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63 抵抗

 農園が燃やされている?

 侵略者が攻めてきた?

 急いで城から出ると、門の前にパラスが座り込んでいるのが見えた。

 御付きのゴーレムも一緒だ。


「早いなパラス。外で何が起きてるのか教えてくれ!」


 そう声をかけたが返事がない。

 顔を覗き込むと、パラスは眠りこけていた。


「ってまだ寝てるのか! 起きろ! ゴーレムに守ってもらえるからってこんなところで寝ない!」


 体を激しく揺さぶって起こす。

 寝ぼけまなこで機嫌が悪そうにパラスが起きる。


「……どうしたの」


「火事だ。人間が攻めてきたらしい。急いで状況を確認するぞ。アルファルドは出せるか?」


 矢継ぎ早に状況を伝えて指示を出す。

 そうしているとバーリャとレイがすごい形相でこちらに慌てて向かって来た。


「ソロモンさん!! 農園が! 獣人の人が! 知恵の塔はどうなるんですか?! 魔力は大丈夫なんですか?」


「パラス!! てめえこんな時ですらチンタラしやがって! 今何が起きてるのかわかってんのかコラ!」


「ちょっと……やめて……」


「レイ、落ち着けって!」


 パラスと俺は以前使用した闇より黒い帳(ベンタブラックリスト)で業魔力の影響を受けないから、このパニックに巻き込まれていないのか?

 ともかく、急いで2人にもブラックリストを共有させてみよう。

 これが本当に怪物によるものだとしたら多少は効果があるはずだ。


「正道眩ます魔を遠ざけよ。回答者権限寓意術、闇より黒い帳(ベンタブラックリスト)


 落ち着かない様子の2人を無理矢理黒いカーテンで包み込んだ。

 そして城を中心に可能な限り闇より黒い帳(ベンタブラックリスト)の範囲を広げて、その範囲内の魔物を業魔力の影響を受けないようにする。


<ソロモンさん、聞こえますか? ヨルノンです。知恵の塔のシステムには異常はありません。イシュー様は戦闘用のゴーレムの起動準備に入っています。ソロモンさんにも対処をお願いします>


 ヨルノンさんからのメッセージだ。

 農園が被害を受けただけで、知恵の塔自体にはダメージはないようだ。

 なら魔石板の機能を使って被害を抑えることはできる。

 魔石板から街全体に向けてメッセージを送った。


<侵略者が攻めてきた。慌てずに落ち着いて避難しろ。城も開放するから近くにいるものは入って構わない。魔力の備蓄は十分なので心配ない。街中のゴーレムの支援も遠慮なく受けろ>


 各地にある掲示板や魔石板からメッセージが繰り返し読まれて、徐々に住民の混乱は収まっていった。





「すまねえパラス。なんか頭おかしくなってたみてえだ」


 レイは謝るがパラスはレイを睨み続けている。

 レイは顔を背けてバツが悪そうにしている。


「私もごめんなさい。なぜか叫びまわって伝えなきゃって体が勝手に動いてしまったんです」


「きっと人間が怪物を連れてきたんだ。火を操る怪物とは別に、魔物を混乱させる能力を持つ魔物がいる可能性が高い」


 まだ怪物への具体的な対抗策は思いついていないこの状況で頼れるのは、住民とゴーレムの戦闘力だけだ。

 しかも防衛戦の時とは違って非戦闘員が戦いに巻き込まれないようにしないといけない。


「まだ孤立している周りの住民たちを城の中へ避難させよう」


 その時だった。

 5人の人影がこちらにやってきた。


「おかしいな。街の中央まではアーサー様の魔法が効いていないのか? ダントゥレ班に門を開けさせないといけないのに、こう注意を引きつけてしまうと手間取ってしまいそうだ」


「まあいい。見たところ子供の魔物か戦闘に向いていなさそうな魔物しかいないみたいだ。これなら魔法で混乱している魔物と同じで倒すのに苦労はしないだろう」


「すぐに片付けてめぼしいものを持ち帰るぞ。もたもたするなよ」


 5人は各々の武器を構えだした。

 武器には拭き取られずに残ったままの生々しい血が付いていた。

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