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竜人の王

ラーズ竜王=ライズ王子

 カイトJr.は19790721と共にエルフ王国に転移魔法陣で向かった。エルフ王国の居城前に現れた二人は門番にエルフ王と謁見をお願いするのであった。しかし、1時間経っても、門の中にも入れないでいた。町くたび得ていると、風に乗って声が聞こえてきた。

「カイトJr.!門番に気づかれずに森に来い!・・・早く・・・」


カイトJr.は19790721と方に顔を向けても、何も聞こえないらしく反応さえしていなかった。しかし、森の奥の方から微かに宴を催している音がきこえてきた。カイトJr.はさりげなく門番に言うのであった。

「我、カイトJr.はエルフ王に謁見を申し込んだ者だ。突然の訪問で城の皆さまにご迷惑をかけているやもしれんかった。我が急遽、体調を崩してしまったと言ってはくれまいか。後日・・・明後日の昼過ぎに再度伺わせていただきたいと伝えてくれ。では!」


カイトJr.は三文芝居で19790721とともにエルフの居城から離れた。門番が見えなくなったのを確認したカイトJr.は19790721についてこいと言い放ち、森へ走り出した。


「1979...聞こえなかったのか!」

「カイトJr.どうしたというんだ!」

「風に声が混じっているぞ!耳をすませ!」


森の奥の林をを抜けると、小さな小屋が見えた。突然カイトJr.は小屋の方へ向きを変え、武器を、用意品がら慎重に小屋の周りを警戒し始めた。


森にたたずむ小さな小屋の扉が小さく空き、片手だけをあらわした。片手はゆっくりと小屋の中に入るようにゆらゆらと、手招きした。恐る恐る、カイトJrたちはドアを引こうとゆっくりと近づいた。次の瞬間カイトJr.と19790721の後ろに人影が現れ、二人の背中を強く押した。それを待ってましたといわんばかりにドアが開き、二人は転がるように小屋の中に入った。


「驚いたカイトJr.!そちらの方は初めてですね。手荒い真似をして申し訳ありません。」


カイトJr.は薄暗い部屋の中から現れた人物に少し腹を立てるのであった。

「フィート!!なんの真似だ!」

薄暗い部屋から現れたのは元老の息子フィートであった。そして、フィートの後ろから明かりをつけようと、エルフ王国第4姫のソフィーがランタンに魔法で火を燈し始める。


ゆっくりとカイトJr.と19790721が立ち上がるとバタン!ドアがしまった。

「ごめんなさい。ちょっと驚かそうと思ったの!エヘッ!」

そういうと、また一人、小屋の中にエルフの娘が入ってきた。


「カイトJr!妹のシェールだよ。そうだ、もう一人の妹サーシャは地球でしっかりと、ミーユ第2姫のお世話をしているか?ってそんな話をするためじゃなかった!」


カイトJr.は何をフィートが焦っているかわからなかった。しかし、それよりも、どうやって自分だけしか聞こえないようにしたのかを知りたかった。

「エルフ特有の風魔法を使ったのかフィート!俺にも教えてくれ!便利そうだ!」


たわいもない話を始めようとした矢先、ソフィー姫が泣き崩れた!

「助けてください。カイトJr様!どうかお願いいたします。ウッゥゥゥゥ・・・父君と母君が・・・」


フィートはカイトJrの両手で腕首を握ってお願いした。

「カイトJr.助けてくれエルフの民を・・・ライズ王子が蘇って・・・エルフ狩りを・・・・」


カイトJr.は何となくだが、エルフ王国の危機ということはわかったので詳しく聞くことにした。

「19790721様は私を守るって言いましたけど、まず、エルフの民を守ったほうがいいみたいですよ。」

「そうのようだな。でも、まずは、不覚とはいえシェールというこの娘にお灸を据えなくてはな!」キラーン!


にらまれたシェールはジャンピング寝土下座ともいえるぐらいに謝り尽くすのであった。

「すいません。申しません。ごめんなさい。エーンエンエン・・・シクシク・・・」


「もーよい!訳を話せ!エルフよ!」


19790721は闘気ともいえる迫力で凄みながら聞くのであった。声にもならないぐらいの震えたシェールは事情を話し始めた。


 昨晩、地球人と竜人の王がエルフの城を訪れた時に事件は起こった。城中の衛兵が姿を消し、森の中からオーガがエルフの町を襲い始めようとしたとき、死んだはずのライズ王子が現れた。そして、オーガたちと激闘の末・・・・ライズ王子は・・・オーガたちに・・・・連れ去られてしまった。死ぬ前のライズ王子は一度オーガ達との戦いで亡くなったはずだったのに、また、蘇ってきたにもかかわらず、捕らわれたこともあり、王様も王女様もひどく気を病まれてしまった。打ちひしがれた女王は、自ら竜人に応援をたのみにいかれたが、まだ・・・戻ってこないのだ・・・エルフたちは以前にもあったオーガ襲来の際に、大量のエルフが撲殺されたことがあったため、臆病風に吹かれてしまって・・・誰も・・・手を打とうとはしないんだ・・・・私もそうなんだ・・・


シェールも必死に涙をこらえながら話をしてくれた。


カイトJr.は話の間に割り込んだ。

「地球人ってジェーンだよな・・・今ジェーンは何処にいるんだ!蘇ったライズ王子について何か事情を知ってるかもしれんぞ!」


エルフたち皆、小屋の隅の暗がりを指さした。荷物のようなものが転がっていると錯覚するぐらいに溶け込んで寝ているジェーンがいた。


カイトJr.は死んでいるかもしれないと足で顔を踏んづけた。

「なんだこの、ワニの着ぐるみは!おーい!生きてるか!生きてても噛みつくなよ!」


「イテーぞ。弱ってるものをいたわらんか!ボケ!」


「おーおー元気そうだな!好き勝手やってるから、そうなるんだぞ。まーいいから、何があったんだよジェーン!」


ジェーンはふて腐りながら、上体だけ起き上がった。


「ラーズ竜人王の前世はエルフのライズ王子だったんだよ・・・たまたま・・・生物の進化の話や突然変異なんかの話をしたら・・・いきなり考え事をしたとおもったら・・・いつの間にかライズ王子に変化したんだよ。そして、私と一緒にエルフの王に会いに行ったんだけど・・・突然、エルフがオーガに変わって襲いだしたんだ。それから、ソフィー様に助けられて・・・・私たちは命からがら逃げてきたんだよ・・・」


カイトJr.は19790721とジェーンに目配せをした。

「エルフがオーガに変わる。竜人がエルフに・・・・どういうことだ!」

19790721はでしゃばるようにジェーンをにらんだ。

「ジェーンさん。もしかしたら、先祖返りできるようなマジックアイテムを持ち込んだの?」


「違うのよ。たまたま竜人が変化できるとこを見ちゃったもんだから、DNA解析の話をしたのよ。竜人は強い種族になるために・・・いろいろな種族と婚姻してきたから、さぞいろいろな者に変化できるのねって言ったのよ。そうそう、先祖返りじゃないけど・・・思い入れがあったり、強いきずなや繋がりがあると突然変異みたいな特別な変化や力が出るか聞いたかもしれないな・・・」


ジェーンはすっとぼけながら答えると、19790721はすかさず言葉かわす。

「それだ!ラーズ竜王は自分の前世がエルフってしていたから、エルフの魔力と変化でライズ王子に戻ったのかもしれんぞ!しかし、エルフがオーガに変わるなんて・・・」


ジェーンはあっさり答えた。

「人間も恨みや憎しみで、生きたまま鬼に変わることがあるように、エルフも何等かの魂の影響でオーガに変わったんじゃない。ライズ王子は憎まれてたんじゃない?」


何となく、状況が掴めたカイトJr.はここにいる全員で女王を追って竜人の国に行くのであった。



フィートは転移魔法陣で竜人の国の国境に降り立った。

おもおもしい雰囲気を醸し出した荒野に小さな村のようにテントが敷き詰められていた。われわれがエルフとともにおりたったのを見て。竜人が駆け寄って、一つのテントに案内した。


そこには、エルフの王女が竜人の軍隊の野営でアルマ女王に介抱されていたのであった。

アルマ女王はフィートとカイトJr.の顔を見ると立ち上がり、女王の様子を話し出した。

「安心してくれ、長寿のエルフだから死にはせん。ただ、悪夢を見ておるだけじゃ。」


アルマ女王はエルフの娘が女王に駆け寄るのを取り押さえた。

「母上・・・大丈夫ですか。」

「今、秘薬を飲ませてある。大丈夫だから、今は寝かせてやれ!」


カイトJr.とフィートはエルフの国でおきた過去のオーガの話と今回のエルフが変化したオーガの話をした。

すると、アルマ女王は頭を抱えながら苛立ちながら話をした。


昔、双子のエルフがいたんじゃ。しかし、エルフといってもエルフらしくない・・・人が人ざる者になるように、そのエルフ達はエルフを家畜のように残虐に狂ったように殺しまくったんじゃ・・・いつ頃か・・・エルフの姿からオーガに変化してしまったんじゃ。双子のエルフはオーガに変わった姿を互いに見て悔い改めようとした。しかし、時すでに遅くエルフの面影もなくひっそりと洞窟で潜んで暮らしたんじゃ。ある時、エルフの王子が竜人と共に狩りをしていると、たまたま、オーガに変わってしまった双子が見てしまったんだ。双子のエルフオーガはエルフ王子に心を射られてしまうが如く恋をしたんじゃ。嫉妬に狂ったエルフオーガは王子をさらいにエルフの国を襲い始めたんだ。エルフオーガはエルフたちを洗脳するように次々に暗示と催眠でエルフオーガに変えていった。そして、争いが激しくなり、戦っていたエルフの王子は死んでしまった。エルフ王子の死を悲しんだ恋人であり、許嫁の竜人の姫は竜人に生まれ変わるように転生の願を込め祈りを捧げた。同じようにオーガエルフの二人も呪いともいえる転生の呪文を施した。


前世の記憶をもったまま竜人として復活できる・・・しかし、愛しき人に会えば愛しき人が死んでしまう。という呪い!


しかし、転生したエルフの王子は竜人となるが・・・薄れゆく記憶の中で聞いた、愛しき人に会えば死んでしまうということは覚えていた。そして、生まれて間もなく、一人で異世界を竜戦士となり旅に出た。彼をおうようにエルフオーガの双子の一人も追っていった。それは、彼が愛する人ではないとあきらめていたことと、近くにいさえすればそれでいいというだけの理由だった。


そして、数十年後、ようやくエルフの王子は自分にかけられた呪いをといた。竜人の姫も転生した竜戦士を風の噂を聞きつけ、ひたすら彼の帰りを待っていた。


そして・・・年上となってしまった竜人の姫と・・・エルフ王子が転生した竜戦士と結ばれた。


しかし、エルフオーガの双子の片割れは愛しき人に会えば愛しき人ぬ呪いをかけたが、呪いで死ななかった竜人姫の話を聞いて、竜人の姫はエルフ王子が本当に愛する人ではなかったと勘違いした。そして、戻らぬエルフオーガが本当は愛しき人だったと思っていた。それにも関わらず、竜人の姫と結婚するなんてと嫉妬とねたみ恨み嫉みのごとくまた狂い始めるのであった。そして、王子がエルフの城にもどる時に恐怖のどん底に叩き落とすために念入りにエルフたちにエルフオーガに変わるように仕込んだ。



カイトJr.は恐る恐る、アルマ王女に尋ねた。

「竜人の姫ってもしかして・・・アルマ王女様ですか?」


手に腰を当て勝ち誇ったようにアルマ姫は言い放った。

「あたり前でしょう。こんなに転生するまで待ち続けるいい女は私ぐらいよ!」


フィートは申し訳なさそうに語り始めた。

「すいませーん。ちょっといいですか!もしかしたら・・・ここに、エルフオーガの双子の片割れいるんじゃないですか?っていうより、オーガの奴隷か従者の娘みたいな人いますよね。」


「いるわよ。誰かキーラ呼んできて!」とアルマ王女は護衛に叫んだ。そして、キーラの説明をした。


「竜人は強い種族であり続けるために、できれば他の種族との子をもうけたいのよ。進化し続けるためにね!キーラは確かにオーガの娘で王に子を宿させようとしてるのよ。」


フィートは不意に土下座をした。

「実は、私も竜王にアルマ王女の身支度をお願いされました。・・・王はエルフではない、己の不甲斐なさから・・・申し訳ありません。でも竜王はアルマ王女の女としての幸せと竜人の王女としての責任から苦渋の選択をされたんです。でも、それをわかっているからこそ・・・私は見守るだけでした。」


アルマ王女は後ろを向きながら涙をこぼしながら話した。

「ラーズ王に、ハーレムを作れ、作れといっていた私は、愛していないみたいじゃないか。エルフだったころの感じた私ではないと思ったのか・・・ラーズ王よ・・・」


キャンプの中に一人のオーガの娘が腰を低くしたまま入ってきた。

「失礼します。キーラでございます。何か御用がございますか。姫・・・泣いておられますか?」


「気にするな!そちに聞く!おぬしはエルフオーガか!お前には双子がおらんか!」


びっくりしたようにキーラは目を見開いた。そして、観念したように土下座して、そのまま顔をあげなかった。

「申し訳ありません。全部ご存じなのですね。」


「キーラよ。悪かった。お主もライズ王子の事を知っていたのに、子を宿らせようとした。」

「滅相もございいません。ただ、近くにいれさえすればよかったんです。子種を宿らせていただける機会をいただけたのにラーズ王は手さえ握ってはくれませんでした。」


アルマ王女は不思議そうに聞き直した。

「なぜじゃ。お前ほどの器量をもったオーガなら他の竜人はほっとかないぞ!」


「実は、ラーズ王が勇者の従者だったころから存じているんです。私はラーズ王に近づくために魔物使いの勇者の眷属になっていました。そして、ラーズ王がアルマ王女と婚姻してからは、手をまわして何とかラーズ竜王のそばに来ることができました。しかし、勇者との恩義もあり、ラーズ王は勇者の眷属だった私をまるで、娘のようにかわいがってくれるだけでした。アルマ様の思いにこたえるすべはなかったんです。」


アルマ姫はゆっくりを話し始めた。

「地球からの使者としてジェーンが、遺伝子組み換え技術を話してくれたんだ。他の種族とも交わらないで、進化する方法をな!ラーズ王は嬉しそうに話を聞いていたのは、私ともうけるための子の為だったのか!!あんなに好きな人と愛することを忘れていたのは私のほうだ。くやしい!今もこんなに愛してるのに!!」


そしてアルマはキーラに向かって膝をつけて頼みだした。

「キーラ!今、お前の双子の片割れにラーズ王が捕まった!どうか力を貸してくれないか?お願いだ!」


キーラはアルマ王女の顔を見つめながら涙をふき始めるであった。

ぼちぼち更新します。

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