第1791話 サマエルの意外な一面
空から現れたサマエルがゆっくりと地上に降りてきて、ライト達がいる畑に降り立った。
サマエルの後ろには、左右に一体づつの天空竜が控えている。
主であるサマエルの方が天空竜よりも格段に強いが、主の護衛のための側近として付き従っていると思われる。
そしてサマエルが恭しくラーデの前で傅き、背後の天空竜二頭もそれに倣い翼を折り畳み頭を垂れた。
『父上、おはようございます。お迎えに参りました』
『うむ、ご苦労であったな。其方が住まう天空島の者達は皆息災か?』
『はい。おかげさまで恙無く過ごしております。これもひとえに父上のご威光の賜物です』
『フフッ、今の我にそんな力などないがな』
和やかに会話する父と子。
そこだけ見ていると実に平和で長閑な光景だ。
そしてここで、サマエルがその背後や肩、腕にいる子達に声をかけた。
『さあ、お前達も私の父上にご挨拶しなさい』
「「「「ハイ♪」」」」
サマエルの呼びかけに、元気良く答える子達。
それは、南の天空島に住まう使い魔達だった。
「ワウッ!」
「「「「こんにちは♪」」」」
「ラーデおじい様、お久しぶり♪」
サマエルの背後や翼、肩などにくっついていた使い魔達が次々と前に出てきて挨拶をする。
白妖狼はザフィエル、唐種招霊は『シャティエル』、芍薬はファヌエル、白詰草はラティエル、躑躅はイオフィエル、女性型のジンはルヒエルがサマエルとともに来ていた。
『おお、今日は伴の者がたくさんいるのだな』
『いいえ、これでもほんの一部なのです。本当は全員連れていきたいところなのですがね……さすがに全員で押しかけるのは迷惑になるから、一種族につき一体にしなさい!とリン姉様に言われまして』
『う、うむ、ま、まぁ、そうだな……ましてやファフニールのところには、生まれて間もない子もおることだしな。あまりに大人数で押しかけるのはよろしくないだろう』
『ええ、リン姉様にもそう強く言われまして。私としても、素直に従った次第です』
サマエルの言い分に、ラーデが若干引いている。
今の南の天空島には、使い魔の卵から孵化させた精霊やもふもふ達がたくさん暮らしている。
他にも同種の使い魔が南の天空島にいるが、今日ここに連れてきたのは全て一番最初に孵化した子達。
言ってみれば各種族の長男長女のような立場であり、今日はそれぞれの種族を代表して随行してきていた。
本音で言えば、精霊達全員に分け隔てなく愛情を注ぎたい!とサマエルが思うのも分かるが、さすがに今日は全員を連れてくることはできなかったようだ。
お出かけに先んじてサマエルに釘を刺しておいた姉のリンドブルム、グッジョブ!である。
そして今日、サマエルがラーデのもとを訪ねてきたのには理由がある。
それは、今日と明日という二日間の日付に意味があった。
『しかし……父上があの空の監獄から解き放たれてから、明日で一年が経とうとしているのですね』
『ああ……月日が経つのは本当に早いものだな』
『明日の善き日を寿げるのは、私としてもとても嬉しいことです』
ラーデとサマエルが感慨深げに話す。
そう、去年の公国生誕祭最終日は邪竜の島の討滅戦が急遽行われた日。
非常に厳しい戦いだったが、人族と天空島勢の連携と奮闘のおかげで何とか勝利を収めることができた。
そして邪竜の島の殲滅が叶った公国生誕祭最終日翌日には、それまでずっと囚われていた皇竜メシェ・イラーデは完全に解放された。
この両日を『皇竜解放記念日』『ラーデの誕生日』として、ライト達全員で祝おう!ということになっていた。
そしてラーデの誕生日を祝うとなれば、ラーデの家族達の存在を欠かすことはできない。
ラーデの直径の三子、長男ファフニールに長女リンドブルム、次男サマエルに先日宇宙空間から帰還した妻メテオリタ。
全員が揃ってこその誕生日会となるのだ。
ただし、ファフニールには先日卵から孵化したばかりの第一子、冥龍ヨトゥンガルズがいる。
幼子がいる家庭に大人数で押しかけるというのは、非常に迷惑な話だ。
なのでライト達は、ラーデとともに一生懸命あれこれと考えては計画を立てた。
まず、ラーデの誕生日は関係者全員で祝いたい。
ならばファフニール達が住まう不思議の森に行くのは、誕生日当日の明日が良い。
そして何と、今年の曜日は非常に都合の良いことに公国生誕祭最終日は土曜日。その翌日の一月十九日は日曜日となり、ラグーン学園も休日となるのだ。
こんな絶好の機会は、夏休みや春休みなどの長期休暇以外でもなければ滅多に得られない。
ならば!公国生誕祭最終日にラーデ達と不思議の森におでかけして、その日はラーデ達はファフニールさんちの洞窟で家族水入らずで過ごしてもらおう!
でもってライト達は不思議の森のどこかでキャンプでもして、夜になる前に不思議の森を探索しよう!
そして次の日に、皆で集まってラーデの誕生日を盛大にお祝いしようね!
という流れに決まっていた。
『では父上、参りましょう』
『うむ。レオニス達とは、中央の天空島で落ち合うのだよな?』
『はい、そういう話になっております。……人間よ、あまり私達を待たせるなよ?』
『問題ない。中央の天空島には、俺達の方でも転移門を設置してあるからな。転移門で移動すりゃひとっ飛びだ』
相変わらずライト達下々の者には尊大な態度のサマエルに、花の精霊達が『パパ様、それじゃダメー』『もっと優しくしてー』『仲良くするのー』と口々に言いながら、サマエルの頬をペチペチと叩いたり耳たぶを引っ張ったりしている。
ただし、叩くと言っても彼女達は体長10cm前後の小さな精霊なので、ペチペチ叩かれたところで痛くも痒くもないのだが。
そして花の精霊達は、皆顔を顰めて頬をぷくーっ!と膨らませたり口を尖らせている。
サマエルがライト達と仲良くしてくれないことを、彼女達なりに不満に思い怒っているようだ。
一方で叩かれている方のサマエルは『 ……イテッ、こらッ、シャティエル、おいたをするんじゃありませんッ』『ンガッ!? ラティエル、耳を引っ張るのはやめなさいッ』と困惑したように花の精霊達を諌めている。
しかし、口では文句を言いながらも決して花の精霊達に手を上げたり乱暴なことはしない。
あのサマエルにしては意外なことだが、もしかしたら南の天空島でのサマエルは使い魔達に激甘なのかもしれない。
いたずらっ子の花の精霊達を何とか両手でとっ捕まえて、全員を無理矢理胸元に押し込めた。
サマエルの服の胸元に収まった花の精霊達。カンガルーのお腹の子供よろしく、四人並んでちょこんとおとなしくしている。
『……では父上、リン姉様のもとに参りましょう』
『うむ。……大家さん達もまた後でな』
「おう、こっちも行くぞー」
「はーい!」
サマエルがラーデに向けて両手を広げ、ラーデもそれに応えるようにふよふよと飛んでいく。
そうして腕の中にぽすん、と収まったラーデを抱き抱えたサマエルの頭上に再び大きな魔法陣が出現した。
サマエルと護衛の二体の天空竜が魔法陣の中に消えていき、ライト達もラーデ達を見送った後に転移門で中央の天空島に移動していった。
うおおおおん、ここ数日毎日のように晩御飯後に寝落ちしてる潟湖ですぅー><
今日は一日中雨降ってる中ずっと出かけてたので、身体がマジしんどい……今日も遅くに晩御飯食べてちょーっと横になったら、あっという間に寝落ちして先程目が覚めましたん><
というか、今回何で投稿がこんなに遅れたかって、連日寝落ちからの深夜目覚め以外にも理由がありまして。
それは『公国生誕祭の曜日』問題。
公国生誕祭=三日間の公休なんですが、それ終わったらライトのラグーン学園も普通にまた始まるし。ラーデのお誕生日会をするなら、公国生誕祭最終日にやっておかなくっちゃね!……と作者は思ってたんですよ(=ω=)
でーすーがー。改めて時系列メモをよくよく見返したら。
今回の公国生誕祭最終日、土曜日ジャマイカ…( ゜д゜)…
うわーーーーーん!失敗したーーーーー!
これなら公国生誕祭最終日も普通に丸一日過ごせて、その次の日の日曜日にお祝いできるじゃんかよーーーーー!
馬鹿バカ馬鹿バカ私のバカーーーーー!何でちゃんと曜日確認しとかなかったんじゃーーーーー!!!!!
……と、布団の上で激しく悶絶してまして。
これをどうリカバリーしていくか、リアルで足掻き続けておりました(;ω;)
結果、リカバリーできてる気など全くしないんですが。
もう白旗を揚げながらアキラメロンを食うか!とばかりに開き直り、ライト達に『不思議の森にお泊まりキャンプさせる』ことにしました。
すまんのぅ、ライト君達よ。作者がポンコツ過ぎるばかりに、君達に尻拭いさせちゃうわ><
でもさ、君達も大好きな冒険できる訳だからさ。許してね?☆(ゝω・) ←全然反省してない




