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42 自己紹介

 翌日、パラス、レイ、バーリャの3人を集めて、試しに回答させてみることにした。


 前日に集合のメッセージを送っておいたが、バーリャからしか返事が返ってこなかった。

 だが、パラスとレイは平然として集合場所の城の庭にやってきた。


「パラス、レイ、昨日送ったメッセージに返信がなかったから心配してたんだぞ」


「気付かなかった」


 パラスは貸した魔石板を操作して、今メッセージを確認したようなそぶりを見せる。

 しかし、パラスの面倒くさがりな性格からすると本当に気付いていなかったのか分からないな。


「それで、レイも気付かなかったの?」


「あぁ? あれメッセージ返さないとダメだったのかよ。そんなこと書いてなかったから、読んだら閉じて寝てたぜ」


「読んだら返事してくれよ! バーリャは分かったけど、君たちが来れるかどうか俺は分からないじゃないか」


「今来たから別にいいだろ」


「そんなんじゃ駄目だ。来れるかどうか返事をすること。いいね?」


「分かったよ」


「分かった」


 魔石板の基本的な操作だけじゃなくて、こうしたマナーや常識から教えていかないといけないようだ。

 俺も人間だった頃は3人とあまり年は変わらなかったが、それでも幼いころからよく機械に触れていたので、ネットを使ったマナーは感覚的に身についていた。

 これから魔石板を普及させていく上で、マナーを周知させることは重要だろう。

 個人間のトラブルの原因になったり炎上するようなことは、できるだけ知恵の塔システムからは遠ざけたい。


「それじゃあ、3人は顔を合わせるのは初めてだから自己紹介しようか。まずはバーリャから」


「ええっと、私の名前はバーリアライゼです。バーリャって呼んでください」


「お前半竜なのか。さすがお嬢様だけあって良い服着てるじゃん。なあ、俺にもちょっとでいいから何か買ってくれね?」


「それはちょっと……お母さんに聞かないと分からないです」


「レイ! 今日会ったばかりの人にたかるなよ! というか食費は渡してるんだから服くらい自分でどうにかしてくれ」


「あんなんじゃ足りねえんだよ。それに半竜は金持ちだからいいじゃん」


「良くない! もういいからさっさと自己紹介済ませて」


「チッ、俺はレイ。よろしくな」


「もう少しだけ喋ろうか。短すぎる」


「面倒だな……えー、俺は喧嘩なら誰にも負ける気はしねえから、かかってくる奴は覚悟しとけよ」


 本当に血気盛んな奴だ。

 他の2人と喧嘩にならないように見張っておかないと。


「じゃあ次はパラス」


「パラスです、よろしく」


「……他にはない?」


「口が疲れるからあんまり喋りたくない」


 パラスはパラスでまた厄介だ。

 パラスとレイを足して半分に割って、バーリャの謙虚さを足せばちょうどいいくらいなのに。


「ちょっとでいいからさ? 例えば、どこ出身とか」


「……それは今は言いたくない」


「分かった。これからもまだまだ時間はあるんだから今すぐにとは言わない。でも少しずつでいいからお互いのことを知っていこう」


「そう言うんなら、あんたのことをまず教えろよ。俺はずっとディルエットに住んできたが、あんたのことは今まで見かけなかった。ってことは最近ここに来たんだろ?」


 そういえば俺のことは3人には話していなかったんだっけ。

 長い付き合いになりそうだから、転生してきたことを打ち明けようか。


「そうだ。俺は最近ここに来た。それもこの世界とは別の世界から来たんだ」


「はぁ? 別の世界ってどこだよ。まさかマジで天頂説とか信じて、前世の記憶があるとか本気で言ってるのか」


「その通り、俺には前世の記憶がある。前の世界には魔法とか魔物なんてなくて、多くの人が科学に支えられた便利な生活をしていた」


「そんなのデタラメだろ。そう思い込んでるだけじゃねえの」


「家にある本にもそんなことは書いていませんでした」


「ソロモンの言ってることは本当。魔力のない動物しかいない世界があるのは私も聞いたことがある」


 パラスが基底世界のことを知っている?

 パラスも転生者と関りがあるのか?


「おいパラス、それマジなのか? 魔法がない世界なら、喧嘩の強い俺なら簡単にボスになれそうだな! 行ってみてえ」


「その代わりに知恵の塔と魔石板よりも発達した技術があるから、喧嘩が強いだけじゃ無理だな」


「なんだよつまんねえな。まあ弱い奴しか下の世界に転生しないらしいから俺には関係ねえけどな。さっさと魔石板使ってこの世界で一番強くなって、上の世界に転生してやるぜ」


「科学というのに興味があります。基底世界に行けたらたくさん本を持って帰りたいです」


 だんだんと自己紹介から話が逸れていってしまっている。

 前世の話を始めたのが悪かったが、そろそろ知恵活に戻らないと。


「はい、この話はこれで終わり! 俺の前世に興味持ってくれるのも嬉しいけど、今日からは実際に魔石板を使って問題を解決する練習をしていかないと。君たち3人も経験を積んでグレードアップすれば、今よりもっと強くなれるから頑張ること」


 そうして3人を落ち着かせて、解決できそうな質問がないか探し始めた。

天頂説については「17 魔物と人間」で説明しているので、そちらを読んでもらえると幸いです。

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