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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ラグーン学園三年生三学期

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1790/1791

第1790話 別れと再来

 公国生誕祭二日目のビッグイベントを無事終えて、皆でラグナロッツァの屋敷に帰ったライト達。

 この日は皆でカタポレンの森のコテージに泊まろう!という話になっていた。


 ラグナロッツァの屋敷から早々に皆で移動し、コテージで晩御飯を食べてお風呂にも入る。

 そしてリビングで全員が『人をダメにするクッション』にそれぞれ身体を埋めて、ふぅー……といううっとりとした声があちこちから漏れていた。

 シャーリィなど、自前の『マスターパレン抱き枕』を持参して「あァン……このクッションと抱き枕をいっしょに使うの、サイコーに気持ちいいんですけどぉーーー……」と呟きながらそのまま寝落ちしてしまったくらいだ。


 レオニスを含めて、皆あっという間に『人をダメにするクッション』で寝てしまった。

 そんな中、一人だけラウルがふと起き上がり、ライト達皆に毛布をそっとかけて回っていた。

 このコテージ内は暖炉で暖めているので寒くはないが、それでも一月半ばは朝晩が冷え込む。

 ラウルがかけて回っていた毛布は、皆が風邪を引かないように、というラウルの配慮である。


「さすがのご主人様も、今日ばかりは疲れたか」

「ライトもご苦労さん」

「マキシ……またちょっと太ったか?」

「おぉおぉ、ラーデ、涎が垂れてるぞ?」


 ラウルが一人一人に声をかけながら、『人をダメにするクッション』に埋もれている者達の身体にそっと毛布をかける。

 そして最後はシャーリィ。パレンの抱き枕に頬ずりしながら、実に幸せそうな寝顔をしている。

 ただし、巨大な『人をダメにするクッション』の外にはみ出そうな程度には寝相が悪いのだが。


「ククッ……相変わらずシャーリィの寝相は酷ぇな」


 シャーリィの寝相の悪さに、ラウルがくつくつと笑う。

 抱き枕を腕と脚の両方でガッチリとホールドして離さない彼女の身体の位置を、ラウルはそっと直してやった。

 それから毛布をかけてあげたラウル。

 シャーリィの頬をそっと撫でながら呟く。


「……お前もプーリアの里にいた頃に比べたら、だいぶ変わったもんだよなぁ」

「あの里でも人気者だったお前が、何故里を飛び出して人里になんているのか……俺にはさっぱり分からなんだが。今こうして改めてお前の顔を見ると、何となく分かるような気がする」

「シャーリィ……お前も人里に出て、あの里では決して得られなかったたくさんのものを手に入れたんだな」


 ラウルの数少ない幼馴染の頬をそっと撫でるラウル。

 その顔はとても優しく、まるでやんちゃな妹を愛でるようなの眼差しだった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 翌朝の午前六時。

 ライト達は全員起きて、コテージで食事を摂った。


「あー、ラウルの料理を食べられるのも今日で最後なのねぇ……」

「おう、だから今のうちにたらふく食っとけよ」

「ラウルってば、分かってないわねぇ? 今たらふく食べたら、夕方のパレードに影響しちゃうでしょ!……だから、また来年の楽しみにとっておくの」

「さいですか……ま、好きにしてくれ。後でまたホールのアップルパイを何個か持たせてやるから」

「ありがとーぅ♪」


 美男美女のプーリアが交わす愉快な会話に、ライト達も思わず笑顔になる。

 ラウルとシャーリィがラグナロッツァで再会して二年。

 彼女が公国生誕祭にレオニス邸に泊まるのも二回目になるが、年を追う毎に(わだかま)りが解けていく様を見るのはライト達としても嬉しい限りだ。


 そして六時半になり、シャーリィが『暁紅の明星』に帰る時がきた。

 ラグナロッツァの屋敷に送っていくナイト役はラウル。

 帰るべき場所に帰るシャーリィを、ライト達は全員で見送った。


「シャーリィさん、ラグナロッツァに来た時にはまた遊びに来てくださいね!」

「ありがとう、小さなご主人様。冒険者ギルド総本部のお店で購入した銅像の引き取りがあるから、また近いうちに会えると思うわ。その時もまたよろしくね」

「今年のパレードは見に行けるかどうか分からんが、頑張れよ」

「大家さんもありがとう。ラウルのこと、よろしくね」

「シャルさん、次にいらした時にはラウルの昔話をもっと聞かせてくださいね!」

「ええ、いいわよ。マキシ君が知らないことをたーくさん教えてあげるわね♪」

『我もいつまでここにいるか分からぬが……また其方と会える日を心待ちにしていよう』

「ラーデ君……貴方も療養頑張ってね。貴方の完全回復を、私も遠い地から祈っているわ」


 一人一人と別れの挨拶を交わすシャーリィ。

 ライトとマキシには頭を撫でて、レオニスとは握手を交わし、ラーデにはギュッとハグをした。


「じゃ、そろそろ行くぞ」

「ええ。……皆、またね!」


 ラウルの呼びかけに、シャーリィも転移門に入る。

 シャーリィはずっと手を振りながら、転移門の瞬間移動で消えていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 シャーリィが帰路についてから約三十分後。

 見送りに出たラウルも既に帰宅し、畑でのんびりと収穫をしていた。

 レオニスは朝食を摂る前に森の警邏を軽く済ませていたし、ライトも魔石回収のルーティンワークを終えてマキシとともにラウルの畑仕事を手伝っている。

 ラーデは家の向こうにある焼却炉で、貝殻を焼く最中の火の番をしている。


 ライトやレオニス、ラーデはともかく、マキシまでずっとカタポレンの家に留まるのは珍しいことだ。

 それというのも、今日は公国生誕祭以上に重要なイベントが入っていた。


「ラーデのお迎え、そろそろ来るかな?」

「朝早くに来るっつー約束はしといたがな」

「人族以外は、時計で時間を知るという習慣がないですからねぇ……」

「……ま、そのうち来るだろ」


 畑の果樹、桃や林檎を収穫しながらのんびりと会話するライト達。

 皆で誰かを待っているようだ。

 するとここで、ラウルから収穫したばかりの大根の洗浄を頼まれていたレオニスが水魔法を止めて、つい、と空を見上げつつ声を上げた。


「……おい、皆、お出ましだぞ」


 レオニスの呼びかけに、ライト達三人も空を見上げた。

 その次の瞬間、空に大きな魔法陣が現れて何者かが降りてきた。


『父上はどこだ?』


 神々しいばかりに眩く光る魔法陣から出てきたのは、ラーデの第三子にして末子のサマエルだった。

 サイサクス大陸一の美姫、シャーリィさんとのお別れと次のゲストの再来です。

 今回シャーリィが来たのが第1768話、21話も滞在してましたか(゜ω゜)

 ま、ここら辺かなり長引いたのは前半で『暁紅の明星』の団長クレールさんの訪問があったり、レオニスの腕相撲大会なんかもやってたせいなんですが(´^ω^`)


 そして、シャーリィさんと入れ替わりでサマエルの登場。

 久しぶりの登場ですが、相変わらず尊大な子だ…( ̄ω ̄)…www

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