その7
千本首討伐の報せは、すぐさま大陸各地に広がった
リック・ケイトでは見事、千本首を討ち取った
シスター・コーラ 一行に感謝状の贈呈式が開かれていた
しかしそこにオグナの姿は無い。
〜少し前〜
「もう、行ってしまわれるのですか?」
シスター・コーラがオグナを引き留める
「行く所もありますし、それに何だかんだ居づらくて」
ぽりぽりと頭を描くオグナ
「お待ち下さい!あのバーサーカーを討ち取ったのはオグナさんなんですよ!」
「左様である!式典に主役がおらねばどうする!出立はそれからでも」
アルフレッドとジルガもコーラ同様にオグナを引き留める
「その……」と、困り顔のオグナ
「同じだから…だろ?」
壁に持たれて、いつもの様に気だるそうなニック
何か心当たりがあるようだ
「ニックさん…気付いてましたか…」
「まぁ…薄々な」
「どうゆう事です?教えて下さい」懇願するシスター
すると、オグナの身体が急激に膨れあがる
その身体変化が物語るものは、たった一つ
「俺も…バーサーカーなんです…」
「……そんな」と表情が変わるシスター
すぐに元の大きさに戻ったオグナにニックが続ける
「俺は馬ぁ引いてたからな…いくら魔法で軽い荷台でも、1人荷台が増えただけで、あんなに重くなる筈がねぇ」
バーサーカーの身体は重い、戦闘時に身体を大きくさせるが、その体重は通常時と変わらない!
普段は、その膨大な筋肉を小さく折り畳んでいる様な物だからだ。
「そうでございましたか。」
「確かに今は、この街には居づらくても仕方ないのであるな」
居づらい理由、それは千本首がバーサーカーだったからだ、あからさまな差別をするわけでは無いが、
亜人種全体に対して、やはり少なからず人間は区別をしてしまう。同じ動物でも肉食動物と草食動物の危険度を無意識の内に区別してしまう様に
バーサーカーが街に火を付けて人々を襲った
それだけで、人間はバーサーカー族を非難し避けた。
今のリック・ケイトは、その風当たりがかなり厳しい
「だから行きます…」
「でも、オグナさんとあの男は違います!皆に説明すれば!」
必死なコーラに
「良いんです、協会のシスターがバーサーカーと仲が良いと噂になれば、皆さんにご迷惑をかける事になります。だから行きます」
「でも!」と言うコーラの肩に手を置くアルフレッド
彼は無言で首振る
「これ以上、気を使わせてもなぁ」とニック
「うむ、何から何まで申し訳無いのである」
「理解しただきありがとうございます…では、皆さんお元気で!」
一礼し歩き出すオグナ!少し離れてから4人の方に振り返る
「シスター!トイレする時は、あんまり森の奥まで進むよ〜」
「え?…トイレ…あーーーーーーーーーーー!!!!」
っとシスターの顔が真っ赤に染まる
オグナは一路、エウロンの故郷 マリオンを目指す
ちょうど、その頃
〜リック・ケイト周辺の浜辺〜
打ち上げられた1人の女性
「…ここは…いったい…それよりも…血を…生命力を吸わな…い…と…」




