第八話 編入生挨拶
観閲ありがとうございます。
長くなりそうなので、一旦切らせていただきました。
編入生挨拶の連絡が来た翌日、私とレアンは早速、朝会で前にだされていた。
「彼らが今年の編入生だ。右からレアン・ディディアン君、ラヴィウス・ユトア・シロワネア君だ。
早速、挨拶をして貰おうと思う。二人とも宜しく頼むよ」
現陛下の弟である王立学園の学園長は柔らかな物腰で私とレアンを紹介する。
だが、忘れてはならないのは彼が昨日の今日で私たちに全校生徒に私たちがSクラスで有ることを納得させろという難題を突きつけているのだ。
きっとこの笑顔の下に腹黒い一面を持っているに違いない。
「レアン・ディディアンだ。編入試験では武術を選択した。
この学園には強い奴と戦うために来ている。武術の腕に自信がある奴、是非俺と戦ってくれ」
レアンは堂々とした様子で挨拶をした。
知らなかった、レアン、君って戦闘狂だったんだね…………
戦うために学園に通っているとは、爽やかな雰囲気に反してとても良い戦闘狂っぷりである。
「得物は剣で、二本ほど扱っている。
見ていてくれ」
レアンが腰から剣を二本抜くと学園長が何やら魔力を高め始める。
何故か周りにあった机や花などが、片付けられ、教師が壇上から降りた。
これは、魔法をぶっ放すのではないか? 学園長は決して魔法が得意な方ではないが、他の王族と同じく、莫大な魔力を持っている。
そんな人物が魔法を使えば暴走する可能性も有る。
このまま暴走させたら生徒に被害が及ぶかもしれない。
私は急いでレアンと学園長を囲むように風属性の防護魔法を使った。
風属性の防護魔法のため透明で、一見何もないように見えるが、魔力や魔法を通さないように結界が張ってある。
学園長の金髪が王家特有の赤い魔力に染まる。
次の瞬間、学園長から溜められた魔力が溢れ出し、巨大な炎蛇が出現した。
これ、防護魔法を張っていなかったら、暴走してなくても危なかったじゃあないか。
普通、学園のホールでこんな魔法を使うだろうか?
学園長はきっと、私が防護魔法を使い、この威力の魔法を押さえられると読んだのだと思うが、実力を信用されて喜べば良いのか、打ち合わせもなしに魔法を押さえさせようとした無茶な学園長に怒れば良いのかわからない。
というか、レアンは如何するのだろうか? 前方から炎蛇、背後には壁だ。
この状況で、剣技を見せるのか?
私が、そんなことを考えている最中に炎蛇はするすると進み、レアンに跳びかかろうとしていた。
レアンはこんなに近くに大威力の魔法が有るというのに何も行動を起こさない。
つい、危ないと叫びそうになったときだった。
レアンが炎蛇の体を真っ二つにした。
炎蛇はボワンという音を立てて綺麗さっぱり、まるで最初から存在していなかったかのように消えた。
普通では考えられない事だ。
魔法は真っ二つにされたぐらいならばすぐに修復することが可能であり、もし時間切れで消えたとしたならば火が燃え尽きるような輝きを持って消える。
どちらにしても、今の状況とは違った。
一体、何が起こったというのだろうか?
レアンは二本の剣を仕舞うと、得意げな顔で話し始めた。
「驚いたか、俺、実は魔法を切ったんだ。
魔法の中にはな起動するときに使う小さな魔方陣が有るんだ。
魔法の本体はその魔方陣、だからその魔方陣を修復出来ない程に、壊す。
今やったように真っ二つとかな。
そうすると、案外簡単に魔法は切れるんだ」
確かにそうだ。
起動するときの魔方陣は魔法の本体、そこに書き込まれた事象が現実に発現する。
だが、その魔方陣の大きさは大きくて五センチにも満たない、とても小さな物なのだ。
今まで、方法があっても魔法があまり消されなかったのは、魔方陣を壊す以外に正反対の属性の魔法をぶつけることしか方法がなかったからだ。
そんな小さな魔方陣を見極めて、真っ二つにするなど、どれくらいの技量が求められているか、正直わからない。
ただ、わかるのはレアンが凄いという事だけだった。
この編入生挨拶、私の同室者は本当に凄い人物だったようです。
観閲ありがとうございました。




