第12話 出会い
緊張する……人前で自己紹介なんか、入学以来かもしれない。今年は、学校が嫌過ぎて初っ端休んだし……
他の生徒会役員の人も優しかったらいいんだけど……
「あっ、来た来た」
「じゃあ、早速定例会を始めるか。最初は自己紹介からだな。礼阪、出来るか?」
「あっ、はい。えっと……庶務に任命?された礼阪優です。未熟者ですが、よろしくお願いします……」
パチパチ
「改めて会長の新島須慈だ。分からないことがあったら何でも聞いてくれ。生徒会唯一の男子だしな」
「私も改めて、副会長の大加湖苺見。趣味は、カフェ巡りかな。何でも聞いてね」
「……次は私かな?初めまして。生徒会書記の音塚琴葉。礼阪君と同い年って聞いてるから、生徒会以外でも何でも聞いてね。趣味は……作曲かな」
「会計の梓尾衣夏。琴葉と同じで2年生。生徒会に入った以上問題は起こさないでね」
先輩らは相変わらず、距離が近いな……というか、これまで男子は新島先輩一人だけやったんや。
音塚さんは、同い年に見えんくらいお姉さんって感じなんやけど…………本当に同い年だよね?不安になってくる……
梓尾さん、どこかで聞いたことあるような………………あっ、同じクラスにいたような……気がする、よく覚えてないけど…………
兎にも角にも、しゃべりかけづらそう……
「よし、自己紹介も終わったことだし各々仕事に入ってくれ。今日は会議内容がないからな。礼阪は、俺らと仕事しようか」
「「「はい」」」
「初仕事だから重い仕事はやめとこうか」
「あっ……お気遣いありがとうございます……」
「もう、そんなかしこまらなくていいんだよ?」
「そうだな。せっかくの仲間なんだから、タメ口でもいいぞ(笑)」
「いや、出来ないですって……」
「まあ、徐々に慣れていったらいいさ。で、仕事なんだがこの資料をパソコンに落とし込んでくれるか?」
「……はい、わかりました」
うわ、結構な文章量あるな。打ち間違えないようにしないと…………
「ふんふん~♪」
「ことは、また鼻歌歌ってる。集中できないからやめなって」
「ごめんごめん。つい歌っちゃうの」
「はぁ、気を付けてよ」
「音塚はいつもご機嫌だな(笑)」
「そうでしょ、須慈先輩」
音塚さん、作曲が趣味って言ってたから、自然に出るのかな……?
にしても、あまりにも普通過ぎてびっくりしてる……こんなもんなの?生徒会って……
あかんあかん。集中しやんと。
――数分後
よし、このページに誤字はなし。いつの間にか、静かになってる…………そういえば、七志さんはどこに――
――笑ってない?
すぐ顔を背けられたから見えんかったけど、なんか笑ってたような……?気のせいかな。気になるけど、確認のしようがないし仕事に戻るか……
「……っ」
え?え?何が起きた?突然、くすぐられてんやけど……先輩らか?…………いや、違うっぽいな。手の届く距離でも無さそうやし、明らかに集中してる。じゃあ、音塚さんか梓尾さんか?いや、そもそも違うところで仕事してるからありえない。え、じゃあ残るのは…………
「……何よ、そんなジロジロ見て」
七志さんしか居ないよな……
でも、こんな静かやと小声でも話してるのがバレる………………あっそうや、パソコンで打てばええんや。
「(さっき、俺のことくすぐりました?)」
「は?何のこと?」
「(くすぐれるの、七志さんしかいないですよね?)」
「そんなことしてないで、仕事しなさいよ。まだ残ってるでしょ」
「ん?礼阪君どうかした?虫でもいるの?」
「あっ、いや何もないです……」
「何かあったら言ってね?」
「ありがとうございます……」
やべ、油断してた。そうやん、別に声出てなくても他人から見たらあらぬ方向を見てるやばいやつやん…………完全に見落としてた。
「ほら、言わんこっちゃない。早く集中しなさい」
「(はい)」




