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俺が生きる理由は、身の回りのものを全部きれいにして消毒することだけだ!  作者: ニシキ
第2章 今、俺は使用人だ。

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怪我

ズシンッ!



太い大木が地面へと倒れ込んだ。

切り口は綺麗とは言えず、まるで寿命で倒れたかのようだった。


「倒れた……」


二人の少女が固まったまま言った。

小枝の割には、思ったよりも上手くいったな。


「今の、一体……?」


ぼうぜんとしたお嬢様が尋ねる。


「これがエンチャントの力さ」


「う、嘘でしょ……これをあなたが?」


「はい!」


「どうやって? あんなすごいエンチャント、今まで見たことなかったわ」


「簡単だよ。円の中に何を書くかを知っていればいいだけさ」


「いや、いや、そんなに簡単だとは思えないけど……」


お嬢様はまた、冷静さを失いかけた。


「お嬢様がよければ、教えてあげてもいいけど」


「……いいえ、自分で学ぶわ」


「ああ、悪かった。余計なことを言ったな」


その時、ユレがいつもの感情の読めない表情で戻ってきた。


「あの木、寿命で倒れたようにしか見えない」


「そんなことない! ……お嬢様、そろそろ屋敷に戻る時間だ」


「ん」


激しい嵐が近づいてくる。

何も言わず、俺たちは屋敷へと歩き出した。

その時、ユレの何かが気になった。


「ユレさん」


「何かご用ですか?」


「その手、どうした?」


ユレが足を止め、自分の手を見つめる。

そこには新しい切り傷が見える。おそらく、あの小枝で切ったのだろう。


「切った……いつの間に」


「さっきの枝だな。手を貸せ」


治癒魔法は得意じゃないが、この小さな傷くらいなら治せる……。

ユレの手は小さくて、とても柔らかい。


「よし」


「ん、ありがと……。手、離して」


「っと、悪い!」








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