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その6

ー バキン!

ー ドン!

ー ズシン!!


大地に響く激しい衝撃音!

28号とDr.アリマのぶつかり合いは続いていた。


『よく、ここまで頑張ったものだな』


戦いの決着の時は近づいる


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」


息も絶え絶えの28号


「休んでんじゃあ……ねぇよ……」


決定打を与えられない28号はジリジリと追い詰められてた。


Dr.アリマが人造人間(ホムンクルス)を作成する際に設けた安全装置の影響が戦いを長期間させていた。

人造人間の安全装置

それは《Dr.アリマに攻撃出来ない》と言うものだ


今でこそ人外の力を得た、Dr.アリマだが

人間の頃は、遥かに強い人造人間達がアリマに反旗を起こさぬ様にDNAへ組み込んだ、抗えないプログラム。


28号の攻撃はバスれる訳では無く

無意識に違う方向に攻撃してしまう。

先程、岩を攻撃したのもこのプログラムのせいで

アリマ本人ではなく、その目の前の岩を攻撃する事によって、奥のアリマをついでに攻撃していた。


2人の戦闘能力には開きがある。

オグナの血を得た28号は29号ことDr.アリマを遥かに凌駕している

が、まともに直接攻撃が出来ない28号にとって、戦局はアリマ有利のまま懸命に戦いを継続していたのだ。



ドドドン!と複数の強烈な爆発音

上がる砂埃が施行された魔法の凄まじさを物語っている



(くそ…生命力(エナジー)が……ここまでかよ)


立ち昇る砂埃の前で、地面に両膝を尽き座り込む28号

その姿は、痩せ細った老婆に変わっている


未だ晴れない砂埃の中に蠢く大きな影

その中からゆっくり歩み出てくる黒く巨体な昆虫の姿


『最後にチャンスをやろう28号……吾輩に従え!その絶大な力をこの父の為に使うと誓うのだ!』


血で真っ赤になった歯をニヤリ見せながらと28号は笑い返す

「ふふっ…くたばれ…クソじじい」


『そうか、残念だ!!!!!!!!』

ギラリと光る昆虫の鎌、その凶刃が振り下ろされる


ガキン!っと轟く衝撃音


『なんだ!?貴様は!!??』


Dr.アリマの鎌を掴む太い腕!

鎌はピクリとも動かせない!!!

鉄よりも硬い鎌にやすやすと食い込む人の指!!


振り返り仰ぐ28号、そこにいたのは!


「あんた…!」

「よう!大丈夫か!!」


ニコッと笑うオグナの姿


『何者かと聞いている!!!!!!!!』

怒るアリマ!!もう片方の鎌がオグナに迫る!


「あっ?」と睨みを効かせたオグナの拳が

ボコン!っと一発!!

Dr.アリマを軽く吹っ飛ばす!!

激しく飛ばされて行く巨大な昆虫の体!!

岩に叩きつけられ、口から緑の血が溢れ出す!!


(((なんだ!?なんだ!!!!!!!!あの男は!?)))


掴んだまま、ちぎれた鎌をプラプラとさせながら

オグナは28号の顔の前にしゃがみこむ

「ずいぶと…まぁ!派手にやられたなぁ」

「…なんで来たんだい?」

「さぁな?なんとなく」

「手ェ出すな…これは…私の問題だ」


グーーーーっと28号の腹の虫が鳴る


「わかった、手は出さねぇよ!でもそれじゃ戦いたくても戦えないだろ?」


オグナは、手した虫の鎌で自らの右の前腕をザクっと切る


「ほれ!さっさと決着つけてきな」


28号の鼻に香る食欲をそそる血の匂い

カラカラに乾いた口は、自然とオグナの腕にのびた

パクりと口に含むんた血!ジュワッと体が潤って行く


ドン!!!っと上がる砂埃!

『下等種族がーーーー!!!!!』

けたたましい昆虫の怒声


暗黒魔法(ダークマジック)終焉(インビシブル)雷霆(ジゴボルト)


ドロリ…と歪な魔力の波動

施行される第6界魔法

空が焦げ!悲鳴をあげる!

雲が地面に血を垂らすが如く

真っ赤な雷が全てを飲み込もうと広がっていく。


瞬間!


真っ赤な雷が音もなく消える。

空間自体が、栓でも抜けるように一点に吸い込まれた。


『バカな!!!!!!!!!!!』


アリマの目に映る、天に向かって腕を伸ばす28号の姿!

その拳は硬く握られている!

消え去った雲から差し込む太陽に照らされ妖しいほどに美しい28号、先程までの傷も無く、老いた体は健康的に引き締まった筋肉質なものに変わっている


「さて、そろそろラストにしろようか "お父様" !!」


その不敵な笑みまで美しい!!


『舐めるなーーーーーーー!!!!』


目にも止まらぬ速さで28号に突進するDr.アリマ!!


片手に小石を持ち足元に落とす28号


「吹っ飛びな!!」


襲い掛かるDr.アリマの攻撃をふわっと躱し

小石ごとアリマの腹に強烈な蹴りを叩き込んだ!!!

グシャリ!と鈍い音と共に

くの字に折り曲がるアリマの体

体液を撒き散らしなが体が空中に投げ出される!


「ちっ!やっぱ、やり切れねぇか」

眼光するどく空中で羽ばたくアリマを睨む28号


(((なんだ?何が?何が起こっている?なぜこの様なパワーアップを)))


腹部に深刻なダメージを受けながら

アリマは26号の報告を思い出す。


ー 予想も出来ないパワーアップを ー


(((考えられるのは、あの男だ!あの男が何か!?一体何なのだ!?)))



「なぁオグナ!あんたバーサーカーだろ?」


と28号がオグナに問う


「気付いてたか……なんだ?交代か?」


「いや!アイツは私がやるよ……ちょっと頼みがあるんだ…」


何か耳打ちをする2人


ふっと笑うオグナ

「いいぜ!ブチかまして来い」

「あぁ頼んだよ!!」


一方でDr.アリマは空中でダメージの回復をしながら、混乱する頭を整理していた。


(クソ、ここは1度引いて態勢を立て直さねば)


Dr.アリマが上空向かって更に飛び上がる


『悔しいが、今日はここまでだ!次こそは!次こそ必ず殺してやるぞ28号』

言葉と同時に、その複眼に映る驚愕の光景


『な!…なんだアレは?』


28号を助けに現れた謎の青年

その青年の肉体が服を押し破り、筋肉の大群勢が顔を覗かせる


隆起した筋肉、盛り上がる力こぶ!!!

丘を思わせる発達した胸板!!

大砲の砲身よりも太い首筋!!

ロッククラムが出来るほどにそびえ立つ、広い背中!!

深い渓谷を思わせる腹筋の割れ目!!

太ももは大地を締め上げる世界樹の根の様だ!


この世の筋肉!

それを一点に集約した様な猛き姿!

沸騰した血液に!筋肉が喜び勇む!


これぞ!シドウの者の証【益荒雄(マスラオ)】の姿!!


「おぉ〜♪いい男だねぇ」

「そりゃどうも」


ひょいとオグナの腕に掴まる28号


『巨人!?いやバーサーカー!!??』


(((あんな肉体変化など見た事がない)))


何か良からぬ気配を感じ

くるりと方向を変え、一目散に逃げるDr.アリマ


ー キーン! ー


(((アレは危険だ!!とにかく逃げねば!!!)))


ー キーン! ー


耳に響く風切り音!

より一層スピードを上げるDr.アリマ


ー キーン! ー


(((バーサーカーなどに恐怖するとは…)))


ー キーン! ー


(((ん?なんだ?この音?)))


振り返り見るDr.アリマ!!そこにいたのは!


『なに!?』

「ウォォオラァァア!!!!!!」


風を切り裂き!向かって来る28号の姿!

伸ばす拳に魔力の光が収縮していく!!!


バコンッ!! と一突き!!!!


魔力を湛えた28号の拳が硬い外皮を突き抜けて、

体ごとDr.アリマの胴体を貫いた!


『ば、ば…か…な』


「あばよ…クソオヤジ」と小さく呟く28号


衝撃で飛び散るDr.アリマの体

薄れ行く意識の中で最後に見えた光景は

何かを投げ飛ばした姿勢のオグナの姿だった


「無茶するぜ」


オグナの頭に28号の提案がよぎる


ー 「私をアイツに向かって投げ飛ばしてくれ! 」 ー

ー 「投げ飛ばす?」 ー

ー 「そう!あんたの力でアイツに私をぶつけてくれ! 」ー


『面白れぇなアイツ」オグナに笑みがこぼれる


程なくして28号が帰ってくる


束ねた髪をほどきながら

「その…助けてくれて、ありがとな…オグナ」

と恥ずかしそうな表情を浮かべる28号


「いいよ。俺が好きでやった事だ!」


「えっ!スキで!?」28号の顔がくーっと赤くなる


「さて、コレからどうかするか…」


「そういう事なら…早く言えよ…もう!!」はにかむ28号


「ん?」とオグナ


顔を赤らめながら28号は続ける

「いいぜ!(コク)られるなんて産まれて初めてだ…」


「ん?ん?」オグナの困惑が深くなる


「…私の舌を満足させれるのはアンタぐらいだしな!」

不意に28号がオグナの唇に、チュッと口づけをする


ズキュゥゥウン!!!と

急激に吸い上げられる大量の生命エネルギー!!

常人ならば一瞬でカラカラのミイラになってしまう程の凄まじ吸引力!!

さなから決壊したダムの水の勢い!


ぷるんっ♪と潤う28号!


「これからよろしくな!ダーリン!!」

愛らしいニコッと微笑む28号


「殺す気かぁあーーーーーーーーー!!!!!!」


怒鳴るオグナとハハハと笑う28号


美女と野獣!2人冒険はここから始まる。



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