第10話 ドタバタ
数日間、ここで勉強してるけど…………また最近集中出来んようになってきた。
――なんか……近ない?
いや、教えてもらうならこの近さでもおかしなことないけどさ、そうでもないのに近いし、息が頭にかかってるんやって…………暖かい。幽霊はてっきり冷たいもんやと思ってたけど、暖かいんや。そういえば、膝枕の時もほんのり暖かかったような……?
……なんか、暑なってきた。上着脱ご。
というか、幽霊って呼吸するんや。初めて知った……
そういえば、さっきから七志さん一言もしゃべってないような……
「あっ……」
「ちょ……ちょっと、どこに顔当ててるのよ!!」
「ご、ごめんなさい!!」
「この、ド変態!!」
気配が消えたと思ったら、まだ同じ体勢やったんかい……
気づかずに、肩付近にあたってもうた……
「(……もう)」
「――ここが開いてるって噂があるらしい」
えっ?誰か来る?
――ガラガラ
「あっ、ホントだ。開いて……って、うわ!?びっくりした」
「湖苺見……君の声にびっくりしたよ。
……で、君はこんなところで何してるんだい?」
「あっ……勉強してました。……教室はうるさくてできないもんで。だめでしたかね?」
「だめじゃないんだけど、勝手に鍵が開いてるから調べてほしいって生徒会に依頼が回ってきてね。それで来たんだ。君が開けていたのかい?」
「いえ、自分が来る前から開いてましたけど……」
「え……心霊現象!?」
「こもみ、そんな訳ないだろう……」
「絶対そうだって!!須慈、怖い……」
風貌からするに、生徒会長と副会長かな……?というか、鍵って元から開いてたんじゃなかったんや。
にしても、この2人付き合っているって噂やったけど、本当っぽいな。
「あはは、ごめんな。驚かせてしまって……」
「いえ、大丈夫です……」
「勉強は友達としなくていいのかい?」
「俺に友達はいないんで……」
「……そうか。嫌なこと聞いたな」
「いえ――」
「じゃあさ、今から友達になろうよ!!」
「え……?」
「……それもそうだな。一人もいないより良いだろう」
「それで、私たちが勉強教えたら、一石二鳥じゃない?」
「一石二鳥ってどういう……」
「勉強法の一つに、『ファインマン・テクニック』っていうのがあるんだ。いわゆる、人に分かりやすく教える勉強法のことだ。俺たちはそれで勉強してきたんだ」
「そうそう、この勉強法だったら私たちに敵う者はいないよ!!だから、君もどうかなって」
「それは言い過ぎな気もするが……だから、どうだ?生徒会には他にも2年生はいるし、いいと思うぞ?」
「……自分なんかがいいんですか?」
「もちろん、大歓迎だぞ?」
「あっ、そうだ!!ついでに生徒会にも入ろうよ。生徒会に入ってないのも気まずいだろうし」
「え……?」
「……どうだ?副会長はこんな感じだが、君が良ければ、俺も大歓迎だ」
「自分なんかが生徒会になんか入れないですよ……友達もいないぐらいなんですよ?それに、成績も悪いですし……」
「そんなの関係ないじゃん。ね?須慈」
「ああ、そうだな。生徒会に、成績も友達の有無なんて関係ないさ」
「…………考えておきます」
「やったー!!生徒会室で待ってるね」
「まだ、入るって言ってないだろう……あっ、そういえば名前を聞いてなかったな。俺は、新島須慈」
「私は、大加湖苺見」
「礼阪優です……」
「じゃあ、勉強頑張ってね~」
「あっ、はい……」




