21…私たちはおともだち?
昨日は下校時間のチャイムになるまで先生と話していた為、玄條には会えなかった。とはいうのも先生が帰してくれなかったというか…なんというか。いや、先生とこんなに話すのは初めてだし目の保養にもなるのでありがたいんだけど…なんか積極的だったような気がする。まぁ、コーヒーが美味しすぎて帰れなかったというのもあるんですが。
逆に考えてこれでよかった気がする。言いたいことだけ言って逃げ出したのが戻ってくるのは結構勇気が必要なもんで。そういうことではよかったと思う。
「おはよう♪渚ちゃん!」
「あ、おはよう!!」
可愛らしい声に振り向くと抱きしめられて私の頭は昇天状態。
朝から主人公ちゃんに抱きしめられるなんて…今日頑張れそうな気がする。あぁ…主人公ちゃんはいつ見ても可愛いなぁ。柔らかいし、綺麗だし、嬉しそうに微笑む姿なんか天使だし。――あ。リボン変えたんだ。
「えへへ…渚ちゃんとおそろいにしちゃった」
「嬉しいなぁ…そのリボンもとっても似合ってるよ」
あの時に選んだ淡いオレンジ色のリボンを実際に付けてくれるとは嬉しいよね!着せ替え人形をしてるような気分だよ!
満足げに笑う主人公ちゃんに癒されていれば、何かに気付いたのか少し傾げた表情で私を見てきた。
「渚ちゃん、リボン変になってるよ」
「ぇあっ、本当!?…あちゃー」
「私が直してあげるよっ!」
「いいんですか?」
「うん!」
主人公ちゃんはにこやかに返事を返すと、リボンを解いて軽く髪を櫛で梳かしてくれた。毎日髪を梳かしてるから別に大丈夫な筈なんだけど、リボンを間違って結ぶと変になるらしいのでこうしているのだとか。ほんと有難いわ…主人公ちゃんはいいお嫁さんになれるよ。
「にしても鏡が無いと結ぶのキツイなぁ…」
「そうなんだ?にしても最初は綺麗だったけど?」
「あー…あれは、マセ…いや保健室の先生がしてくれたので」
「えっ!?ケンちゃんが!?」
苦笑いしながら肯定すれば主人公ちゃんは目をきょとんとさせてて可愛かった。すぐ戻ったのが惜しいけど。
勉強道具と必要最低限のものしか無かったため、鏡は残念ながら持っておらず、だからと言って鏡のある部屋まで探すのも難しいもので。人目を気にしちゃう私は知人にしか行くところがなかった。本来ならば主人公ちゃんに頼むべきだったんだけど、その日早く起きちゃって行こうにも行けなかった。そこで朝早く出勤している先生に頼んだわけである。
頼む時はとても恥ずかしかったけど、困った顔もせずに助けてくれて…流石乙女心分かってらっしゃる。
「っていうか、ケンちゃんって…先生のこと?」
「うん。ケンちゃんとは親戚の人とお友達で、子供のころから遊んでもらってたの!…高校生になったから名前で呼ぼうと思ったんだけど…ぬけなくて」
少し困ったように眉を下げて、恥ずかしいのか頬を赤く染まらせる主人公ちゃんに、少しだけマセおっさんと代わりたいと思ってしまった。
なにこの健気さ、ちょっと空回りしてる元気っ子かと思ったら女子力強いわ。主人公だから当たり前なんですけどね、もう少しこっちに分けてください。
「クセになったら直すのが難しいから仕方がないと思いますよ」
「そうだよね…!」
そういうと主人公ちゃんは手際よくリボンを結んでくれた。
毎日リボンを付けているからかバランスもいいし見た目もよくて今度教えてもらおうかな…なんて。そういうのは自分で頑張らないとね、手助けが無くても邪気眼で頑張るしかないかな←
二人で笑いあって、話して、ふざけあうのは久々で。
前より少し仲が良くなった気がする。
本当に仲がいいのかはよく分からないけど、私はそう思いたい。
だって楽しいんだもの。
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番外編でマセおっさんがリボンを結んでくれる話をやろうと思ったけど、これって犯罪臭やばくね?となったので自重します。




