために頑張った。
出来るだけアットホームになるようにした。その方が、仕事がしやすいだろうと思ったから。
そして、いざ学校の雰囲気改革に取り組もうとしたところで最後を迎えてしまった。
そんな、私の独りよがりに付き合ってくれたあの二人に久しぶりに会えて、
――本当に嬉しかった。
――本当にたくましかった。
だから、許さない。そんな2人を侮蔑し、挙句の果てには優のことまでも侮蔑したあいつだけは。
…………いた。
本当は、優のお姉さんのとき以来は使う気は無かったけど…………先生、体借りますね。
「帰るのか?」
「はい、帰るところっす」
「ちょっとだけ残れるか?話したいことがあって」
「全然良いっすよ」
◇ ◇ ◇ ◇
「…………何か言うことないか」
「えっ……どうしたんすか急に」
「何か話すことがあるんじゃないか?」
「べ、別に何もないっすけど……」
「本当に無いんだな?」
「だから、何もないですって!!」
「はぁ……」
「え?」
「さっき、礼阪のことをいじめてたやろ」
「え、あっ、いや…………」
「聞こえてきたんじゃ。お前が礼阪のことを侮蔑してた言葉がな。生徒指導部行くぞ」
「…………」
――2時間後
……中々、戻ってこないな。一応、適当な理由で生徒会の人らには納得してもらえたけど、ここにいることがバレたらどうしよ…………
「ただいま。……ちゃんと待ってたのね」
「流石に、待ちますよ…………あれだけ真剣に言われたら……」
「……そういえば、生徒会はどうしたの?」
「適当な理由を付けて休みました。空き教室の確認はしたことにして。まぁ、ここに居る時点でしたようなものですけど……」
「……そう、あんたなりに考えてるじゃない」
「というか、何したんですか?あいつに」
「別に、あんたが思ってる以上にシンプルなことしかしてないわよ」
「シンプルって…………手を加えてないですよね?」
「失礼ね。手なんか加えるわけないじゃない。大事になっても困るんだから」
「確かにそれは…………」
「…………あんたに対して謝らせようとしたけど、あの顔を見させたくなかったからやめといたわ」
「…………ありがとうございます。正直、七志さんがいなかったら泣き寝入りになってかもしれないです……」
「あんたも、反論できるようになりなさいよ。生徒会に入ったんだから」
「……はい」




