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俺が生きる理由は、身の回りのものを全部きれいにして消毒することだけだ!  作者: ニシキ
第1章 この世界をきれいにする俺の仕事が始まる

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放棄する

ギルドから情けなく逃げ出した後、リテンの町をぶらぶら歩いていた。


俺がいた場所とは違って、あっちでは登録料なんて払わなくてよかったのに。

金がないなんて言えなかった。女の子の前で恥をかきたくなかったんだ。


すっかり暗くなり、もう夜だというのに、泊まる場所はまだ見つからない。

どんどん気持ちが沈んでいく……地元の町に帰ろうかと考え始めている。


そもそも、冒険者になんてなりたくもなかった。あいつら、まともな生活をさせてやるとか言って、俺を脅してきたんだ。

それに、今さら家に帰ったところで……きっと家族に笑われるだけだ。

いや、まだだ。行けるところまで行ってやる!


顔を上げると、店の看板が目に入った。

怪しい魔道具店か……ちょっと入ってみようかな。


店の中は棚でいっぱいだ。

武器やポーション……へえ、あそこにはすごく大きな剣がある。

棚の向こうから、楽しそうな話し声が聞こえてくる。


指輪をいくつか眺めていると、隣に女の子が立ち止まった。


「何か探してるんですか?」


店員さんかな。ショートヘアで、胸もかなり大きい……。

優しそうで、おとなしい感じの女の子だ。


「あ、ちょっと見てるだけです……」


「何かあったら、声をかけてくださいね」


俺は弓をぎゅっと抱きしめる。


めちゃくちゃ腹が減ってる。

店員さんが立ち去ろうとした時、思い切って声をかけた。


「あの……! 実は……売りたいものがあるんです」


「はい、何を売りたいんですか? 状態が良ければ、何でも買い取りますよ」


「これだ」


「うーん……綺麗な弓ですね。ちょっと見てもいいですか?」


「ああ」


弓を渡した瞬間、心の中で何かが「やめろ!」って叫んでいた。


この弓にはもっと価値があるんだ。高いからじゃない。思い入れがあるからだ。

相棒を簡単に手放せるわけがない!


「あの……そろそろ手を放してもらえますか?」


「あ、すみません!」


なんだか、本当に自分の一部を失ったような気分だ。

そのまま彼女の後を追ってカウンターまで行くと、さっそく査定が始まる。


この弓には少なくとも10のエンチャントがかかっているはずだ。


数分間の査定の後、彼女は俺を見る。


「うーん……確かにいい弓ですね。いくらで売りたいですか?」


「いくらで買い取ってもらえますか?」


「そうですね……10,000リラで買い取れますよ」


この弓がいくらしたのか分からない。もっと高く売れるのかも分からないな……。

これを売ったら冒険者として働けなくなるし、金がなきゃギルドにも登録できないし、飯だって食べられない……。


「あの……売りたいのは山々なんですけど……もう少し高く買い取ってもらえませんか? 本当にお金が必要なんです」


必死にお願いしてみる。

悲しそうで、守ってあげたくなるような目で彼女を見つめると……店員さんは少し頬を赤らめ、わざと厳しい顔でうなずく。


「ふ、ふん……しょうがないですね。今回だけですよ? それに、この弓は本当に特別ですからね!」


「マジで!? ありがとう!」


勝った!……けど、同時に負けたな。

女の子は弓を持って奥へ行ってしまった。

今さら後悔なんてしてられない。


大切なものを失うのは痛いけど……金が必要なんだ。

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