03…マセおっさんにはご注意を?
冗談半分だった。
自分が少し前ハマっていたのを勝手に引き出しただけだ。私はあまりゲームにハマることは無かったから、あまりない知恵に頼った結果がこれだ。ただのゲームの学校名。それだけだ、それだけなのに…
「そうさ、此処は咲蘭高等学校でお嬢ちゃんが通ってるトコロさ」
それがどうした?とでも言いそうな言葉に私は唇を噛み締めた。
違うゲームの世界にすれば良かった…なんでヤンデレ学校できゃははうふふしなきゃいけないんだ!!
私が今居る世界【咲蘭高等学校】が舞台で繰り広げられるゲーム【狂愛―永久の檻―】というヤンデレ風味の乙女ゲームだ。
しかもそのヤンデレが少しやり過ぎの為年齢制限が掛かっていて、問題になったものだ。ヤンデレにも差があって、ソフトなヤンデレか危ないヤンデレという類に大きく分けられるのだが、このゲームでは選択ミスしたりあるアイテムを手に入れないとBADENDしか通れないと言う初見殺し。
他の乙女ゲームで異なっている点とすれば、必ずある人に声を掛けるもしくは、イベントを手に入れないと条件が満たされずBADENDになる事だ。しかもそれが攻略対象外のときもあるのでかなり面倒くさい。
まぁ、やってみるうちに楽しくなるが、主人公が狂っちゃうBADENDはあれは辛い。悲しいし、主人公が主人公じゃなくなるのがなんとも言えないのだ。
「あ、すいません…。いきなり倒れたから少しだけ記憶が飛んじゃって…」
「はははっ!」
私のアホ発言に笑いが込み上げてきたのか、 体をピクピクと震わせ口に出すと腹を押さえながら笑っていた。そんなに笑えますか?正直イラッとするんですが。
暫く笑っていた鷹沼は軽く私の後ろで肩を叩くと片腕で、引き寄せ体を密着させた。
「…なんなら、俺が思い出ださせてやろうか?手取り足取り…な」
「っ!?」
耳元で囁く彼と目が合えば、妖しく目を細めるのがとてもエロい。それ絶対違いますよね、セクハラですよね。何人落としたんですか先生。
「あ、あの…ちが」
「何が違うんだ?あの時のお嬢ちゃんはあんなに俺を欲しがってたじゃねぇーか」
唇の輪郭をなぞるように優しく親指で撫でて、顎をくいっと持ち上げる。不敵な笑みに思わず顔を火照らせば、次何が起こるのか期待してしまうのだ。彼がどんな事をするのか、を。
「先生っ…だ、めです」
「えぇ。ダメに決まってますでしょう?もう忘れたのかしら鷹沼先生?」
「ってぇええ!?」
「あちゃーバレたか…」
先生はまんざらでもないのか、頭を掻いて笑うが目の前に居る黒髪のお団子ヘアーをした女性はとても愉しそうに笑っていた。
「何回叱られたら気が済むのです?まったく私が居なかったら食べられてましたわ。そこの貴方!ちゃんと自分の身は自分で守りなさい!」
ぷんすかと怒りながら夫婦喧嘩のように交わす女の先生ー玲花先生だ。玲花先生は鷹沼のセクハラを制御する設定で、本編ではあまり出ていなかったものの男性からの圧倒的な支持が素晴らしい。まぁ、男性が乙ゲーやってる人もいれば女性がギャルゲーをやってる人もいるので不快感は無いが、結構このゲームを持っているのに驚く。あまりにも酷い描写が多いので一般向けではないが、それなりの支持率を持っているなんて凄い事だ。
「あと、貴方はもう教室に戻りなさい。保健室にいたら危ないわよ 」
先生、別に私は食べられても構わないです←
私は渋々先生に従うように保健室から出ると、鷹沼は「またな」と手を振ってくれた。
「またな」ってどういう意味で…いや、これは私の脳内が悪いんですよねーそうですよねー。
全ては計画どうり。
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