表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/103

35 時間と支配

 他にも何かアレゴリーを引き出せそうなものはないだろうか。

 そう思って研究室を物色していると、砂時計を見つけることができた。

 魔力を利用した魔石板で時刻を知ることができるこの世界でも、砂時計のような簡易な仕組みの道具は現役なのだろうか。

 魔石板からアレゴリーを抽出しようとも考えていたが、壊れて取り返しのつかないことになるのは避けたかったので砂時計を見つけられて良かった。


 時計は人間が時間を計るための道具だ。

 特に砂時計の砂が上から下へと流れていく様は、未来から過去へと時間が流れるという感覚を強く印象付けている。


 もしかすると、あらゆる種類の時計から寓意術を使えるようになれば、俺は時計の耐久地が許す限り時間を自由自在に支配することができるようになるのではないか。

 なんだかワクワクしてきた。

 こんな身近で手に入れやすいもので強力な術が使えるようになるかもしれないとは。

 我ながらこのような発想に至ったことが恐ろしい。


 砂時計の砂が落ちるのを止めることができれば、そこから時を止める力を抽出できないだろうか。

 物は試しだ。さっそくやってみよう。


 砂時計の砂を1度落ちきるまで待ってみる。どうやら3分計れるらしい。


 そしてもう1度ひっくり返して、半分ほど落ちたところで砂時計を横向きに倒して、砂の流れを止めると同時に寓意術の発動を宣言する。


「砂時計の寓意術、発動。時の流れよ、止まれ」


 ――気付くと俺は床に倒れていて、ガラスがビシィッと音を立てて割れた音がした。

 音がした方を見ると、砂時計が落ちていてガラス部分が砕け散り砂が床にこぼれていた。


 なぜ俺は倒れているんだ。寓意術が失敗した副作用だろうか。

 そうなった経緯が全く分からない。なぜ砂時計はたった1度で壊れてしまったのか。


 開錠の寓意術を発動した時にも古びて寿命が尽きていそうな鍵が壊れることはあったが、砂時計はどこにも破損した個所はなく、時間を計れないといったことはなかったはずだ。


 検証しようにも、もう時計のストックがない。

 また城中を探して消費しても問題なさそうな時計を集めようか。いや、やめておこう。

 もしかしたら、時間を操る術をモノにするのに何か重大な要素を見落としているのかもしれない。


 俺自身が術を使おうとしているから失敗するのだろうか。

 天秤の寓意術を発動させたときのように、タルパに任せてその様子を観察しておく必要があるだろう。

 今日は実験はやめておこう。今回の記録を魔石板にメモしておいて、またの機会に譲るとしよう。

 偶意術(タルパ)についてもよく分からないことが多すぎる。

 大事に至らないように慎重に、並行して2つの力を鍛えていくのがいいだろう。

 今度は意識を奪われるだけでは済まないかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ